トランコロン錠7.5mg
作成又は改訂年月
**2014年4月改訂(第7版)
*2012年10月改訂
日本標準商品分類番号
871231
日本標準商品分類番号等
再評価結果公表年月(最新)
1976年7月
薬効分類名
過敏大腸症治療剤
承認等
販売名
トランコロン錠7.5mg
販売名コード
YJ(医情研)コード
1231009F1088
承認・許可番号
承認番号
21800AMX10567
商標名
Trancolon Tablets 7.5mg
薬価基準収載年月
2006年12月
販売開始年月
1967年1月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
*
使用期限
ケース等に表示(製造後5年)〔使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用すること。〕
組成
有効成分(1錠中)
日局 メペンゾラート臭化物 7.5mg
添加物
乳糖水和物、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール、酸化チタン、三二酸化鉄、カルナウバロウ
性状
剤形
フィルムコーティング錠
色
淡紅白色
外形
表
外形
裏
外形
側面
大きさ
直径
約6.1mm
大きさ
厚さ
約2.9mm
重量
約93mg
識別コード
434
一般的名称
メペンゾラート臭化物錠
Mepenzolate Bromide
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
緑内障のある患者[眼圧亢進を助長し、症状を悪化させるおそれがある。]
2.
前立腺肥大による排尿障害のある患者[排尿筋の弛緩と膀胱括約筋の収縮を起こし、排尿障害を悪化させるおそれがある。]
3.
重篤な心疾患のある患者[心臓の運動を促進させ、症状を悪化させるおそれがある。]
4.
麻痺性イレウスのある患者[消化管運動を低下させるため、症状を悪化させるおそれがある。]
5.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能又は効果
過敏大腸症(イリタブルコロン)
用法及び用量
メペンゾラート臭化物として、通常成人1回15mg(2錠)を1日3回経口投与する。
なお年齢、症状により適宜増減する。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
前立腺肥大のある患者[排尿障害を起こすおそれがある。]
2.
甲状腺機能亢進症のある患者[甲状腺機能亢進症の患者では心悸亢進や頻脈がみられるが、本剤は心臓の運動を促進させ、これらの症状を悪化させるおそれがある。]
3.
うっ血性心不全又は不整脈のある患者[心臓の運動を促進させ、症状を悪化させるおそれがある。]
4.
潰瘍性大腸炎のある患者[中毒性巨大結腸があらわれるおそれがある。]
5.
高温環境にある患者[汗腺等の分泌機能を抑制するので、体温調節が障害され高熱になるおそれがある。]
6.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重要な基本的注意
視調節障害
を起こすことがあるので、本剤投与中の患者には
自動車の運転等危険を伴う機械の操作
に注意させること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
三環系抗うつ剤
イミプラミン、アミトリプチリン等
フェノチアジン系薬剤
クロルプロマジン等
抗ヒスタミン剤
ジフェンヒドラミン等
臨床症状・措置方法
抗コリン作用に基づく副作用(視調節障害、口渇、排尿障害等)があらわれるおそれがある。
機序・危険因子
本剤及びこれらの薬剤はともに抗コリン作用を有するため相加的に抗コリン作用が増強されることがある。
薬剤名等
モノアミン酸化酵素阻害剤
臨床症状・措置方法
抗コリン作用に基づく副作用(視調節障害、口渇、排尿障害等)があらわれるおそれがある。
機序・危険因子
本剤の代謝が阻害され、抗コリン作用が増強されることがある。
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
その他の副作用
眼
頻度不明
視調節障害
消化器
頻度不明
口渇、便秘、悪心・嘔吐、食欲不振
泌尿器
頻度不明
排尿障害
精神神経系
頻度不明
めまい、頭痛・頭重
過敏症
注)
頻度不明
発疹
その他の副作用の注意
注)このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること。
高齢者への投与
一般に高齢者では抗コリン作用による視調節障害、口渇、排尿障害等があらわれやすいので、慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
小児等への投与
小児等に対する有効性及び安全性は確立していない。(使用経験が少ない。)
適用上の注意
薬剤交付時:
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
薬効薬理
1.
鎮痙作用
(1)
生体位消化管の自動運動抑制作用及び攣縮緩解作用
1)〜3)
麻酔イヌ及びネコを用いた試験でメペンゾラート臭化物は、胃、小腸及び結腸の自動運動、フィゾスチグミン−アセチルコリンによる消化管攣縮及び迷走神経刺激による消化管攣縮を明らかに抑制する。
メペンゾラート臭化物による自動運動抑制作用は、小腸に対するよりも結腸に対しより著明である。
(2)
腸管輸送能に対する作用
4)
ラットでのCharcoal meal法で、メペンゾラート臭化物は、消化管運動に対する抑制作用を示し、その効果は、アトロピンの1/2である。
(3)
胃・大腸反射に対する作用
3)
イヌを用いた寒冷刺激による胃・大腸反射の試験で、メペンゾラート臭化物は明らかな抑制作用を示す。
(4)
抗コリン作用
4)
イヌでの血圧を指標とした試験でメペンゾラート臭化物は、アセチルコリンによる血圧下降を著明に抑制し、その効果は、アトロピンとほぼ同等である。
2.
その他の作用
(1)
唾液分泌抑制作用
麻酔したイヌ及びネコにおいて、アセチルコリンによって起こした唾液分泌に対し、メペンゾラート臭化物は0.5mg/kgの静脈内投与で抑制作用を示していない
1)
。しかし、麻酔ウサギのピロカルピンによる唾液分泌に対し、皮下注射によるメペンゾラート臭化物は、アトロピンの2倍の強さの抑制を示したとの報告がある
4)
。
(2)
膀胱収縮に対する作用
2)
麻酔イヌでの骨盤神経刺激による膀胱収縮に対し、メペンゾラート臭化物は4mg/kgを静脈内投与しても部分的にしか抑制せず、この作用は臭化メタンテリンの約1/10の強さである。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
メペンゾラート臭化物(Mepenzolate Bromide)
化学名
(
3RS
)-3-[(Hydroxy)(diphenyl)acetoxy]-1,1-dimethylpiperidinium bromide
構造式
分子式
C
21
H
26
BrNO
3
分子量
420.34
融点
約230℃(分解)
性状
メペンゾラート臭化物は白色〜淡黄白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。ギ酸に極めて溶けやすく、メタノールに溶けやすく、熱湯にやや溶けやすく、水又はエタノール(95)に溶けにくく、無水酢酸に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
*包装
500錠(10錠×50)
1,000錠(10錠×100)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Buckley, J.P. et al.:J. Am. Pharm. Assoc.
46
(10):592, 1957[TR-01035]
2)
Chen, J.Y.P.:Arch. Int. Pharmacodyn.
121
(1〜2):78, 1959[TR-01033]
3)
日野貞雄:日本消化器病学会雑誌
64
(10):943, 1967[TR-01051]
4)
Long, J.P.:J. Am. Pharm. Assoc.
43
(10):616, 1954[TR-01019]
文献請求先・製品情報お問い合わせ先
アステラス製薬株式会社 営業本部DIセンター
**〒103-8411 東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号
0120-189-371
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売
アステラス製薬株式会社
**東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号