イリボー錠2.5μg／ イリボー錠5μg

作成又は改訂年月

**2014年4月改訂（第7版）

*2012年11月改訂

日本標準商品分類番号

872399

日本標準商品分類番号等

国際誕生年月

1996年7月

薬効分類名

下痢型過敏性腸症候群治療剤

承認等

販売名

イリボー錠2.5μg

販売名コード

ＹＪ（医情研）コード

2399014F1026

承認・許可番号

承認番号

22000AMX01708

商標名

Irribow Tablets 2.5μg

薬価基準収載年月

2008年9月

販売開始年月

2008年10月

貯法・使用期限等

貯法

気密容器、室温保存〔開封後は湿気を避けて保存すること。〕

使用期限

ケース等に表示（製造後3年）〔使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用すること。〕

注意

【取扱い上の注意】の項参照

規制区分

劇薬

処方せん医薬品

注意−医師等の処方せんにより使用すること

組成

有効成分（1錠中）

ラモセトロン塩酸塩　2.5μg

添加物

結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、無水クエン酸、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール、酸化チタン、タルク、黄色三二酸化鉄

性状

剤形

フィルムコーティング錠

色

淡黄色

外形

表

外形

裏

外形

側面

大きさ

直径
5.6mm

大きさ

厚さ
3.0mm

重量

0.078g

販売名

イリボー錠5μg

販売名コード

ＹＪ（医情研）コード

2399014F2022

承認・許可番号

承認番号

22000AMX01709

商標名

Irribow Tablets 5μg

薬価基準収載年月

2008年9月

販売開始年月

2008年10月

貯法・使用期限等

貯法

気密容器、室温保存〔開封後は湿気を避けて保存すること。〕

使用期限

ケース等に表示（製造後3年）〔使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用すること。〕

注意

【取扱い上の注意】の項参照

規制区分

劇薬

処方せん医薬品

注意−医師等の処方せんにより使用すること

組成

有効成分（1錠中）

ラモセトロン塩酸塩　5μg

添加物

結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、無水クエン酸、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール、酸化チタン、タルク、黄色三二酸化鉄

性状

剤形

フィルムコーティング錠

色

淡黄色

外形

表

外形

裏

外形

側面

大きさ

直径
6.6mm

大きさ

厚さ
3.0mm

重量

0.104g

一般的名称

ラモセトロン塩酸塩錠

Ramosetron　Hydrochloride

効能又は効果

男性における下痢型過敏性腸症候群

効能又は効果に関連する使用上の注意

現時点で得られている臨床成績では、女性における本剤の有効性は認められず副作用発現率が高いことから、本剤を女性に対して投与しないこと。（「臨床成績」の項参照）

用法及び用量

通常、成人男性にはラモセトロン塩酸塩として5μgを1日1回経口投与する。
なお、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は10μgまでとする。

用法及び用量に関連する使用上の注意

用量調整を行う場合は1カ月程度の症状推移を確認してから実施すること。また、症状変化に応じた頻繁な用量調整を行わないようにすること。

使用上の注意

重要な基本的注意

1.

下痢型過敏性腸症候群治療の基本である食事指導及び生活指導を行った上で、症状の改善が得られない患者に対して、本剤の適用を考慮すること。

2.

慢性便秘症又は便秘型過敏性腸症候群の患者でないことを確認すること。

3.

十分な問診により、下痢状態が繰り返していること及び便秘状態が発現していないことを確認のうえ投与すること。

4.

類似症状を呈する疾患（大腸癌、炎症性腸疾患、感染性腸炎等）が疑われる場合には、必要に応じて専門的な検査を考慮すること。

5.

腹部手術歴のある患者は本剤の投与による便秘、硬便等の発現に伴うイレウス等の発現に注意すること。

6.

虚血性大腸炎や重篤な便秘が発現するおそれがあるので、腹痛、血便、便秘、硬便が認められた場合には、医師等に連絡するよう患者に指導すること。（「副作用」の項参照）

7.

本剤による治療により継続的な症状の改善が得られた場合、本剤の投与を漫然と継続することなく、投与開始3カ月を目処に、治療の継続、終了を検討すること。

相互作用

相互作用の概略

CYP1A2阻害作用を有する薬剤との併用により、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。（「薬物動態」の項参照）

併用注意

薬剤名等
フルボキサミン

臨床症状・措置方法

本剤の血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがある。

機序・危険因子

フルボキサミンのCYP1A2阻害作用により本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

薬剤名等
抗コリン作用を有する薬剤
抗コリン剤、三環系抗うつ剤、フェノチアジン系薬剤、モノアミン酸化酵素阻害剤等

臨床症状・措置方法

便秘、硬便等の副作用が増強されるおそれがある。

機序・危険因子

抗コリン作用により薬理効果が増強される可能性がある。

薬剤名等
止しゃ剤
ロペラミド塩酸塩等
アヘンアルカロイド系麻薬
アヘンチンキ等

臨床症状・措置方法

便秘、硬便等の副作用が増強されるおそれがある。

機序・危険因子

止しゃ作用により薬理効果が増強される可能性がある。

副作用

副作用等発現状況の概要

国内臨床試験で下痢型過敏性腸症候群患者（男女）を対象に安全性を評価した総症例数921例中、臨床検査値異常を含む副作用発現症例は259例（28.1％）であり、主なものは便秘63例（6.84％）、硬便65例（7.06％）であった。（承認時：2008年7月）

重大な副作用

1. 男性

主要評価項目である過敏性腸症候群症状の全般改善効果の最終時点における月間レスポンダー率に関して、本剤5μg群はプラセボ群を上回り有意な差が認められた。また、臨床検査値異常を含む副作用発現症例は本剤5μg群で215例中41例（19.07％）、プラセボ群で227例中30例（13.22％）であり、本剤5μg群で発現率5％以上の副作用は硬便であった^9）。（「臨床成績の表」表3、表4参照）

2. 女性

主要評価項目である過敏性腸症候群症状の全般改善効果の最終時点における月間レスポンダー率に関して、本剤5μg群はプラセボ群に対する有意な差を示さなかった。また、臨床検査値異常を含む副作用発現症例は本剤5μg群で55例中24例（43.64％）、プラセボ群で42例中6例（14.29％）であり、女性では男性に比べ副作用発現率が高く、本剤5μg群で発現率5％以上の副作用は便秘、硬便、腹部膨満であった^8）。（「臨床成績の表」表5、表6参照）

臨床成績の表

表1　過敏性腸症候群症状の全般改善効果の最終時点における月間レスポンダー率（男女）

投与群	症例数	レスポンダー率	両側95％信頼区間：下限	両側95％信頼区間：上限	P値※	プラセボとの差
プラセボ	265	26.79％	21.56	32.55	＜0.001	19.98％
イリボー錠5μg	263	46.77％	40.61	53.00	＜0.001	19.98％

※：χ²検定（有意水準：両側0.05）

表2　副作用発現率（男女）

投与群	症例数	副作用発現率	例数（発現率） ：便秘	例数（発現率） ：硬便	例数（発現率） ：腹部膨満
プラセボ	269	36例（13.38％）	4（1.49％）	2（0.74％）	4（1.49％）
イリボー錠5μg	270	65例（24.07％）	12（4.44％）	20（7.41％）	12（4.44％）

表3　過敏性腸症候群症状の全般改善効果の最終時点における月間レスポンダー率（男性）

投与群	症例数	レスポンダー率	両側95％信頼区間：下限	両側95％信頼区間：上限	P値※	プラセボとの差
プラセボ	223	24.22％	18.75	30.38	＜0.001	22.70％
イリボー錠5μg	211	46.92％	40.03	53.89	＜0.001	22.70％

※：χ²検定（有意水準：両側0.05）

表4　副作用発現率（男性）

投与群	症例数	副作用発現率	例数（発現率） ：便秘	例数（発現率） ：硬便	例数（発現率） ：腹部膨満
プラセボ	227	30例（13.22％）	2（0.88％）	1（0.44％）	3（1.32％）
イリボー錠5μg	215	41例（19.07％）	7（3.26％）	13（6.05％）	5（2.33％）

表5　過敏性腸症候群症状の全般改善効果の最終時点における月間レスポンダー率（女性）

投与群	症例数	レスポンダー率	両側95％信頼区間：下限	両側95％信頼区間：上限	P値※	プラセボとの差
プラセボ	42	40.48％	25.63	56.72	0.732	5.68％
イリボー錠5μg	52	46.15％	32.23	60.53	0.732	5.68％

※：χ²検定（有意水準：両側0.05）

表6　副作用発現率（女性）

投与群	症例数	副作用発現率	例数（発現率） ：便秘	例数（発現率） ：硬便	例数（発現率） ：腹部膨満
プラセボ	42	6例（14.29％）	2（4.76％）	1（2.38％）	1（2.38％）
イリボー錠5μg	55	24例（43.64％）	5（9.09％）	7（12.73％）	7（12.73％）

（注）本剤の承認された効能・効果は、男性における下痢型過敏性腸症候群である。

薬効薬理

1. 5-HT₃受容体に対する親和性

受容体結合実験において、選択的なヒト5-HT₃受容体親和性を示した^10）。

2. 5-HT₃受容体拮抗作用

セロトニンによるモルモット摘出結腸の収縮に対して、本剤は濃度依存的かつ競合的な抑制作用を示した^10）。また、セロトニンによる麻酔ラットの一過性徐脈反射（von Bezold-Jarisch反射）を用量依存的に抑制した^10）。

3. 排便異常に対する作用

拘束ストレスによるラット下痢、恐怖条件付けストレスによるラット排便亢進及びセロトニンによるマウス下痢に対して、本剤は用量依存的な抑制作用を示した^{11）〜13）}。

4. 大腸機能に対する作用

恐怖条件付けストレスによるラット大腸輸送能亢進、及びコルチコトロピン放出因子によるラット大腸水分輸送異常に対して、本剤は有意な改善作用を示した^12）14）。

5. 腹痛に対する作用

拘束ストレスによるラット大腸痛覚閾値低下に対して、本剤は用量依存的な改善作用を示した^11）。

有効成分に関する理化学的知見

一般名

ラモセトロン塩酸塩（Ramosetron Hydrochloride）

化学名

（-）-（R ）-5-［（1-Methyl-1H -indol-3-yl）carbonyl］-4,5,6,7-tetrahydro-1H -benzimidazole monohydrochloride

構造式

分子式

C₁₇H₁₇N₃O・HCl

分子量

315.80

性状

ラモセトロン塩酸塩は白色〜微帯黄白色の結晶性の粉末である。水又はメタノールに溶けやすく、エタノール（99.5）にやや溶けにくい。吸湿性である。光によって変化する。

取扱い上の注意

注意：

本品は高防湿性の内袋により品質保持をはかっている。

**包装

錠2.5μg：100錠（10錠×10）

錠2.5μg：140錠（14錠×10）

錠2.5μg：700錠（14錠×50）

錠5μg：100錠（10錠×10）

錠5μg：140錠（14錠×10）

錠5μg：700錠（14錠×50）

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)

古家英寿 他：臨床医薬 23（8）：765，2007［NA-00384］

2)

古家英寿 他：臨床医薬 23（8）：755，2007［NA-00383］

3)

中島光好 他：臨床と研究 72（11）：2912，1995［NA-088］

4)

社内報告書（ヒト肝ミクロソーム・代謝）（DIR080082）

5)

Kadokura, T. et al.：Eur. J. Clin. Pharmacol. 64（7）：691，2008［IB-00003］

6)

Kadokura, T. et al.：Eur. J. Clin. Pharmacol. 64（6）：605，2008［IB-00004］

7)

Matsueda, K. et al.：Scand. J. Gastroenterol. 43（10）：1202，2008［IB-00020］

8)

社内報告書（第III相試験）（DIR090098）

9)

松枝　啓 他：臨床医薬 24（7）：633，2008［IB-00006］

10)

Hirata, T. et al.：J. Pharmacol. Sci. 104：263，2007［NA-00380］

11)

Hirata, T. et al.：Neurogastroenterol. Motil. 20（5）：557，2008［IB-00001］

12)

Hirata, T. et al.：Inflammopharmacol. 15（1）：5，2007［NA-00381］

13)

Hirata, T. et al.：J. Pharmacol. Sci. 106（2）：264，2008［NA-00388］

14)

Funatsu, T. et al.：Eur. J. Pharmacol. 573（1-3）：190，2007［NA-00390］

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製造販売

アステラス製薬株式会社

**東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号