ツムラ黄連解毒湯エキス顆粒(医療用)
作成又は改訂年月
- **2014年4月改訂(第8版)
- *2014年3月改訂(第7版)
日本標準商品分類番号
- 875200
日本標準商品分類番号等
- 再評価結果公表年月(最新)
- **2014年4月
薬効分類名
- 漢方製剤
承認等
- ツムラ黄連解毒湯エキス顆粒(医療用)

販売名コード
- 5200011D1078
承認・許可番号
- 承認番号
- (61AM)3278
薬価基準収載年月
- 1986年10月
販売開始年月
- 1986年10月
貯法・使用期限等
- 貯法
- しゃ光・気密容器
- 使用期限
- 容器、外箱に表示
組成
- 本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス1.5gを含有する。
日局オウゴン 3.0g
日局オウレン 2.0g
日局サンシシ 2.0g
日局オウバク 1.5g
- 添加物
- 日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物
性状
- 剤形
- 顆粒剤
- 色
- 黄褐色
- におい
- 特異なにおい
- 味
- 苦い
- 識別コード
- ツムラ/15
一般的名称
- 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
効能又は効果
- *比較的体力があり、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらする傾向のある次の諸症:
- 鼻出血、高血圧、不眠症、ノイローゼ、胃炎、二日酔、血の道症、めまい、動悸、湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症
用法及び用量
- 通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
- 著しく体力の衰えている患者[副作用があらわれやすくなり、その症状が増強されるおそれがある。]
重要な基本的注意
- 1.
- 本剤の使用にあたっては、患者の証(体質・症状)を考慮して投与すること。なお、経過を十分に観察し、症状・所見の改善が認められない場合には、継続投与を避けること。
- 2.
- 他の漢方製剤等を併用する場合は、含有生薬の重複に注意すること。
副作用
- 本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していないため、発現頻度は不明である。
重大な副作用
- 1.
間質性肺炎
- 発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、発熱、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、ただちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。
- 2.
肝機能障害、黄疸
- AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTPの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 3.
腸間膜静脈硬化症
- 長期投与により、腸間膜静脈硬化症があらわれることがある。腹痛、下痢、便秘、腹部膨満等が繰り返しあらわれた場合、又は便潜血陽性になった場合には投与を中止し、CT、大腸内視鏡等の検査を実施するとともに、適切な処置を行うこと。なお、腸管切除術に至った症例も報告されている。
その他の副作用
| 頻度不明 |
過敏症注1) | 発疹、蕁麻疹等 |
消化器 | 食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢等 |
注1)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
- 一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
- 妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
小児等への投与
- 小児等に対する安全性は確立していない。[使用経験が少ない]
薬効薬理
- 1.
循環系に対する作用
-
(1)
- 脳卒中易発症ラット(SHR-SP)に飲水投与したところ、血圧上昇が抑制された1)。心臓の血管炎の発現、心筋線維化、腎臓の増殖性血管炎、壊死性血管炎及び糸球体病変に対して組織学的な改善を示し、大動脈重量の上昇が抑制された2)。
-
(2)
- ラットに経口投与したところ、海馬での局所脳血流量(CBF)が増加した3)。
- 2.
胃粘膜障害に対する作用
- ラットに経口投与したところ、compound 48/80の単回又は反復投与による腺胃部の粘膜障害部位の面積が縮小し、胃粘膜における過酸化脂質(LPO)量増加、キサンチンオキシダーゼ(XOD)活性上昇及びグルタチオンペルオキシダーゼ活性低下がそれぞれ抑制された4)5)。
- 3.
抗炎症作用
-
(1)
- ラットに経口投与したところ、カラゲニン、卵白アルブミン、ブラジキニンによる足蹠浮腫並びにブラジキニンによる血管透過性亢進がそれぞれ抑制された。また、マウスに経口投与したところ、キシレンによる耳浮腫、酢酸による腹腔内色素漏出並びに酢酸による腹部収斂がそれぞれ抑制された6)。
-
(2)
- ラットに経口投与したところ、カラゲニンを含ませたコットンペレットによる肉芽腫形成が抑制された7)。
- 4.
作用機序
- 本剤は、以下の作用により薬理効果を示すことが示唆されている。
-
(1)
血小板凝集抑制作用
- ヒト血小板において、コラーゲン、アドレナリン、ADP、STA2、アラキドン酸による血小板凝集及びATP放出を抑制し、トロンビン、ADP、STA2によるPlatelet factor 4及びβ-トロンボグロブリン放出を抑制した(in vitro)8)。
-
(2)
抗炎症作用
- IL-1β/ TNF-α刺激ラット肝癌細胞において、NO産生を抑制し、また、LPS刺激マウスマクロファージにおいて、NOの産生を抑制した(in vitro)9)。
包装
- 500g、5kg(500g×10)、2.5g×42包、2.5g×189包
主要文献及び文献請求先
主要文献
- 1)
- 尾崎正若・他. 和漢医薬学会誌. 1985, 2(3), p.560.
- 2)
- 関根一郎・他. 和漢医薬学会誌. 1986, 3(2), p.71.
- 3)
- 小暮久也・他. Pharma Medica. 1988, 6(suppl.2), p.33.
- 4)
- 尾辻和彦・他. 和漢医薬学会誌. 1992, 9(2), p.101.
- 5)
- 小林 隆・他. 和漢医薬学会誌. 1993, 10(3), p.222.
- 6)
- Wang, L. M. et al. J. Pharm. Pharmacol. 1996, 48(3), p.327.
- 7)
- Mizukawa, H. et al. Am. J. Chin. Med. 1993, 21(1), p.71.
- 8)
- 楊 麗波・他. 臨牀と研究. 1992, 69(9), p.3005.
- 9)
- Suzuki, R. et al. 和漢医薬学雑誌. 1996, 13(2), p.165.
文献請求先
- 株式会社ツムラ お客様相談窓口
- 東京都港区赤坂2-17-11 〒107-8521
- TEL:0120-329970
- FAX:03-5574-6610
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
- 製造販売元
- 株式会社ツムラ
- 東京都港区赤坂2-17-11