ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩錠1mg「イセイ」


作成又は改訂年月

2014年6月作成 (第1版)

日本標準商品分類番号

872160

薬効分類名

起立性低血圧・血管性頭痛用剤

承認等

販売名
ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩錠1mg「イセイ」

販売名コード

2160350F1323

承認・許可番号

承認番号
22600AMX00083000
欧文商標名
DIHYDROERGOTAMINE MESILATE Tablet 1mg「ISEI」

薬価基準収載年月

2014年6月

販売開始年月

2014年6月

貯法・使用期限等

貯法:

しゃ光保存

使用期限:

外箱に表示

規制区分

劇薬

処方せん医薬品注)

注) 注意−医師等の処方せんにより使用すること

組成

ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩錠1mg「イセイ」は、1錠中にジヒドロエルゴタミンメシル酸塩1mgを含有する。

添加物として乳糖水和物、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びステアリン酸マグネシウムを含有する。

性状

剤形

裸錠

色調

白色

外形 直径 (mm)



(6.0)

外形 厚さ (mm)



(2.7)

外形 重量 (mg)



(100)

識別コード

IC-436

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
しょう血管障害、閉塞性血管障害、狭心症、冠動脈硬化症、コントロール不十分な高血圧症、ショック、側頭動脈炎のある患者[本剤の血管収縮作用により、悪化するおそれがある。]

2.
重篤な肝機能障害のある患者[本剤の代謝が遅延するおそれがある。]

3.
敗血症の患者[本剤の血管収縮作用に対する感受性が増大するおそれがある。]

4.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人 (「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

5.
授乳婦 (「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

6.
本剤の成分又は麦角アルカロイドに対し過敏症の既往歴のある患者

7.
心エコー検査により、心臓弁尖肥厚、心臓弁可動制限及びこれらに伴う狭窄等の心臓弁膜の病変が確認された患者及びその既往のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]

8.
HIVプロテアーゼ阻害剤 (リトナビル、ネルフィナビル、ホスアンプレナビル、インジナビル、アタザナビル、サキナビル、ダルナビル)、エファビレンツ、デラビルジン、マクロライド系抗生物質 (エリスロマイシン、ジョサマイシン、クラリスロマイシン、ミデカマイシン、ロキシスロマイシン)、アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール、ミコナゾール、フルコナゾール、ホスフルコナゾール、ボリコナゾール)、テラプレビル、5-HT1B/1D受容体作動薬 (スマトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、リザトリプタン、ナラトリプタン)、麦角アルカロイド (エルゴタミン、エルゴメトリン、メチルエルゴメトリン) を投与中の患者 (「相互作用」の項参照)

効能又は効果

効能又は効果/用法及び用量

片頭痛 (血管性頭痛)

ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩として、通常成人1回1mgを1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

起立性低血圧

ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩として、通常成人1回1mgを1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

効能又は効果に関連する使用上の注意

家族性片麻痺性片頭痛、脳底型片頭痛、眼筋麻痺性片頭痛あるいは網膜片頭痛の患者には投与しないこと。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

肝又は腎機能障害のある患者[本剤の代謝又は排泄が遅延することがある。]

重要な基本的注意

1.
めまい等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の作業に注意させること。

2.
血管収縮作用を増強するおそれがあるので過度の喫煙を避けさせること。

相互作用

ジヒドロエルゴタミンは主に代謝酵素CYP3A4で代謝されるので、本酵素の阻害作用を有する薬剤との併用に注意すること。

併用禁忌

(併用しないこと)

薬剤名等 
HIVプロテアーゼ阻害剤
 リトナビル(ノービア等)
 ネルフィナビル(ビラセプト)
 ホスアンプレナビル
 (レクシヴァ)
 インジナビル(クリキシバン)
 アタザナビル(レイアタッツ)
 サキナビル(インビラーゼ)
 ダルナビル(プリジスタ、プリジスタナイーブ)
エファビレンツ(ストックリン)
デラビルジン(レスクリプター)
マクロライド系抗生物質
 エリスロマイシン(エリスロシン等)
 ジョサマイシン(ジョサマイシン等)
 クラリスロマイシン(クラリシッド等)
 ミデカマイシン(メデマイシン等)
 ロキシスロマイシン(ルリッド等)
アゾール系抗真菌薬
 イトラコナゾール(イトリゾール等)
 ミコナゾール(フロリード等)
 フルコナゾール(ジフルカン等)
 ホスフルコナゾール(プロジフ)
 ボリコナゾール(ブイフェンド)
テラプレビル(テラビック)

臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇し、血管攣縮等の重篤な副作用を起こすおそれがある。

機序・危険因子
これらの薬剤のCYP3A4に対する阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。

薬剤名等 
5-HT1B/1D受容体作動薬
 スマトリプタン(イミグラン)
 ゾルミトリプタン(ゾーミッグ)
 エレトリプタン(レルパックス)
 リザトリプタン(マクサルト)
 ナラトリプタン(アマージ)
麦角アルカロイド
 エルゴタミン(クリアミン)
 エルゴメトリン(エルゴメトリン)
 メチルエルゴメトリン(メテルギン等)

臨床症状・措置方法
血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。なお、5-HT1B/1D受容体作動薬と本剤を前後して投与する場合は24時間以上の間隔をあけて投与すること。

機序・危険因子
薬理的相加作用により、相互に作用 (血管収縮作用) を増強させる。

併用注意

(併用に注意すること)

薬剤名等 
β-遮断剤
 プロプラノロール等

臨床症状・措置方法
しょう血管収縮作用が強くあらわれるおそれがある。

機序・危険因子
薬理的相加作用により、相互に作用 (血管収縮作用) を増強させる。

薬剤名等 
シメチジン
キヌプリスチン・ダルホプリスチン
グレープフルーツジュース

臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。

機序・危険因子
これらの薬剤等のCYP3A4に対する阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。

薬剤名等 
ネビラピン
リファンピシン

臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。

機序・危険因子
これらの薬剤のCYP3A4誘導作用により、本剤の代謝が促進される。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

線維症
(頻度不明) 
長期連用により、胸膜、後腹膜又は心臓弁の線維症があらわれたとの報告がある。

その他の副作用

過敏症注1)
(頻度不明) 
蕁麻疹、呼吸困難、発疹、そう痒、顔面浮腫

消化器
(頻度不明) 
悪心・嘔吐、胸やけ、食欲不振、腹痛、上腹部不快感、下痢

精神神経系
(頻度不明) 
めまい、しびれ、眠気、口渇

循環器
(頻度不明) 
血圧上昇、血管収縮、末しょう性虚血

その他 
(頻度不明) 
筋痙縮、動悸、手指冷感

注1) このような場合には投与を中止すること。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、投与しないこと。[子宮収縮作用及び胎盤、臍帯における血管収縮作用がある。]

2.
授乳中の婦人には投与しないこと。[母乳中へ移行するおそれがある。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。

過量投与

徴候、症状
悪心、嘔吐、頭痛、頻脈、めまい、末しょう血管の攣縮の症状 (しびれ、刺痛、四肢疼痛、末梢性虚血)、昏睡

処置
胃洗浄及び活性炭による薬物除去。
心循環系、呼吸器系を注意深く監視し、異常があらわれた場合は対症療法を行う。動脈攣縮があらわれた場合は血管拡張剤が有効であるが、低血圧のある患者では悪化に注意する。
しょう血管の攣縮には加温し、虚血状態の四肢を保護する。

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。 (PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

薬物動態

溶出挙動

ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩錠1mg「イセイ」は、日本薬局方外医薬品規格に定められたジヒドロエルゴタミンメシル酸塩1mg錠の溶出規格に適合していることが確認されている。1)

有効成分に関する理化学的知見

一般名:
ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩 (Dihydroergotamine Mesilate)

化学名:
(5'S , 10R )-5'-Benzyl-12'-hydroxy-2'-methyl-9,10-dihydro-ergotaman-3' ,6',18-trione monomethanesulfonate

化学構造式:

分子式:
C33H37N5O5・CH4O3S

分子量:
679.78

性状:
本品は白色〜帯黄白色又は灰白色〜帯赤白色の粉末である。
酢酸 (100) に溶けやすく、メタノール又はクロロホルムにやや溶けにくく、水又はエタノール (95) に溶けにくく、無水酢酸又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品は光によって徐々に着色する。

融点:
約214℃ (分解)

取扱い上の注意

安定性試験
最終包装製品を用いた長期保存試験[しゃ光・室温保存、3年]の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩錠1mg「イセイ」はしゃ光・室温保存において3年間安定であることが確認されている。2)

包装

ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩錠1mg「イセイ」: 100錠 (PTP)
                             1000錠 (PTP)
                             500錠 (バラ)

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
株式会社イセイ: 社内資料 (溶出試験)

2)
株式会社イセイ: 社内資料 (安定性試験)

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。

株式会社イセイ 学術課

〒990-2495 山形市若葉町13番45号

TEL 023(622)7755

FAX 023(624)4717

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
株式会社イセイ

山形市若葉町13番45号