フェロステック錠50mg
作成又は改訂年月
**印: 2014年6月改訂 (第12版)
*印: 2012年4月改訂
日本標準商品分類番号
873222
日本標準商品分類番号等
再評価結果
2005年1月(品質再評価)
薬効分類名
可溶性非イオン型鉄剤
承認等
販売名
フェロステック錠50mg
販売名コード
3222013F1106
承認・許可番号
承認番号
(07AM)0272
欧文商標名
FERROSTEC
薬価収載
1995年7月
販売開始
1995年7月
使用期限等
貯 法
室温保存
使用期限
外装に表示の使用期限内に使用すること。
取扱い上の注意
「
取扱い上の注意
」の項参照
組成
1錠中:
クエン酸第一鉄ナトリウム…470.9mg(鉄として50mg)
〈添加物〉
カルメロース、結晶セルロース、酸化チタン、ステアリン酸カルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、マクロゴール6000
性状
白色のフィルムコーティング錠
*識別コード(PTP)
t FE
外形(サイズ)
表(直径mm)
9.6
外形(サイズ)
裏(重量mg)
550
外形(サイズ)
側面(厚さmm)
5.7
一般的名称
クエン酸第一鉄ナトリウム錠
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
鉄欠乏状態にない患者[過剰症を起こすおそれがあるので、過量投与にならないよう注意する]
効能・効果
鉄欠乏性貧血
用法・用量
通常成人は、鉄として1日100〜200mg(本剤2〜4錠)を1〜2回に分けて食後経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
消化性潰瘍、慢性潰瘍性大腸炎、限局性腸炎等の胃腸疾患のある患者[病態を悪化させることがある]
2.
発作性夜間血色素尿症の患者[溶血を誘発し病態を悪化させることがある]
3.
鉄含有製剤(鉄剤、MRI用肝臓造影剤等)投与中の患者[過剰症を起こすおそれがある]
重要な基本的注意
本剤投与中は、適宜血液検査を実施し、過量投与にならないよう注意する。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1.
薬剤名等
セフジニル
臨床症状・措置方法
セフジニルの吸収を約10分の1に阻害することがあるので、3時間以上間隔を空けて本剤を投与すること。
機序・危険因子
相手薬剤と高分子鉄キレートを形成し、相手薬剤の吸収を阻害する。
2.
薬剤名等
キノロン系抗菌剤
塩酸シプロフロキサシン
ノルフロキサシン
トスフロキサシントシル酸塩水和物
スパルフロキサシン等
臨床症状・措置方法
抗菌剤の吸収を阻害することがある。
機序・危険因子
相手薬剤と高分子鉄キレートを形成し、相手薬剤の吸収を阻害する。
3.
薬剤名等
テトラサイクリン系抗生物質
臨床症状・措置方法
相互に吸収を阻害する。
機序・危険因子
相手薬剤と高分子鉄キレートを形成し、相互に吸収を阻害する。
4.
薬剤名等
甲状腺ホルモン製剤
レボチロキシンナトリウム水和物
リオチロニンナトリウム等
臨床症状・措置方法
チロキシンの吸収を阻害するおそれがある。
機序・危険因子
相手薬剤と高分子鉄キレートを形成し、相手薬剤の吸収を阻害するおそれがある。
5.
薬剤名等
制酸剤
臨床症状・措置方法
鉄の吸収を阻害することがある。
機序・危険因子
in vitro
試験において、pHの上昇により、難溶性の鉄重合体を形成することが報告されている。
6.
薬剤名等
タンニン酸を含有する食品
臨床症状・措置方法
鉄の吸収を阻害するおそれがある。
機序・危険因子
in vitro
試験において、タンニン酸と高分子鉄キレートを形成することが報告されている。
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
その他の副作用
1. 消化器
頻度不明
悪心・嘔吐、上腹部不快感、胃・腹痛、下痢、食欲不振、便秘、胸やけ、腹部膨満感
2. 過敏症
注)
頻度不明
発疹、そう痒感、光線過敏症
3. 肝臓
頻度不明
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの上昇等
4. 精神神経系
頻度不明
頭痛、めまい
5. その他
頻度不明
倦怠感、浮腫
注)このような場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。
小児等への投与
小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
臨床検査結果に及ぼす影響
潜血反応で偽陽性となることがある。
過量投与
1. **
症状
:主な症状は胃粘膜刺激による悪心、嘔吐、腹痛、血性下痢、吐血等の消化器症状である。また、頻脈、血圧低下、チアノーゼ等がみられる。重症の場合は、昏睡、ショック、肝壊死、肝不全に至ることがある。
2. **
処置
:服用初期には催吐、胃洗浄が有効である。その他に下剤、鉄排泄剤(デフェロキサミン)等の投与を行う。血圧低下や循環虚脱があらわれた場合には、昇圧剤、輸液等による対症療法を行う。
適用上の注意
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
その他の注意
1.
本剤の投与により便が黒色を呈することがある。
2.
本剤の投与により歯が一時的に着色(茶褐色)することがある。その場合には、重曹等で歯磨きを行う。
3.
動物実験において、大量のアロプリノールとの併用で肝の鉄貯蔵量が増加したとの報告がある。
薬物動態
1. 生物学的同等性試験
1)
フェロステック錠50mgと標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ2錠(鉄として100mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血清鉄濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
2. 溶出性
2)
フェロステック錠50mgの溶出性は、日本薬局方外医薬品規格第3部に定められた規格に適合していることが確認されている。
薬物動態の表
フェロステック錠50mg 絶食単回経口投与
薬物動態パラメータ (平均±標準偏差、n=14)
投与量(mg)
AUC
0-24
(
μ
g・hr/mL)
Cmax(
μ
g/mL)
Tmax(hr)
T
1/2
(hr)
フェロステック錠50mg
100
31.2±6.8
2.2±0.5
2.9±0.8
22.2±18.4
標準製剤(錠剤、50mg)
100
32.0±4.5
2.2±0.3
2.7±0.6
20.3±12.3
血清鉄濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
薬効薬理
鉄は、主に十二指腸と空腸上部で吸収され、吸収後は血漿中のトランスフェリンと結合して骨髄に移行し、赤芽球にとりこまれてへモグロビン合成に利用される。
クエン酸第一鉄は、非イオン型鉄のまま吸収されるため、低胃酸、食後でも吸収が良好で、胃粘膜刺激作用も少ないとされている。
3)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
クエン酸第一鉄ナトリウム(Sodium Ferrous Citrate)
化学名
tetrasodium biscitrato iron(II)
分子式
C
12
H
10
FeNa
4
O
14
分子量
526.01
性 状
クエン酸第一鉄ナトリウムは緑白色〜帯黄緑白色の結晶性の粉末である。水に溶けにくく、エタノール(95)にほとんど溶けない。希塩酸、希硝酸又は希硫酸に溶ける。光によって徐々に褐色となる。
構造式
取扱い上の注意
1. PTP開封後は光を遮り、湿気を避けて保存すること。
2. 安定性試験結果の概要
4)
加速試験(40℃、相対湿度75%、6ヵ月)の結果、フェロステック錠50mgは通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
包装
フェロステック錠50mg
PTP包装:100錠(10錠×10)、1,200錠(10錠×120)
主要文献
1)
テバ製薬(株)社内資料(生物学的同等性試験)
2)
テバ製薬(株)社内資料(溶出試験)
3)
古沢
等
:臨床医,
17
(増刊号),1204,1991
4)
テバ製薬(株)社内資料(安定性試験)
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