ジアセラL錠20mg


作成又は改訂年月

※※2014年7月改訂(第13版、禁忌の項等)

※2011年3月改訂(第12版)

日本標準商品分類番号

872171

日本標準商品分類番号等

再評価結果公表年月(最新)
1998年3月
2003年9月

再評価結果の注意書き
(品質)2003年9月

薬効分類名

虚血性心疾患治療剤

承認等

販売名
ジアセラL錠20mg

販売名コード

YJコード
2171011G1131

承認・許可番号

承認番号
21900AMX00730
欧文商標名
DIASERA L TABLETS 20mg

薬価基準収載年月

2007年6月

販売開始年月

1992年7月

使用期限等

貯 法

室温保存

使用期限

外箱、ラベルに記載

規制区分

処方箋医薬品注1)

注1)注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

1錠中の有効成分

日局 硝酸イソソルビド…20mg

添加物

乳糖水和物、トウモロコシデンプン、カルナウバロウ、硬化油、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、タルク、ステアリン酸Mg、軽質無水ケイ酸

性状

白色にうすい灰色〜淡黄色の不定形のはん点がある素錠(徐放性)。わずかに特異なにおいがある。

識別コード/本体

TwD.L

識別コード/包装

Tw.D.L

外形


外形


外形

側面

錠径(mm)

8.0

厚さ(mm)

3.5

質量(mg)

190

一般的名称

硝酸イソソルビド徐放錠

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
重篤な低血圧又は心原性ショックのある患者[血管拡張作用により更に血圧を低下させ、症状を悪化させるおそれがある。]

2.
閉塞隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある。]

3.
頭部外傷又は脳出血のある患者[頭蓋内圧を上昇させるおそれがある。]

4.
高度な貧血のある患者[血圧低下により貧血症状(めまい、立ちくらみ等)を悪化させるおそれがある。]

5.
硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

6.
※※ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)を投与中の患者[本剤とこれらの薬剤との併用により降圧作用が増強され、過度に血圧を低下させることがある。(「相互作用」の項参照)]

効能・効果

狭心症、心筋梗塞(急性期を除く)、その他の虚血性心疾患

効能・効果に関連する使用上の注意

本剤は狭心症の発作寛解を目的とした治療には不適であるので、この目的のためには速効性の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用すること。

用法・用量

通常、成人に対し、1回1錠(硝酸イソソルビドとして20mg)を1日2回経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。

本剤はかまずに服用すること。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
低血圧の患者[血管拡張作用により更に血圧を低下させるおそれがある。]

2.
原発性肺高血圧症の患者[心拍出量が低下しショックを起こすおそれがある。]

3.
肥大型閉塞性心筋症の患者[心室内圧較差の増強をもたらし、症状を悪化させるおそれがある。]

4.
肝障害のある患者[高い血中濃度が持続するおそれがあるので、減量するなどして使用すること。]

5.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

重要な基本的注意

1. 本剤の投与に際しては、症状及び経過を十分に観察し、狭心症発作が増悪するなど効果が認められない場合には他の療法に切りかえること。
2. 硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用中の患者で、急に投与を中止したとき症状が悪化した症例が報告されているので、休薬を要する場合には他剤との併用下で徐々に投与量を減じること。
また、患者に医師の指示なしに使用を中止しないよう注意すること。

3. 過度の血圧低下が起こった場合には、本剤の投与を中止し、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行うこと。
4. 起立性低血圧を起こすことがあるので注意すること。
5. 本剤の投与開始時には、他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤と同様に血管拡張作用による頭痛等の副作用を起こすことがある。このような場合には鎮痛剤を投与するか、減量又は投与中止するなど適切な処置を行うこと。
また、これらの副作用のために注意力、集中力、反射運動能力等の低下が起こることがあるので、このような場合には、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

6. ※※本剤とホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を低下させることがあるので、本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。

相互作用

併用禁忌

(併用しないこと)

1.

薬剤名等
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤
 シルデナフィルクエン酸塩
バイアグラ
※※ レバチオ
 バルデナフィル塩酸塩水和物
レビトラ
 タダラフィル
シアリス
※※ アドシルカ
※※ ザルティア

臨床症状・措置方法
併用により、降圧作用を増強することがある。

機序・危険因子
本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。

2.

薬剤名等
※※グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤
※※ リオシグアト
※※ アデムパス

臨床症状・措置方法
併用により、降圧作用を増強することがある。

機序・危険因子
※※本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。

併用注意

(併用に注意すること)

1. 薬剤名等
アルコール摂取

臨床症状・措置方法
血圧低下等が増強されるおそれがある。

機序・危険因子
血管拡張作用が増強される。

2. 薬剤名等
利尿剤

臨床症状・措置方法
血圧低下等が増強されるおそれがある。

機序・危険因子
血圧低下作用を増強させる。

3. 薬剤名等
血管拡張剤
硝酸・亜硝酸エステル系薬剤

臨床症状・措置方法
頭痛、血圧低下等の副作用が増強されるおそれがある。

機序・危険因子
血管拡張作用が増強される。

下記の薬剤等との相互作用により、過度の血圧低下が起こった場合には、減量又は投与を中止し、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行うこと。

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

1. 循環器
頻度不明 
めまい・ふらつき、熱感、潮紅、動悸、血圧低下、浮腫

2. 精神神経系
頻度不明 
頭痛、頭重、耳鳴、全身けん怠感、脱力感、不快感

3. 過敏症注2)
頻度不明 
発疹

4. 消化器
頻度不明 
悪心・嘔吐、胃部不快感、上腹部痛、食欲不振

5. 肝臓
頻度不明 
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇等

注2)投与を中止すること。

高齢者への投与

本剤は、主として肝臓で代謝されるが、高齢者では一般に肝機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあるので、注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

2.
授乳中の女性への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験が少ない)

適用上の注意

1.
服用時:本剤をかみくだいて服用すると、一過性の血中濃度の上昇に伴って頭痛が発生しやすくなるので、本剤はかまずに服用すること。

2.
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

その他の注意

1.
本剤使用中に本剤又は他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し、耐薬性を生じ、作用が減弱することがある。

なお、類似化合物(ニトログリセリン)の経皮吸収型製剤での労作狭心症に対するコントロールされた外国の臨床試験成績によると、休薬時間を置くことにより、耐薬性が軽減できたとの報告がある。

2.
硝酸イソソルビド製剤の投与によって、メトヘモグロビン血症があらわれたとの報告がある。

薬物動態

1. 生物学的同等性試験
ジアセラL錠20mgと標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(硝酸イソソルビドとして20mg)健康成人男子に絶食(n=16)及び食後(n=16)単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された(昭和55年5月30日 薬審第718号に基づく)1)

 

(1) 絶食投与

 

 

血漿中濃度並びにAUC、Cmaxのパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

 

(2) 食後投与

 

 

血漿中濃度並びにAUC、Cmaxのパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

 

2. 溶出挙動
ジアセラL錠20mgは、日本薬局方外医薬品規格第3部に定められた硝酸イソソルビド徐放錠の溶出規格に適合していることが確認されている2)

薬効薬理

ニトログリセリン同様、構造中より一酸化窒素(NO)を放出し、細胞内cGMP量を増加させることで血管平滑筋を弛緩させる。その結果、心に対する前後負荷が軽減され、うっ血性心不全の血行動態が改善される。また、比較的太い冠動脈と共に側副血行路も拡張するため、冠血流量は増大する。静脈血管に選択性が高いが、血圧は下降する。効果発現はニトログリセリンより遅く、持続は長い3)

有効成分に関する理化学的知見

構造式:

一般名:硝酸イソソルビド(Isosorbide Dinitrate)

化学名:1,4:3,6-Dianhydro-D-glucitol dinitrate

分子式:C6H8N2O8

分子量:236.14

性 状:白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはないか、又はわずかに硝酸ようのにおいがある。N,N-ジメチルホルムアミド又はアセトンに極めて溶けやすく、クロロホルム又はトルエンに溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又はジエチルエーテルにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。急速に熱するか又は衝撃を与えると爆発する。

取扱い上の注意

安定性試験

最終包装製品を用いた長期保存試験(室温、3年)の結果、ジアセラL錠20mgは通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された4)

包装

ジアセラL錠20mg:100錠、1000錠(PTP) 1000錠(バラ)

主要文献

1)
東和薬品株式会社 社内資料:生物学的同等性試験

2)
東和薬品株式会社 社内資料:溶出試験

3)
第十六改正日本薬局方解説書,C-2057,2011

4)
東和薬品株式会社 社内資料:安定性試験

文献請求先・製品情報お問い合わせ先

主要文献(社内資料を含む)は下記にご請求下さい。

東和薬品株式会社 学術部DIセンター(24時間受付対応)

〒571-8580 大阪府門真市新橋町2番11号

0120-108-932 TEL 06-6900-9108 FAX 06-6908-5797

http://www.towayakuhin.co.jp/forstaff

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
東和薬品株式会社

大阪府門真市新橋町2番11号