アゼプチン錠0.5mg/アゼプチン錠1mg


作成又は改訂年月

2010年1月改訂(第12版)

*2009年11月改訂

日本標準商品分類番号

87449

日本標準商品分類番号等

再審査結果公表年月(最新)
1993年9月

効能又は効果追加承認年月(最新)
1990年8月

薬効分類名

アレルギー性疾患治療剤

承認等

販売名
アゼプチン錠0.5mg

販売名コード

4490004F1021

承認・許可番号

承認番号
16100AMZ03237000
商標名
Azeptin

薬価基準収載年月

1986年6月

販売開始年月

1986年6月

貯法・使用期限等

貯  法

室温保存

使用期限

外箱又はラベルに表示の使用期限内に使用すること。

組成

本剤は、1錠中にアゼラスチン塩酸塩0.5mgを含有する白色の糖衣錠である。
添加物としてアラビアゴム末、カルナウバロウ、含水二酸化ケイ素、結晶セルロース、酸化チタン、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、精製白糖、タルク、沈降炭酸カルシウム、トウモロコシデンプン、乳糖水和物、白色セラック、ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン、マクロゴール6000を含有する。

性状

販売名

アゼプチン錠0.5mg

剤形

糖衣錠

識別コード

232

外形(表)

外形(裏)

外形(側面)

直径

6.2mm

質量

100mg

厚さ

3.5mm

性状

白色

販売名
アゼプチン錠1mg

販売名コード

4490004F2028

承認・許可番号

承認番号
16100AMZ03238000
商標名
Azeptin

薬価基準収載年月

1986年6月

販売開始年月

1986年6月

貯法・使用期限等

貯  法

室温保存
錠バラ包装は開栓後、光を遮り湿気を避けて保存すること。

使用期限

外箱又はラベルに表示の使用期限内に使用すること。

組成

本剤は、1錠中にアゼラスチン塩酸塩1mgを含有する白色の糖衣錠である。
添加物としてカルナウバロウ、含水二酸化ケイ素、結晶セルロース、酸化チタン、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、精製白糖、タルク、沈降炭酸カルシウム、トウモロコシデンプン、乳糖水和物、白色セラック、ヒドロキシプロピルセルロース、プルラン、ポビドン、マクロゴール6000を含有する。

性状

販売名

アゼプチン錠1mg

剤形

糖衣錠

識別コード

233

外形(表)

外形(裏)

外形(側面)

直径

6.7mm

質量

120mg

厚さ

3.7mm

性状

白色

一般的名称

アゼラスチン塩酸塩製剤

効能又は効果

効能又は効果/用法及び用量

気管支喘息

アレルギー性鼻炎

蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、アトピー性皮膚炎、皮膚そう痒症、痒疹

用法及び用量

1. 気管支喘息
通常、アゼラスチン塩酸塩として1回2mgを、朝食後及び就寝前の1日2回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

2. アレルギー性鼻炎及び蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、アトピー性皮膚炎、皮膚そう痒症、痒疹
通常、アゼラスチン塩酸塩として1回1mgを、朝食後及び就寝前の1日2回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

重要な基本的注意

1.
眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作には従事させないように十分注意すること。

2.
長期ステロイド療法を受けている患者で、本剤投与によりステロイド減量をはかる場合は十分な管理下で徐々に行うこと。

3.
気管支喘息に用いる場合、本剤はすでに起こっている発作を速やかに軽減する薬剤ではないので、このことを患者に十分説明しておく必要がある。

4.
本剤を季節性の患者に投与する場合は、好発季節を考えて、その直前から投与を開始し、好発季節終了時まで続けることが望ましい。

副作用

副作用等発現状況の概要

総症例14,365例中、439例(3.06%)の副作用が報告されている。(再審査終了時)

精神神経系
0.1〜5%未満 
眠気、けん怠感

精神神経系
0.1%未満 
めまい、頭痛、手足のしびれ

消化器
0.1〜5%未満 
口渇、悪心・嘔吐

消化器
0.1%未満 
口内及び口周囲のあれ、食欲不振、胸やけ、胃部不快感、腹痛、便秘、下痢

循環器
0.1%未満 
顔面のほてり、動悸

呼吸器
0.1%未満 
鼻乾燥、息苦しさ

肝臓
0.1%未満 
AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等

肝臓
頻度不明 
Al‐Pの上昇

過敏症注)
0.1%未満 
発疹

血液
頻度不明 
白血球増多

泌尿器
0.1%未満 
頻尿

泌尿器
頻度不明 
排尿困難、血尿

*その他
0.1〜5%未満 
苦味感、味覚異常

その他
0.1%未満 
浮腫

その他
頻度不明 
月経異常

注)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
〔動物実験(ラット)で大量投与(臨床用量の370倍以上)による催奇形作用が報告されている。〕

2.
授乳中の婦人に投与をすることを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること。
〔動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。〕

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児又は幼児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

適用上の注意

薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜に刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

その他の注意

薬剤自身の味である苦味のため苦味感、味覚異常があらわれることがある。

薬物動態

1. 血中濃度
健康成人男子にアゼラスチン塩酸塩を1回1mg(4名)、2mg(4名)、3mg注)(6名)及び4mg注)(4名)単回経口投与した場合、最高血漿中濃度はそれぞれ0.6、1.1、2.0及び2.1ng/mLであり、それに到達する時間は1〜3mg注)投与時では4時間、4mg注)投与時では6時間であった。
また、健康成人男子6名にアゼラスチン塩酸塩1回3mg注)を1日2回反復経口投与した場合、血漿中濃度は6日以内にほぼ定常状態に達し、生物学的半減期は約16.5時間であった。

2. 排泄
健康成人男子3名にアゼラスチン塩酸塩1回4mg注)を単回経口投与した場合、投与後72時間までに未変化体として投与量の2.5%が尿中に、1.2%が糞中に排泄された。
(参考)
外国のデータでは、14C‐アゼラスチン塩酸塩4.4mg注)を健康成人男子に経口投与した場合、120時間までに投与放射能の26.2%が尿中に、53.2%が糞中に排泄された。
注)1回3,4,4.4mg投与は承認外用量である。

臨床成績

臨床効果
気管支喘息に対する有効率は有効以上で31.2%(138例/443例)、やや有効以上では66.4%(294例/443例)であった。1)
アレルギー性鼻炎に対する有効率は有効以上で49.8%(309例/620例)、やや有効以上では80.2%(497例/620例)であった。2) 3)
皮膚疾患(蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、アトピー性皮膚炎、皮膚そう痒症、痒疹)に対する有効率は有効以上で64.5%(142例/220例)、やや有効以上では83.2%(183例/220例)であった。4) 5)
また、二重盲検試験によって本剤の有用性が確認されている。1) 2) 3)

薬効薬理

1. 作用機序

(1) ロイコトリエン産生・遊離抑制、拮抗作用
本薬はモルモットの肺切片、ヒト好中球、好酸球からのロイコトリエンC4、D4及びB4の産生・遊離を抑制する。その抑制機序としては細胞内へのカルシウム流入抑制作用、5‐リポキシゲナーゼの阻害作用、細胞内サイクリックAMP上昇作用、細胞膜安定化作用等によると考えられる。また、ロイコトリエンC4、D4によるモルモットの回腸及び気管支筋の収縮、ロイコトリエンB4によるヒト好中球遊走を抑制する。6) 7) 8) 9)

(2) ヒスタミン遊離抑制、抗ヒスタミン作用
本薬はヒト、ウサギ好塩基球及びラット肥満細胞からのヒスタミンの遊離を抑制し、モルモット気管筋、回腸を用いた収縮反応において抗ヒスタミン作用を示す。9) 10) 11) 12) 13) 14)

(3) 炎症細胞の遊走・浸潤抑制作用、活性酸素産生抑制作用
本薬は、ロイコトリエンB4によるヒト好中球の遊走、PAFによるモルモット好酸球の遊走・浸潤を抑制する。またモルモット好中球からの活性酸素の産生を顕著に抑制する。8) 15) 16)

2. 実験的アレルギー反応に対する抑制作用
モルモット及びラットの受身皮膚アナフィラキシー(PCA)反応、ロイコトリエン、PAF、ヒスタミン吸入によるモルモットの実験的喘息、イヌの実験的アレルギー性鼻炎、モルモットのアルサス反応(III型アレルギー反応)を低用量の経口投与で持続的に抑制する。17) 18) 19)

3. 気道及び鼻粘膜の過敏性低下作用
気道・鼻粘膜過敏性測定試験において、本薬投与により喘息患者及びアレルギー性鼻炎患者の気道・鼻粘膜の過敏性を低下させることが確認されている。20) 21)

有効成分に関する理化学的知見

一 般 名
アゼラスチン塩酸塩(Azelastine Hydrochloride)

化 学 名
4‐[(4‐Chlorophenyl)methyl]‐2‐[(4RS)‐(1‐methylazepan‐4‐yl)]phthalazin‐1(2H)‐one monohydrochloride

分 子 式
C22H24ClN3O・HCl

分 子 量
418.36

構 造 式

物理化学的性状
アゼラスチン塩酸塩は白色の結晶性の粉末である。
本品はギ酸に溶けやすく、水又はエタノール(99.5)に溶けにくい。
本品の水溶液(1→200)は旋光性を示さない。

融  点
約225℃(分解)

包装

アゼプチン錠0.5mg:100錠(PTP)

アゼプチン錠0.5mg:500錠(PTP)

アゼプチン錠1mg:100錠(PTP)

アゼプチン錠1mg:280錠(PTP28T×10)

アゼプチン錠1mg:500錠(PTP・バラ)

アゼプチン錠1mg:1,000錠(PTP)

アゼプチン錠1mg:1,400錠(PTP28T×50)

アゼプチン錠1mg:3,000錠(PTP)

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
牧野荘平ら:臨牀と研究, 62, 1623 (1985) AST‐0124

2)
奥田 稔ら:耳鼻咽喉科展望, 26(S.6), 563 (1983) AST‐0102

3)
奥田 稔ら:耳鼻咽喉科展望, 26(S.6), 606 (1983) AST‐0103

4)
亀田 洋ら:臨牀と研究, 58, 2719 (1981) AST‐0149

5)
西本正賢:新薬と臨床, 35, 2111 (1986) AST‐0158

6)
片山 敏ら:Prog. Med., 6, 1173 (1986) AST‐0043

7)
松村正典ら:呼吸, 9, 206 (1990) AST‐0267

8)
折笠悦子ら:Prog. Med., 9, 2272 (1989) AST‐0262

9)
友岡真樹ら:アレルギー, 37, 213 (1988) AST‐0197

10)
Little, M.M. et al. : J. Allergy Clin. Immunol., 79, 204 (1987) AST‐0273

11)
Chand, N. et al. : Eur. J. Pharmacol., 96, 227 (1983) AST‐0047

12)
Chand, N. et al. : Int. Arch. Allergy Appl. Immunol., 77, 451 (1985) AST‐0274

13)
Yamanaka, T. et al.: Arzneim. Forsch., 31, 1203 (1981) AST‐0078

14)
赤木正明ら:応用薬理, 26, 191 (1983) AST‐0067

15)
高橋龍太郎ら:Prog. Med., 9, 2479 (1989) AST‐0266

16)
山井孝夫ら:第2回アゼプチン研究会記録集, 2, 12 (1989) AST‐0292

17)
Tasaka, K. et al. : Arzneim. Forsch., 29, 488 (1979) AST‐0066

18)
Katayama, S. et al. : Arzneim. Forsch., 31, 1196 (1981) AST‐0046

19)
Tanigawa, T. et al.:Arzneim. Forsch., 31, 1212 (1981) AST‐0063

20)
岩田 勝ら:アレルギー, 38, 428 (1989) AST‐0256

21)
原田 泉ら:耳鼻咽喉科展望, 35(S.6), 469 (1992) AST‐0403

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フリーダイヤル 0120-419-497

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