アーガメイト20%ゼリー25g


作成又は改訂年月

**2014年10月改訂(第12版、使用上の注意等の改訂)

*2012年9月改訂

日本標準商品分類番号

87219

薬効分類名

高カリウム血症改善剤

承認等

アーガメイト20%ゼリー25g

販売名コード

2190016Q2026

承認・許可番号

承認番号
22100AMX00632000
商標名
ARGAMATE 20% Jelly 25g

薬価基準収載年月

2009年9月

販売開始年月

2009年9月

貯法・使用期限等

貯法

室温保存

使用期限

製造後3年(外装及び容器に表示の使用期限内に使用すること)

組成

アーガメイト20%ゼリー25gは、1個(25g)中に「日局」ポリスチレンスルホン酸カルシウム5gを含有する製剤である。

添加物

還元麦芽糖水アメ、クエン酸Na水和物、ゼラチン、カンテン、ペクチン、カラギーナンを含有する。

性状

本品は淡黄白色〜淡黄色のゼリー様で、においはないか又はわずかに特異なにおいがあり、味は甘い。

一般的名称

ポリスチレンスルホン酸カルシウムゼリー

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

腸閉塞の患者[腸管穿孔を起こすおそれがある。]

効能又は効果/用法及び用量

急性および慢性腎不全に伴う高カリウム血症

通常成人1日75〜150g(ポリスチレンスルホン酸カルシウムとして15〜30g)を2〜3回にわけ、経口投与する。
なお、症状により適宜増減する。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
便秘を起こしやすい患者[腸閉塞、腸管穿孔を起こすおそれがある。]

2.
腸管狭窄のある患者[腸閉塞、腸管穿孔を起こすおそれがある。]

3.
消化管潰瘍のある患者[症状を増悪させるおそれがある。]

4.
副甲状腺機能亢進症の患者[イオン交換で血中カルシウム濃度が上昇するおそれがある。]

5.
多発性骨髄腫の患者[イオン交換で血中カルシウム濃度が上昇するおそれがある。]

重要な基本的注意

1.
**腸管穿孔、腸閉塞、大腸潰瘍があらわれることがあるので、高度の便秘、持続する腹痛、嘔吐、下血の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

2.
本剤を経口投与するにあたっては、患者に排便状況を確認させ、便秘に引き続き腹痛、腹部膨満感、嘔吐等の症状があらわれた場合には、医師等に相談するように患者を指導すること。

3.
過量投与を防ぐため、規則的に血清カリウム値及び血清カルシウム値を測定しながら投与すること。また、異常を認めた場合には、減量又は休薬などの適切な処置を行うこと。

相互作用

併用注意

(併用に注意すること)

1. 薬剤名等
ジギタリス剤(ジゴキシン等)

臨床症状・措置方法
ジギタリス中毒作用が増強されることがある。

機序・危険因子
本剤の血清カリウム値低下作用による。

2. 薬剤名等
アルミニウム、マグネシウム又はカルシウムを含有する制酸剤又は緩下剤(乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化マグネシウム、沈降炭酸カルシウム等)

臨床症状・措置方法
本剤の効果が減弱するおそれがある。

機序・危険因子
非選択的に上記薬剤の陽イオンと交換する可能性がある。

3. 薬剤名等
アルミニウム、マグネシウム又はカルシウムを含有する制酸剤又は緩下剤(乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化マグネシウム、沈降炭酸カルシウム等)

臨床症状・措置方法
全身性アルカローシスなどの症状があらわれたとの報告がある1〜3)

機序・危険因子
腸管内に分泌された重炭酸塩の中和を妨げる1)

4. 薬剤名等
*甲状腺ホルモン製剤(レボチロキシン等)

臨床症状・措置方法
上記薬剤の効果が減弱することがあるので、服用時間をずらすなど注意すること。

機序・危険因子
本剤が消化管内で上記薬剤を吸着することにより、これらの薬剤の吸収を阻害すると考えられる。

副作用

副作用等発現状況の概要

総症例48例中、副作用が報告されたのは8例(16.7%)であった。いずれも消化器症状であり、便秘4件(8.3%)、嘔気3件(6.3%)、食欲不振、嘔吐、下痢が各1件(2.1%)であった4)。[承認時]

なお、本項には頻度が算出できない副作用を含む。

重大な副作用

**腸管穿孔、腸閉塞、大腸潰瘍(頻度不明)
腸管穿孔、腸閉塞、大腸潰瘍があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。これらの病態を疑わせる高度の便秘、持続する腹痛、嘔吐、下血等の異常が認められた場合には、投与を中止し、聴診、触診、画像診断等を実施し、適切な処置を行うこと5)

その他の副作用

1. 過敏症
頻度不明 
発疹

2. 消化器
5%以上 
便秘注)、嘔気

3. 消化器
0.1〜5%未満 
食欲不振、嘔吐、下痢

4. 消化器
頻度不明 
胃部不快感

5. 電解質
頻度不明 
低カリウム血症

注)「重要な基本的注意」の1.項参照

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

適用上の注意

1. 経口投与時
本剤の経口投与では、消化管への蓄積を避けるため、便秘を起こさせないように注意すること。

2.
本剤は開封後すみやかに服用し、残した場合には廃棄すること。

その他の注意

1.
ポリスチレンスルホン酸カルシウムのソルビトール懸濁液を経口投与し、結腸狭窄、結腸潰瘍等を起こした症例が報告されている。

2.
類薬(ポリスチレンスルホン酸ナトリウム)で、そのソルビトール懸濁液を経口投与し、小腸の穿孔、腸粘膜壊死、大腸潰瘍、結腸壊死等を起こした症例が報告されている6,7)

3. *
ポリスチレンスルホン酸カルシウムとアルギン酸ナトリウムとの併用により、消化管内に不溶性のゲルを生じたとの報告がある。

臨床成績

透析期及び保存期の慢性腎不全患者計51症例を対象に実施した一般臨床試験の概要は次の通りであった。
透析期慢性腎不全患者28症例及び保存期慢性腎不全患者23症例に対し、本剤を1日75〜150g(ポリスチレンスルホン酸カルシウムとして15〜30g)を原則2週間経口投与した結果、血清カリウム値は投与前に比較して、透析期の患者で平均1.03±0.11mEq/L(解析例数22例)、保存期の患者で平均1.47±0.14mEq/L(解析例数20例)低下した4)

薬効薬理

1. 薬理作用
本剤より抽出したポリスチレンスルホン酸カルシウム1g当たりのカリウム交換容量は、「日局」の規格(53〜71mg/g、1.36〜1.82mEq/g)に適合する。

2. 薬力学的試験による生物学的同等性試験
次の2試験の結果より、本剤は標準製剤(散剤)と生物学的に同等であることが確認された。

(1) カリウム交換容量比較試験8)
本剤と、その含有量に相当する標準製剤(散剤)のカリウム交換容量を、それぞれ試験管内(KCl溶液)で経時的に測定するとき、両剤のカリウム交換容量に有意な差はなかった。

(2) 両腎臓摘出ラットの高カリウム血症モデルを用いた薬力学的試験8)
本剤と、その含有量に相当する標準製剤(散剤)を、高カリウム血症の両腎臓摘出ラットに2日間、計5回経口投与した結果、両剤の血清カリウム値低下作用は同等であった。また、カリウム以外の電解質に対し、両剤とも有意な影響を与えなかった。

3. 作用機序
ポリスチレンスルホン酸カルシウムは、経口投与により消化・吸収されることなく、腸管内ことに結腸付近で、ポリスチレンスルホン酸カルシウムのカルシウムイオンと腸管内のカリウムイオンが交換され、ポリスチレンスルホン酸樹脂としては何ら変化をうけることなしに、そのまま糞便中に排泄される。その結果腸管内のカリウムは体外へ除去される。

4. エネルギー量
本剤1個(25g)は約9.6kcalに相当する。

有効成分に関する理化学的知見

一般名
Calcium Polystyrene Sulfonate ポリスチレンスルホン酸カルシウム

構造式
本品は不規則に入り乱れた複雑な立体構造を有するが、その構造は部分的には下記で示される。

性状
「日局」ポリスチレンスルホン酸カルシウムは、微黄白色〜淡黄色の粉末で、におい及び味はない。水、エタノール(95)又はジエチルエーテルにはほとんど溶けない。

取扱い上の注意

1.
誤用に注意し、小児の手のとどかないところに保管すること。

2. 安定性試験9)
最終包装製品を用いた長期保存試験(室温、3年間)の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、アーガメイト20%ゼリー25gは通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。

包装

25g×60個(12個×5)、25g×105個(21個×5)

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
Fernandez PC,et al:New Engl J Med 286:23,1972

2)
Ziessman HA,et al:South Med J 69:497,1976

3)
Schroeder ET:Gastroenterology 56:868,1969

4)
前田憲志 他:腎と透析 49(1):137,2000

5)
Minford EJ,et al:Postgrad Med J 68:302,1992

6)
Gerstman BB,et al:Am J Kidney Dis 20(2):159,1992

7)
Rashid A,et al:Am J Surg Pathol 21(1):60,1997

8)
安藤正樹 他:薬剤学 60(4):261,2000

9)
社内資料(安定性試験)

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。

**アステラス製薬株式会社 DIセンター

**〒103-8411 東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号

電話番号
0120-189-371

株式会社三和化学研究所 コンタクトセンター

〒461-8631 名古屋市東区東外堀町35番地

電話番号
0120-19-8130

FAX番号
(052)950-1305

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

**販売
アステラス製薬株式会社

東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号

製造販売元
株式会社三和化学研究所

〒461-8631 名古屋市東区東外堀町35番地