エクセグラン錠100mg/エクセグラン散20%


作成又は改訂年月

**2014年7月改訂(第15版)

*2013年10月改訂

日本標準商品分類番号

871139

再審査結果公表年月
1998年3月

薬効分類名

抗てんかん剤

販売名
エクセグラン錠100mg

販売名コード

1139005F1023

承認・許可番号

承認番号
1AM-199
商標名
EXCEGRAN

薬価基準収載年月

1989年5月

販売開始年月

1989年6月

貯法・使用期限等

貯法

室温保存

使用期限

外箱等に記載

規制区分

劇薬

処方せん医薬品注)

注)注意−医師等の処方せんにより使用すること

組成

成分・含量

1錠中ゾニサミド100mg

添加物

結晶セルロース、乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、ヒプロメロース、マクロゴール6000、酸化チタン、タルク

性状

剤形

白色のフィルムコート錠

外形

直径(mm)

8.1

厚さ(mm)

3.8

重さ(g)

0.19

識別コード

P132

販売名
エクセグラン散20%

販売名コード

1139005B1048

承認・許可番号

承認番号
21600AMZ00022
商標名
EXCEGRAN

薬価基準収載年月

2004年7月

販売開始年月

1989年6月

貯法・使用期限等

貯法

室温保存

使用期限

外箱等に記載

規制区分

劇薬

処方せん医薬品注)

注)注意−医師等の処方せんにより使用すること

組成

成分・含量

1g中ゾニサミド200mg

添加物

乳糖水和物、エチルセルロース、ヒプロメロース、マクロゴール6000、ヒドロキシプロピルセルロース、軽質無水ケイ酸

性状

剤形

白色の散剤

におい・味

においはなく、味は初めないが、後にわずかに苦い。

一般的名称

ゾニサミド錠、ゾニサミド散

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果

部分てんかん及び全般てんかんの下記発作型
 部分発作
  単純部分発作〔焦点発作(ジャクソン型を含む)、自律神経発作、精神運動発作〕
  複雑部分発作〔精神運動発作、焦点発作〕
  二次性全般化強直間代けいれん〔強直間代発作(大発作)〕
 全般発作
  強直間代発作〔強直間代発作(全般けいれん発作、大発作)〕
  強直発作〔全般けいれん発作〕
  非定型欠神発作〔異型小発作〕
 混合発作〔混合発作〕

用法及び用量

ゾニサミドとして、通常、成人は最初1日100〜200mgを1〜3回に分割経口投与する。以後1〜2週ごとに増量して通常1日量200〜400mgまで漸増し、1〜3回に分割経口投与する。
なお、最高1日量は600mgまでとする。
小児に対しては、通常、最初1日2〜4mg/kgを1〜3回に分割経口投与する。以後1〜2週ごとに増量して通常1日量4〜8mg/kgまで漸増し、1〜3回に分割経口投与する。
なお、最高1日量は12mg/kgまでとする。

用法・用量に関連する使用上の注意

ゾニサミドをパーキンソン病(本剤の承認外効能・効果)の治療目的で投与する場合には、パーキンソン病の効能・効果を有する製剤(トレリーフ)を用法・用量どおりに投与すること。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

重篤な肝機能障害又はその既往歴のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある。〕

重要な基本的注意

1.
連用中における投与量の急激な減量ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
なお、高齢者、虚弱者の場合は特に注意すること。

2.
連用中は定期的に肝・腎機能、血液検査を行うことが望ましい。

3.
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、 本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

4.
用量調整をより適切に行うためには本剤の血中濃度測定を行うことが望ましい。

5.
発汗減少があらわれることがあり、特に夏季に体温の上昇することがあるので、本剤投与中は体温上昇に留意し、このような場合には高温環境下をできるだけ避け、減量又は中止など適切な処置を行うこと。〔「重大な副作用」、「小児等への投与」の項参照〕

6.
*投与中又は投与中止後に悪性症候群があらわれることがあるので注意すること。〔「重大な副作用」の項参照〕

7.
*投与中又は投与中止後に、自殺企図があらわれることがあるので、患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。〔「その他の注意」の項参照〕

相互作用

本剤は、主として薬物代謝酵素CYP3Aで代謝される。「薬物動態」の項参照〕

併用注意

(併用に注意すること)

薬剤名等
抗てんかん剤
 フェニトイン
 カルバマゼピン
  フェノバルビタール
 バルプロ酸等

臨床症状・措置方法
併用中の他の抗てんかん剤を減量又は中止する場合には、本剤の血中濃度が上昇することがある。

機序・危険因子
フェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタールではCYPが誘導され、本剤の血中濃度が低下することが示唆されている。

薬剤名等
フェニトイン

臨床症状・措置方法
眼振、構音障害、運動失調等のフェニトインの中毒症状があらわれることがあるので、できるだけ血中濃度を測定し、減量するなど適切な処置を行うこと。

機序・危険因子
本剤によりフェニトインの代謝が抑制され、血中濃度が上昇することが示唆されている。

薬剤名等
三環系抗うつ剤
  アミトリプチリン等
*四環系抗うつ剤
  マプロチリン等

臨床症状・措置方法
MAO-B 阻害作用を有するセレギリン(パーキンソン病治療薬)において、三環系抗うつ剤との併用により、高血圧、失神、不全収縮、発汗、てんかん、動作・精神障害の変化及び筋強剛といった副作用があらわれ、更に死亡例も報告されている。

機序・危険因子
相加・相乗作用によると考えられる。

副作用

副作用等発現状況の概要

<てんかんの場合>
承認までの臨床試験1,008例及び使用成績調査・特別調査5,368例の合計6,376例中1,575例(24.7%)に副作用がみられた。主なものは眠気(11.7%)、食欲不振(4.9%)、γ-GTP・ALP・ALT(GPT)・AST(GOT)の上昇等(2.1%)、無気力・自発性低下(3.8%)、運動失調(3.0%)、悪心・嘔吐(2.7%)、倦怠・脱力感(2.2%)、精神活動緩慢化(2.1%)等であった。(再審査終了時)

<パーキンソン病(承認外効能・効果、用法・用量) の場合>
*用量追加承認までの臨床試験842例中393例(46.7%)に臨床検査値異常を含む副作用がみられた。主なものは眠気(8.4%)、食欲不振(6.7%) 、ジスキネジア(5.7%) 、悪心(4.8%) 、幻覚(4.4%) 、気力低下(4.2%)等であった。(用量追加承認時)
**特定使用成績調査542例中62例(11.4%)に臨床検査値異常を含む副作用がみられた。主なものはめまい・ふらつき(2.4%)、幻覚(1.7%)、ジスキネジア(1.5%)等であった。(再審査終了時)

重大な副作用

1. *中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)(頻度不明)
 
観察を十分に行い、発熱、紅斑、水疱・びらん、そう痒感、咽頭痛、眼充血、口内炎等の異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

2. 過敏症症候群(頻度不明)
 
初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害等の臓器障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。

3. 再生不良性貧血、無顆粒球症、赤芽球癆(頻度不明)、血小板減少(0.1%未満)
 
観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

4. 急性腎不全(頻度不明)
 
観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

5. 間質性肺炎(頻度不明)
 
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

6. 肝機能障害(0.1%未満)、黄疸(頻度不明)
 
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う重篤な肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

7. **横紋筋融解症(0.1%未満注1)
 
観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。

8. **腎・尿路結石(0.1%未満注1)
 
観察を十分に行い、腎疝痛、排尿痛、血尿、結晶尿、頻尿、残尿感、乏尿等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

9. 発汗減少に伴う熱中症(頻度不明)
 
発汗減少があらわれ、体温が上昇し、熱中症をきたすことがある。発汗減少、体温上昇、顔面潮紅、意識障害等がみられた場合には、減量又は中止し、体冷却など適切な処置を行うこと。〔「重要な基本的注意」、「小児等への投与」の項参照〕

10. *悪性症候群(1%未満注1)
 
投与中又は投与中止後に悪性症候群があらわれることがある。観察を十分に行い、発熱、意識障害、無動無言、高度の筋硬直、不随意運動、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗、血清CK(CPK)の上昇等があらわれた場合には、体冷却、水分補給等の全身管理、及び再投与後には漸減するなど適切な処置を行うこと。なお、本症発症時には、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。〔「重要な基本的注意」の項参照〕

11. **,*幻覚(1%以上注1)、妄想(1%未満注1)、錯乱(1%未満注1)、せん妄(0.1%未満注1)等の精神症状
 
観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

 
注1)パーキンソン病(承認外効能・効果、用法・用量)に使用した場合の頻度

その他の副作用

次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、投与中止等の適切な処置を行うこと。
 

<てんかんの場合>
 

過敏症(注2)
1%以上 
発疹、そう痒感

皮膚
0.1%未満 
多形紅斑、脱毛

精神神経系
1%以上 
眠気、無気力・自発性低下、精神活動緩慢化、易刺激性・焦燥、記銘・判断力低下、頭痛・頭重、運動失調

精神神経系
0.1〜1%未満 
眩暈、意識障害、睡眠障害、抑うつ・不安・心気、幻覚・妄想状態、幻視・幻聴、精神病様症状、被害念慮、不随意運動・振戦、感覚異常、しびれ感、構音障害、平衡障害

精神神経系
0.1%未満 
不機嫌、離人症

1%以上 
複視・視覚異常

0.1〜1%未満 
眼振

0.1%未満 
眼痛

消化器
1%以上 
食欲不振、悪心・嘔吐

消化器
0.1〜1%未満 
胃痛・腹痛、下痢、流涎、口渇

消化器
0.1%未満 
口内炎、しゃっくり、便秘

血液
0.1〜1%未満 
白血球減少、貧血、血小板減少

血液
頻度不明 
好酸球増多

腎・泌尿器
0.1〜1%未満 
排尿障害・失禁

腎・泌尿器
0.1%未満 
蛋白尿、BUN上昇、クレアチニン上昇、血尿、結晶尿、頻尿

その他
1%以上 
体重減少、倦怠・脱力感

**その他
0.1〜1%未満 
発汗減少、発熱、胸部圧迫感、免疫グロブリン低下(IgA、IgG等)

その他
0.1%未満 
動悸、喘鳴、乳腺腫脹、抗核抗体の陽性例、血清カルシウム低下、高アンモニア血症

その他
頻度不明 
代謝性アシドーシス・尿細管性アシドーシス、味覚異常

<パーキンソン病(承認外効能・効果、用法・用量)の場合>
 

過敏症(注3)
1%未満 
発疹、湿疹、そう痒感

**,*精神神経系
1%以上 
眠気(5%以上)、ジスキネジア注3)、気力低下、抑うつ、めまい・ふらつき、睡眠障害、頭痛・頭重、幻視・幻聴

**,*精神神経系
1%未満 
精神活動緩慢化、不安・不穏、無気力・自発性低下、興奮、しびれ感、異常な夢、異常感、感覚異常、行動異常、自殺企図

*循環器
1%未満 
血圧低下、動悸、起立性低血圧、血圧上昇、上室性期外収縮、心室性期外収縮

**,*消化器
1%以上 
食欲不振、悪心、口渇、胃不快感、便秘

*消化器
1%未満 
胸やけ、嘔吐、下痢、腹部不快感、腹部膨満感、胃炎、胃痛、味覚異常、流涎、口内炎、嚥下障害、胃潰瘍

**,*血液
1%未満 
白血球減少、ヘモグロビン減少、赤血球減少、ヘマトクリット減少、貧血、白血球増加、血小板減少、顆粒球減少、好酸球増多

**肝臓
1%以上 
AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP、LDH上昇

**肝臓
1%未満 
γ-GTP上昇、肝機能異常

**,*腎・泌尿器
1%以上 
BUN上昇

**,*腎・泌尿器
1%未満 
排尿障害、頻尿、クレアチニン上昇、尿失禁、尿中蛋白陽性

**その他
1%以上 
体重減少、立ちくらみ、CK(CPK)上昇、浮腫、倦怠感

**,*その他
1%未満 
脱力感、発熱、視覚障害、脱水、呼吸困難、四肢痛、転倒、打撲、骨折、腰痛、汗疹、顔面潮紅、トリグリセリド上昇、血中コレステロール上昇、血中尿酸上昇、血糖上昇、血中カリウム減少、気管支炎、脱毛

注2)異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

注3)異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

少量から投与を開始するなど用量に留意すること。〔高齢者では、生理機能(肝機能、腎機能)が低下していることが多い。〕
なお、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。〔「重要な基本的注意」の項参照〕

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中に本剤を投与された患者が奇形(心室中隔欠損、心房中隔欠損等) を有する児を出産したとの報告があり、動物実験(マウス、ラット、イヌ、サル)で流産、催奇形作用(口蓋裂、心室中隔欠損等)が報告されている。また、妊娠中に本剤を投与された患者の児に呼吸障害があらわれたとの報告がある。〕

2.
授乳婦に投与する場合には、授乳を避けさせること。〔ヒト母乳中への移行が報告されている。〕

小児等への投与

1.
1歳未満の乳児への投与に対する安全性は確立していない。〔使用経験が少ない。〕

2.
発汗減少があらわれることがある。〔小児での報告が多い。「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照〕

過量投与

症状

昏睡状態、ミオクローヌス、眼振等の症状があらわれる。

処置

特異的解毒剤は知られていないので、胃洗浄、輸液、酸素吸入など適切な処置を行うこと。

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。〔PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。〕

その他の注意

1.
ゾニサミド製剤による治療中、原因不明の突然死が報告されている。

2.
血清免疫グロブリン(IgA、IgG等)の異常があらわれることがある。

3.
海外で実施された本剤を含む複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患等を対象とした199のプラセボ対照臨床試験の検討結果において、自殺念慮及び自殺企図の発現のリスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高く(抗てんかん薬服用群:0.43%、プラセボ群:0.24%)、抗てんかん薬の服用群では、プラセボ群と比べ1,000人あたり1.9人多いと計算された(95%信頼区間:0.6〜3.9)。また、てんかん患者のサブグループでは、プラセボ群と比べ1,000人あたり2.4人多いと計算されている。なお、海外臨床試験における本剤の自殺念慮及び自殺企図の発現率は0.45%であり、プラセボ群では0.23%であった。

<パーキンソン病(承認外効能・効果、用法・用量)の場合>

4.
*パーキンソン病患者を対象とした国内臨床試験において、ゾニサミド製剤を投与された患者での自殺又は自殺関連行為の発現割合は0.24%(2/842例)であった。

薬物動態

1. 血漿中濃度1)

表1参照

2. 血清蛋白結合率2)
48.6%(in vitro、ヒト血清、限外ろ過法)

3. 主な代謝産物及び代謝経路1)
ゾニサミドは主として肝臓で代謝され、イソキサゾール環開裂体を生成した後、グルクロン酸抱合等を受ける。

4. 排泄経路及び排泄率

排泄経路:
主として尿中

排泄率1)
投与後2週間における尿中排泄率は、未変化体として28.9〜47.8%、主代謝物(イソキサゾール環開裂体のグルクロン酸抱合体)として12.4〜18.7%であった。これらは投与量の47.6〜60.2%であった。(健康成人、200mg 1回又は2回及び400mg 2回投与)

5. 有効血中濃度3)
てんかんの重症度や症例によって違いはあるが、一般に20μg/mL前後が目安として示されている。

6. 代謝酵素4)

チトクロームP-450分子種:
主としてCYP3A

7. 腎機能障害患者における薬物動態5)

表2参照

腎クリアランス及び尿中排泄率で正常腎機能患者との間に差が認められた。

表1 血漿中濃度(健康成人3例、200mg 1回投与)

Tmax(h) Cmax(μg/mL) t1/2(h) 
5.3±1.3 2.9±0.3 62.9±1.4 

平均値±標準誤差


表2 腎機能障害患者における薬物動態(外国人、300mg 1回投与)

クレアチニンクリアランス
(mL/min) 
Tmax
(h) 
Cmax
(μg/mL) 
t1/2
(h) 
CL
(mL/min) 
Ae
(%) 
>60 3.3 3.64 58 3.42 16.8 
20〜60 4.3 3.73 58 2.50 11.9 
<20 2.9 4.08 63 2.23 13.3 

CL:腎クリアランス
Ae:尿中排泄率(投与後8日間までに尿中に排泄されたゾニサミドの用量に対する百分率)


臨床成績

二重盲検比較試験6)及び比較試験7)を含む総計965例についての臨床成績は次のとおりである。

表3参照

表3 臨床成績

対象疾患 改善率 
部分てんかん(単独投与例) 77%(47/61) 
部分てんかん(他剤併用の難治例) 39%(239/620) 
原発性全般てんかん(単独投与例) 73%(8/11) 
原発性全般てんかん(他剤併用の難治例) 38%(12/32) 
続発性全般てんかん(単独投与例) 40%(4/10) 
続発性全般てんかん(他剤併用の難治例) 23%(54/231) 

薬効薬理

1.
最大電撃けいれん(マウス、ラット、ウサギ、イヌ)及びペンテトラゾール誘発けいれん(マウス)の強直性伸展相をフェニトインやカルバマゼピンと同様に選択的に抑制する8,9)

2.
電気刺激誘発皮質限局けいれんや抱合エストロゲン皮質適用による棘徐波結合等のけいれん脳波に対して強い抑制作用を示す(ネコ)10,11)。また、タングステン酸ゲル皮質適用(ラット)や皮質凍結(ネコ)による棘波活性及び二次性全般けいれんに対して強い抑制作用を示す10)

3.
皮質又は海馬の反復電気刺激によるキンドリング形成後のけいれん脳波に対して抑制作用を示す(ラット)12)

4.
本剤の作用機序については、まだ完全に解明されてはいないが、発作活動の伝播過程の遮断、てんかん原性焦点の抑制等が示唆されている9,10)

有効成分に関する理化学的知見

一般名

ゾニサミド Zonisamide

化学名

1, 2-Benzisoxazole-3-methanesulfonamide

分子式

C8H8N2O3S

分子量

212.23

融点

164〜168℃

分配係数

1.04(クロロホルム/水系溶媒、pH7.04、室温)

性状

白色〜微黄色の結晶又は結晶性の粉末である。アセトン又はテトラヒドロフランに溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくく、水に極めて溶けにくい。

包装

エクセグラン錠100mg
 [PTP]100錠(10錠×10)、1,000錠(10錠×100)
 [バラ]500錠

エクセグラン散20%
 [バラ]100g、500g

主要文献

1)
Ito, T., et al.:Arzneim.-Forsch./Drug Res., 32:1581, 1982

2)
Matsumoto, K., et al.:Arzneim.-Forsch./Drug Res., 33:961, 1983

3)
河合逸雄:老化と疾患, 3:833, 1990

4)
Nakasa, H., et al.:Mol. Pharmacol., 44:216, 1993

5)
大日本住友製薬資料:腎機能障害患者における薬物動態

6)
清野昌一,ほか:医学のあゆみ,144:275, 1988

7)
小国弘量,ほか:小児科臨床,41:439, 1988

8)
Masuda, Y., et al.:Arzneim.-Forsch./Drug Res., 30:477, 1980

9)
Masuda, Y., et al.:J.Pharm.Dyn., 3:526, 1980

10)
Ito, T., et al.:Arzneim.-Forsch./Drug Res., 30:603, 1980

11)
Ito, T., et al.:Epilepsia, 27:367, 1986

12)
Kamei, C., et al.:Arch.Int. Pharmacodyn. Ther., 249:164, 1981

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