ファンガード点滴用25mg/ ファンガード点滴用50mg/ ファンガード点滴用75mg


作成又は改訂年月

**2014年4月改訂(第16版)

*2013年10月改訂

日本標準商品分類番号

876179

日本標準商品分類番号等

再審査結果公表年月(最新)
*2013年6月

効能又は効果追加承認年月(最新)
2007年1月

国際誕生年月
2002年10月

薬効分類名

キャンディン系抗真菌剤

承認等

販売名
ファンガード点滴用25mg

販売名コード

YJ(医情研)コード
6179400D3023

承認・許可番号

承認番号
21800AMZ10356
商標名
Funguard 25mg for Infusion

薬価基準収載年月

2006年6月

販売開始年月

2006年7月

貯法・使用期限等

貯法 

遮光した密封容器、室温保存

使用期限

ケース等に表示(製造後3年)

規制区分

劇薬

処方せん医薬品

注意−医師等の処方せんにより使用すること

組成

有効成分(1バイアル中)

ミカファンギンナトリウム 25mg(力価)

添加物(1バイアル中)

乳糖水和物200mg、pH調節剤

性状

本剤は白色の塊で生理食塩液、ブドウ糖注射液に溶解したときのpH及び浸透圧比は下表のとおりである。

容器

無色バイアル

組成及び性状の表

含量/溶解液量 溶解液 pH 浸透圧比 
25mg(力価)/100mL 生理食塩液 4.5〜8.0 約1 
50mg(力価)/100mL 生理食塩液 4.5〜8.0 約1 
75mg(力価)/100mL 生理食塩液 4.5〜8.0 約1 
150mg(力価)/100mL 生理食塩液 4.5〜8.0 約1 
300mg(力価)/100mL 生理食塩液 4.5〜8.0 約1 
25mg(力価)/100mL ブドウ糖注射液(5w/v%) 3.5〜7.0 約1 
50mg(力価)/100mL ブドウ糖注射液(5w/v%) 3.5〜7.0 約1 
75mg(力価)/100mL ブドウ糖注射液(5w/v%) 3.5〜7.0 約1 
150mg(力価)/100mL ブドウ糖注射液(5w/v%) 3.5〜7.0 約1 
300mg(力価)/100mL ブドウ糖注射液(5w/v%) 3.5〜7.0 約1 

※生理食塩液に対する比


販売名
ファンガード点滴用50mg

販売名コード

YJ(医情研)コード
6179400D1020

承認・許可番号

承認番号
21400AMZ00623
商標名
Funguard 50mg for Infusion

薬価基準収載年月

2002年12月

販売開始年月

2002年12月

貯法・使用期限等

貯法 

遮光した密封容器、室温保存

使用期限

ケース等に表示(製造後3年)

規制区分

劇薬

処方せん医薬品

注意−医師等の処方せんにより使用すること

組成

有効成分(1バイアル中)

ミカファンギンナトリウム 50mg(力価)

添加物(1バイアル中)

乳糖水和物200mg、pH調節剤

性状

本剤は白色の塊で生理食塩液、ブドウ糖注射液に溶解したときのpH及び浸透圧比は下表のとおりである。

容器

無色バイアル

組成及び性状の表

含量/溶解液量 溶解液 pH 浸透圧比 
25mg(力価)/100mL 生理食塩液 4.5〜8.0 約1 
50mg(力価)/100mL 生理食塩液 4.5〜8.0 約1 
75mg(力価)/100mL 生理食塩液 4.5〜8.0 約1 
150mg(力価)/100mL 生理食塩液 4.5〜8.0 約1 
300mg(力価)/100mL 生理食塩液 4.5〜8.0 約1 
25mg(力価)/100mL ブドウ糖注射液(5w/v%) 3.5〜7.0 約1 
50mg(力価)/100mL ブドウ糖注射液(5w/v%) 3.5〜7.0 約1 
75mg(力価)/100mL ブドウ糖注射液(5w/v%) 3.5〜7.0 約1 
150mg(力価)/100mL ブドウ糖注射液(5w/v%) 3.5〜7.0 約1 
300mg(力価)/100mL ブドウ糖注射液(5w/v%) 3.5〜7.0 約1 

※生理食塩液に対する比


販売名
ファンガード点滴用75mg

販売名コード

YJ(医情研)コード
6179400D2027

承認・許可番号

承認番号
21400AMZ00624
商標名
Funguard 75mg for Infusion

薬価基準収載年月

2002年12月

販売開始年月

2002年12月

貯法・使用期限等

貯法 

遮光した密封容器、室温保存

使用期限

ケース等に表示(製造後3年)

規制区分

劇薬

処方せん医薬品

注意−医師等の処方せんにより使用すること

組成

有効成分(1バイアル中)

ミカファンギンナトリウム 75mg(力価)

添加物(1バイアル中)

乳糖水和物200mg、pH調節剤

性状

本剤は白色の塊で生理食塩液、ブドウ糖注射液に溶解したときのpH及び浸透圧比は下表のとおりである。

容器

無色バイアル

組成及び性状の表

含量/溶解液量 溶解液 pH 浸透圧比 
25mg(力価)/100mL 生理食塩液 4.5〜8.0 約1 
50mg(力価)/100mL 生理食塩液 4.5〜8.0 約1 
75mg(力価)/100mL 生理食塩液 4.5〜8.0 約1 
150mg(力価)/100mL 生理食塩液 4.5〜8.0 約1 
300mg(力価)/100mL 生理食塩液 4.5〜8.0 約1 
25mg(力価)/100mL ブドウ糖注射液(5w/v%) 3.5〜7.0 約1 
50mg(力価)/100mL ブドウ糖注射液(5w/v%) 3.5〜7.0 約1 
75mg(力価)/100mL ブドウ糖注射液(5w/v%) 3.5〜7.0 約1 
150mg(力価)/100mL ブドウ糖注射液(5w/v%) 3.5〜7.0 約1 
300mg(力価)/100mL ブドウ糖注射液(5w/v%) 3.5〜7.0 約1 

※生理食塩液に対する比


一般的名称

注射用ミカファンギンナトリウム

Micafungin Sodium

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果

効能又は効果/用法及び用量

アスペルギルス属及びカンジダ属による下記感染症

真菌血症、呼吸器真菌症、消化管真菌症

1. 成人

アスペルギルス症
通常、成人にはミカファンギンナトリウムとして50〜150mg(力価)を1日1回点滴静注する。
重症又は難治性アスペルギルス症には症状に応じて増量できるが、1日300mg(力価)を上限とする。

カンジダ症
通常、成人にはミカファンギンナトリウムとして50mg(力価)を1日1回点滴静注する。
重症又は難治性カンジダ症には症状に応じて増量できるが、1日300mg(力価)を上限とする。

点滴静注に際しては、生理食塩液、ブドウ糖注射液又は補液に溶解し、75mg(力価)以下では30分以上、75mg(力価)を超えて投与する場合は1時間以上かけて行う。
溶解にあたっては、注射用水を使用しないこと。[溶液が等張とならないため。]

2. 小児

アスペルギルス症
通常、小児にはミカファンギンナトリウムとして1〜3mg(力価)/kgを1日1回点滴静注する。
重症又は難治性アスペルギルス症には症状に応じて増量できるが、1日6mg(力価)/kgを上限とする。

カンジダ症
通常、小児にはミカファンギンナトリウムとして1mg(力価)/kgを1日1回点滴静注する。
重症又は難治性カンジダ症には症状に応じて増量できるが、1日6mg(力価)/kgを上限とする。

点滴静注に際しては、生理食塩液、ブドウ糖注射液又は補液に溶解し、1時間以上かけて行う。
溶解にあたっては、注射用水を使用しないこと。[溶液が等張とならないため。]

効能又は効果毎の用法及び用量に関連する使用上の注意

1.
本剤の使用に際しては、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

2.
*成人に対しては、下記の点に注意すること。

体重50kg以下の患者に対しては、体重換算で1日あたり6mg(力価)/kgを超えないこと。

3.
*小児に対しては、下記の点に注意すること。

体重50kg以上の患者に対しては、1日あたり300mg(力価)を超えないこと。

造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症及びカンジダ症の予防

1. 成人

成人にはミカファンギンナトリウムとして50mg(力価)を1日1回点滴静注する。

点滴静注に際しては、生理食塩液、ブドウ糖注射液又は補液に溶解し、75mg(力価)以下では30分以上、75mg(力価)を超えて投与する場合は1時間以上かけて行う。
溶解にあたっては、注射用水を使用しないこと。[溶液が等張とならないため。]

2. 小児

小児にはミカファンギンナトリウムとして1mg(力価)/kgを1日1回点滴静注する。

点滴静注に際しては、生理食塩液、ブドウ糖注射液又は補液に溶解し、1時間以上かけて行う。
溶解にあたっては、注射用水を使用しないこと。[溶液が等張とならないため。]

効能又は効果毎の用法及び用量に関連する使用上の注意

1.
本剤の使用に際しては、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

2.
成人に対しては、下記の点に注意すること。

1)
好中球数が500個/mm3以上に回復するなど、適切な時期に投与を終了すること。

2)
体重50kg以下の患者に対しては、体重換算で1日あたり1mg(力価)/kgを超えないこと。

3.
小児に対しては、下記の点に注意すること。

1)
好中球数が500個/mm3以上に回復するなど、適切な時期に投与を終了すること。

2)
体重50kg以上の患者に対しては、1日あたり50mg(力価)を超えないこと。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
*薬物過敏症の既往歴のある患者。特に他のキャンディン系抗真菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者には注意すること。

2.
肝障害のある患者[肝障害を悪化させることがある。]

重要な基本的注意

1.
定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分観察し、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[本剤投与中の患者で肝機能障害、黄疸があらわれることがある。(「重大な副作用」の項参照)また、動物試験において肝変異細胞巣の発生とその一部の腫瘍化が認められている。(「その他の注意」の項参照)]

2.
小児では、臨床試験において、成人に比べ肝機能障害の頻度が高いことが観察されているので、十分配慮すること。

3.
本剤の予防投与開始後においてアスペルギルス症又はカンジダ症が発症した場合は、漫然と使用せず、他の薬剤に変更する、又は本剤を増量するなど適切な処置を行うこと。

4.
本剤投与開始後において、原因菌がアスペルギルス属又はカンジダ属でないことが明確になった場合、又は本剤投与で効果が認められない場合は、漫然と使用せず、他の薬剤に変更するなど適切な処置を行うこと。

副作用

副作用等発現状況の概要

*アスペルギルス症及びカンジダ症
成人を対象とした国内臨床試験において、副作用(臨床検査値の異常変動を含む)が67例中21例(31.3%)に33件報告された。その内訳は、静脈炎2件(3.0%)、関節炎、血管痛、悪寒、頭痛、高血圧、動悸、下痢、軟便、発疹、丘疹性皮疹各1件(1.5%)、Al-P上昇4.5%(3/67)、BUN上昇4.5%(3/67)、γ-GTP上昇3.0%(2/66)、ALT(GPT)上昇3.0%(2/67)、クレアチニン上昇3.0%(2/67)等であった。
小児を対象とした国内臨床試験において、副作用(臨床検査値の異常変動を含む)が20例中6例(30.0%)に14件報告された。その内訳は、アナフィラキシー様反応1件(5.0%)、AST(GOT)上昇15.0%(3/20)、ALT(GPT)上昇15.0%(3/20)、γ-GTP上昇10.5%(2/19)等であった。
成人を対象とした市販後の使用成績調査では、1,074例中306例(28.5%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められ、主なものは肝機能障害79件(7.4%)、AST(GOT)上昇47件(4.4%)、ALT(GPT)上昇43件(4.0%)、Al-P上昇36件(3.4%)、γ-GTP上昇、腎障害各23件(2.1%)等であった。
小児を対象とした市販後の特定使用成績調査では、191例中42例(22.0%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められ、主なものは肝機能障害26件(13.6%)、AST(GOT)上昇5件(2.6%)、ALT(GPT)上昇、黄疸各4件(2.1%)、Al-P上昇3件(1.6%)等であった。なお、低出生体重児12例、新生児18例のうち、低出生体重児の1例にシュードモナス感染が認められた。(再審査結果通知:2013年6月)

*造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症及びカンジダ症の予防
造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症及びカンジダ症の予防を対象とした市販後の特定使用成績調査では、241例中86例(35.7%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められ、主なものは肝機能障害46件(19.1%)、ALT(GPT)上昇14件(5.8%)、γ-GTP上昇10件(4.1%)、AST(GOT)上昇、発熱各9件(3.7%)、下痢8件(3.3%)等であった。(再審査結果通知:2013年6月)

重大な副作用

1. *血液障害
白血球減少(0.6%)、好中球減少(0.2%)、溶血性貧血(血管内溶血を含む)(0.1%)、血小板減少(0.8%)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、溶血性貧血については、投与開始直後にあらわれることもあるので、溶血が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

2. *ショック、アナフィラキシー
ショック(頻度不明注))、アナフィラキシー(0.2%)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、血圧低下、口内異常感、呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、必要に応じて気道の確保、アドレナリン、ステロイド、抗ヒスタミン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

3. *肝機能障害、黄疸
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害(9.5%)、黄疸(1.8%)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

4. *急性腎不全
急性腎不全等の重篤な腎障害(1.6%)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑(いずれも頻度不明注))があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用の注意

注)頻度不明:自発報告のため頻度が算出できない。

その他の副作用

*肝臓
0.1〜5%未満 
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇

代謝異常
0.1〜5%未満 
カリウム上昇、カリウム低下

代謝異常
頻度不明注) 
低カルシウム血症、低マグネシウム血症

血液
0.1〜5%未満 
好酸球増多

皮膚
0.1〜5%未満 
発疹

循環器
0.1〜5%未満 
動悸

*循環器
0.1%未満 
高血圧

*消化器
0.1〜5%未満 
下痢、悪心、嘔吐

*消化器
0.1%未満 
軟便

腎臓
0.1〜5%未満 
BUN上昇、クレアチニン上昇

*腎臓
0.1%未満 
クレアチニンクリアランス低下

*その他
0.1〜5%未満 
静脈炎、関節炎、悪寒、頭痛、CK(CPK)上昇、発熱

*その他
0.1%未満 
血管痛、ミオグロビン上昇

*上記の副作用の発現頻度は、承認時までの臨床試験及び市販後の調査の結果に基づいている。

その他の副作用の注意

注)頻度不明:臨床検査の実施例数が少ない、自発報告、あるいは海外のみで認められた副作用のため頻度が算出できない。

[参考]海外臨床試験
1)アスペルギルス症及びカンジダ症注)
真菌感染症患者で安全性が評価された症例799例(成人676例、小児123例)中289例(36.2%)に臨床検査値の異常変動を含む副作用が認められた。主な副作用は、AST(GOT)上昇41件(5.1%)、ALT(GPT)上昇38件(4.8%)、Al-P上昇35件(4.4%)、嘔吐31件(3.9%)、嘔気29件(3.6%)、白血球減少26件(3.3%)、低マグネシウム血症26件(3.3%)等であった。
注)最小有効用量検討試験、侵襲性アスペルギルス症を対象とした試験、カンジダ血症及び侵襲性カンジダ症を対象とした試験。下表は、これらの試験において1%以上の頻度で認められた副作用を記載した。

肝臓
5%以上 
AST(GOT)上昇

肝臓
1〜5%未満 
ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、高ビリルビン血症

代謝異常
1〜5%未満 
低マグネシウム血症、低カルシウム血症、高クロール血症、低カリウム血症

血液
1〜5%未満 
白血球減少、血小板減少、貧血

皮膚
1〜5%未満 
発疹

循環器
1〜5%未満 
血管拡張、高血圧

消化器
1〜5%未満 
嘔吐、嘔気、下痢

腎臓
1〜5%未満 
クレアチニン上昇、BUN上昇

その他
1〜5%未満 
発熱、腹痛、無力症、さむけ、静脈炎、頭痛

2)造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症及びカンジダ症の予防注)
造血幹細胞移植患者で安全性が評価された症例425例(成人386例、小児39例)中64例(15.1%)に臨床検査値の異常変動を含む副作用が認められた。主な副作用は、高ビリルビン血症14件(3.3%)、嘔気10件(2.4%)、下痢9件(2.1%)、低カリウム血症8件(1.9%)、発疹8件(1.9%)等であった。
注)米国第III相予防投与試験。下表は、本試験において1%以上の頻度で認められた副作用を記載した。

肝臓
1〜5%未満 
高ビリルビン血症

代謝異常
1〜5%未満 
低マグネシウム血症、低カリウム血症、低リン酸塩血症

血液
1〜5%未満 
白血球減少

皮膚
1〜5%未満 
発疹

消化器
1〜5%未満 
嘔吐、嘔気、下痢

その他
1〜5%未満 
腹痛

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、用量に留意するなど慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1. 妊婦等:
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

2. 授乳婦:
授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)において母乳中に移行することが報告されている。(「薬物動態」の項参照)]

小児等への投与

1.
小児では、臨床試験において、成人に比べ肝機能障害の頻度が高いことが観察されているので、十分配慮すること。

2.
*低出生体重児、新生児に対する使用経験は少ない。(「副作用」の項参照)

3.
海外臨床試験では、低出生体重児において血漿中濃度が低くなる傾向がみられている。(「薬物動態」の項参照)

適用上の注意

1. 調製方法:
本剤は溶解時、泡立ちやすく、泡が消えにくいので強く振り混ぜないこと。

2. 投与時:
光により徐々に分解するので直射日光を避けて使用すること。また、調製後、点滴終了までに6時間を超える場合には点滴容器を遮光すること。[点滴チューブを遮光する必要はない。]

3. 配合禁忌:
本剤は他剤と配合したとき、濁りが生じることがある。また、本剤は塩基性溶液中で不安定であるため、力価の低下が生じることがある。下記に配合直後に濁りが生じる主な薬剤、配合直後に力価低下が生じる主な薬剤を示す。

配合直後に濁りが生じる主な薬剤
バンコマイシン塩酸塩、アルベカシン硫酸塩、ゲンタマイシン硫酸塩、トブラマイシン、ジベカシン硫酸塩、ミノサイクリン塩酸塩、シプロフロキサシン、パズフロキサシンメシル酸塩、シメチジン、ドブタミン塩酸塩、ドキサプラム塩酸塩水和物、ペンタゾシン、ナファモスタットメシル酸塩、ガベキサートメシル酸塩、チアミンジスルフィド・ピリドキシン塩酸塩・ヒドロキソコバラミン酢酸塩、メナテトレノン、乾燥ペプシン処理人免疫グロブリン、ドキソルビシン塩酸塩

配合直後に力価低下が生じる主な薬剤
アンピシリン、スルファメトキサゾール・トリメトプリム、アシクロビル、ガンシクロビル、アセタゾラミド

その他の注意

1.
ラットに4週間反復静脈内投与した試験において、高用量群の32mg/kg投与群に血中AST(GOT)及びALT(GPT)などの上昇と単細胞壊死などの肝障害像が認められた1)。なお、3カ月間反復静脈内投与試験の32mg/kg投与群及び6カ月間反復静脈内投与試験の20及び32mg/kg投与群では、これら所見に加え、肝変異細胞巣の増加も認められたが、3カ月間反復静脈内投与試験の20mg/kg投与群では肝変異細胞巣は認められなかった2)〜6)。また、ラットに32mg/kgを6カ月間反復静脈内投与し、その後18カ月間休薬した試験5)及び3カ月間反復静脈内投与し、その後21カ月間休薬した試験6)において、対照群に比べ肝細胞腫瘍の有意な増加が認められた。また、ラットに6カ月間反復静脈内投与した試験3)において、高用量群である32mg/kg投与群に尿量、尿中Na及び尿中Clの増加が認められた。一方、10mg/kg投与群にこれらの所見は認められなかった。なお、ラットに20及び32mg/kgを3カ月及び6カ月間反復静脈内投与したときの平均AUCは、ヒトに300mg/日を投与したときのAUCのそれぞれ2.2倍及び3.5倍に相当する。

2.
イヌに長期間反復静脈内投与した試験(3.2、10及び32mg/kg、9カ月間)において、中及び高用量群に精子細胞及び精母細胞の障害による精細管萎縮あるいは精巣上体中精子数の減少が認められ、高用量群ではこれら所見に加え精細管上皮(セルトリ細胞)の空胞化が認められた7)。また、ラットの受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験(3.2、10及び32mg/kg)における全ての用量群で、雌雄親動物の受胎能及び初期胚発生は正常であったが、中及び高用量群に精巣上体頭部管上皮の空胞化、また高用量群には精巣上体中精子数の減少が認められた8)

3.
In vitro試験において、本剤はイトラコナゾールとの併用によりイトラコナゾールのクリプトコックス・ネオフォルマンス注)に対する作用を減弱させた9)
注)クリプトコックス属は本剤の適応外菌種である。

薬物動態

1. 血漿中濃度

(1) 健康成人

1) 単回投与10)
健康成人23例に本剤25mg、50mg及び75mgを30分あるいは150mgを1時間かけて静脈内持続投与したとき、血漿中未変化体のAUCは投与量に比例して増加した。血漿中濃度は投与終了時に最高となり、消失半減期は13.9時間であった。(「薬物動態の表」表1参照)

2) 反復投与10)
健康成人6例に本剤75mgを1日1回、7日間、30分間かけて静脈内持続投与したとき、血漿中未変化体濃度は第4日には定常状態に達し、最終投与時のCmaxは10.87μg/mL、消失半減期は14.0時間であった。血漿蛋白結合率は99.8%以上であった。

(2) 高齢者11)
高齢者10例(平均71歳、66〜78歳)及び非高齢者10例(平均22歳、20〜24歳)に本剤50mgを1時間かけて静脈内持続投与すると、血漿中未変化体濃度は高齢者群、非高齢者群とも同様な推移を示し、両群間でCmax、AUC0-、t1/2及び蛋白結合率に差はみられなかった。

(3) 深在性真菌症患者12)(成人)
深在性真菌症の患者65例に本剤12.5mg、25mg、50mg、75mg、100mg及び150mgを反復投与したとき、消失半減期は13.5時間であり、各投与量間で差はみられなかった。
(注)本剤の承認された成人の1日用量はアスペルギルス症:50〜150mg(重症又は難治性では300mgまで)、カンジダ症:50mg(重症又は難治性では300mgまで)である。

(4) 深在性真菌症患者13)(小児)
深在性真菌症の8カ月〜15歳の小児患者19例(のべ26例)に本剤1mg/kg(7例)、2mg/kg(9例)、3mg/kg(9例)及び6mg/kg(1例)を1〜3時間かけて静脈内持続投与したとき、定常状態でのCmaxは、投与量に比例して増加した。消失半減期は13.1時間であった。乳児(3例)の血漿中濃度は幼児、学童に比べてやや低い傾向がみられた。(「薬物動態の表」表2参照)

(5) 深在性真菌症患者14)(低出生体重児:外国人データ)
深在性真菌症の584〜2014gの低出生体重患者22例に本剤0.75mg/kg、1.5mg/kg及び3mg/kgを30分以上かけて単回静脈内持続投与した。低出生体重児のCmaxは小児より低く、半減期は短かった。(「薬物動態の表」表3参照)

(6) 移植患者15)16)(外国人データ)
骨髄移植あるいは末梢血幹細胞移植を受けた成人患者を対象に、米国では本剤12.5〜200mgを、また英国では3〜8mg/kg(約230〜600mg)を1日1回、1時間かけて反復静脈内持続投与した。定常状態(投与7日目)における未変化体のAUCは投与量に比例し、消失半減期はいずれの投与量においてもほぼ一定した値であった。(「薬物動態の表」表4参照)

2. 代謝17)〜20)
代謝物として8種類が同定又は推定された。ミカファンギンは主に肝で代謝を受けると考えられるが、ヒトの尿及び糞中にミカファンギンの側鎖の水酸化体(M5)が主代謝物として投与量の3.7%排泄された。M5はチトクロームP450のCYP1A2、2B6、2C及び3Aにより生成し、その他、カテコール体(M1)はミカファンギンからサルファターゼにより、メトキシ体(M2)はM1からCOMT(catechol O-methyltransferase)により、開環体(M3)はミカファンギンから水溶液中で非酵素的に生成すると考えられた。

3. 排泄17)21)(外国人データ)
ミカファンギンは主に糞中に排泄され、外国人の健康成人6例に14C標識ミカファンギンナトリウム28.3mgを1時間かけて静脈内持続投与したとき、投与後7日までの尿及び糞中放射能の排泄率はそれぞれ投与放射能の7.36%及び43.80%であった。尿中及び糞中には未変化体がそれぞれ投与放射能の0.70%、11.71%排泄され、他は代謝物であった。
なお、血漿中放射能濃度の推移は投与終了時で2.29μg eq./mL、投与後24時間で0.84μg eq./mL、投与後7日で0.19μg eq./mLとなった。投与後42〜51日では、投与後7日の約1/8である0.023μg eq./mLまで減少した。

[参考]

乳汁中移行22)
哺育中ラットに14C標識ミカファンギンナトリウムを1mg/kg静脈内投与したとき、乳汁中放射能濃度は投与後6時間で最高濃度となり、その濃度は血漿中放射能濃度と同程度であった。また、投与後24時間以後は1.4日の半減期で血漿中放射能濃度と並行して消失した。

薬物動態の表

表1 薬物動態学的パラメータ

投与量
(mg) 
例数 Cmax
(μg/mL) 
Tmax
(h) 
AUC0-
(μg・h/mL) 
t1/2
(h) 
25 2.52±0.28 0.5±0 34.3±5.8 14.0±1.2 
50 5.23±0.38 0.5±0 74.3±6.2 14.2±1.2 
75 7.90±1.35 0.5±0 106.5±13.4 13.3±0.7 
150 14.30±1.31 1.0±0 216.6±23.1 14.0±0.9 
25〜150 23 − − − 13.9±1.0 

(平均値±S.D.)
−:算出せず
(注)本剤の承認された成人の1日用量はアスペルギルス症:50〜150mg(重症又は難治性では300mgまで)、カンジダ症:50mg(重症又は難治性では300mgまで)である。


表2 薬物動態学的パラメータ

投与量
(mg/kg) 
例数 Cmax
(μg/mL) 
t1/2
(h) 
5.03±2.33 13.0±1.8 
10.25±4.45 12.3±1.9 
14.76±5.52 14.4±3.2 
21.11 11.3 
1〜6 26 − 13.1±2.4 

(平均値±S.D.)
−:算出せず、※:n=8


表3 薬物動態学的パラメータ

体重
(g) 
投与量
(mg/kg) 
例数 Cmax
(μg/mL) 
AUC0-24h
(μg・h/mL) 
CLt
(mL/min/kg) 
t1/2※2
(h) 
500−1000 0.75 1.31±0.31 8.8±1.4 1.32±0.21 5.5 
>1000 0.75 2.53±0.92 16.5±9.0 0.97±0.82 8.0 
>1000 1.5 4.51±1.34 44.1±24.0 0.64±0.15※1 7.8※1 
>1000 9.28±5.31 59.5±29.0 1.19±1.32 8.2 

(平均値±S.D.)
※1:n=5、※2:調和平均値


表4 定常状態時の薬物動態学的パラメータ

  投与量 例数 Cmax(μg/mL) AUC0-24h(μg・h/mL) t1/2(h) 
米国 12.5mg 3.9±7.3 15.6±11.6 9.9±1.8 
米国 25mg 4.8±2.7 24.4±7.5 13.8±4.0 
米国 50mg 6.4±5.7 49.0±11.1 12.5±2.6 
米国 75mg 8.3±4.8 66.1±20.6 13.2±4.4 
米国 100mg 28.2±22.9 110.0±31.8 13.9±3.1 
米国 150mg 17.6±8.4 166.4±49.3 13.1±2.5 
米国 200mg 26.5±20.7 208.3±65.5 15.9±4.8 
英国 3mg/kg 21.1±2.8 234±33.6 14.0±1.4 
英国 4mg/kg 10 29.2±6.2 339±72.2 14.2±3.2 
英国 6mg/kg 38.4±6.9 479±157 14.9±2.6 
英国 8mg/kg 60.8±26.9 663±212 17.2±2.3 

(平均値±S.D.)
(注)本剤の承認された成人の1日用量はアスペルギルス症:50〜150mg(重症又は難治性では300mgまで)、カンジダ症:50mg(重症又は難治性では300mgまで)である。


臨床成績

1. 国内における成績

(1) 成人

1) 臨床試験(「臨床成績の表」表5参照)
2) *製造販売後調査(使用成績調査)(「臨床成績の表」表6参照)

(2) 小児

1) 臨床試験(「臨床成績の表」表7参照)
2) *製造販売後調査(小児特定使用成績調査)(「臨床成績の表」表8参照)

(3) *予防投与

1) 製造販売後調査(予防投与特定使用成績調査)(「臨床成績の表」表9参照)

2. 海外における成績

(1) 成人
(「臨床成績の表」表10参照)

(2) 小児
(「臨床成績の表」表11参照)

(3) 予防投与
(「臨床成績の表」表12参照)

臨床成績の表

表5 疾患別臨床効果

菌種 疾患名 投与期間(日)
中央値
(最小-最大) 
有効例/症例数 有効率(%) 
アスペルギルス属 侵襲性肺アスペルギルス症 26(8-56) 6/10 60.0 
アスペルギルス属 慢性壊死性肺アスペルギルス症 56(11-57) 6/8 − 
アスペルギルス属 肺アスペルギローマ 39.5(18-56) 10/16 62.5 
アスペルギルス属 小計 39.5(8-57) 22/34 64.7 
カンジダ属 カンジダ血症 17(14-28) 3/3 − 
カンジダ属 食道カンジダ症 8(7-29) 5/5 − 
カンジダ属 小計 15.5(7-29) 8/8 − 
  合計 28.5(7-57) 30/42 71.4 

表6 疾患別臨床効果

疾患名 1日平均投与量(mg)
中央値
(最小-最大) 
投与期間(日)
中央値
(最小-最大) 
有効例/症例数 有効率(%) 
アスペルギルス症 150(50-300) 22.5(4-132) 92/130 70.8 
カンジダ症 100(10-300) 13.0(2-128) 390/452 86.3 

(注)本剤の承認された成人の1日用量はアスペルギルス症:50〜150mg(重症又は難治性では300mgまで)、カンジダ症:50mg(重症又は難治性では300mgまで)である。


表7 疾患別臨床効果

菌種 疾患名 投与期間(日)
中央値
(最小-最大) 
有効例/症例数 有効率(%) 
アスペルギルス属 侵襲性肺アスペルギルス症 27.5(20-35) 2/2 − 
アスペルギルス属 侵襲性肺アスペルギルス症(疑)※1 36 1/1 − 
アスペルギルス属 小計 35(20-36) 3/3 − 
カンジダ属 カンジダ血症 37(18-56) 1/2 − 
カンジダ属 カンジダ血症(疑)※2 11(9-56) 4/5 − 
カンジダ属 肺カンジダ症(疑)※3 20(8-21) 2/3 − 
カンジダ属 小計 16(8-56) 7/10 70.0 
  合計 20(8-56) 10/13 76.9 

※1:臨床症状及び画像所見から侵襲性肺アスペルギルス症が強く疑われたもの。
※2:血清診断(β-D-グルカン陽性)及び臨床症状からカンジダ血症が強く疑われたもの。
※3:血清診断(β-D-グルカン陽性あるいは抗原検査陽性)、臨床症状及び画像所見から肺カンジダ症が強く疑われたもの。


表8 疾患別臨床効果

疾患名 1日平均投与量(mg/kg)
中央値
(最小-最大) 
投与期間(日)
中央値
(最小-最大) 
有効例/症例数 有効率(%) 
アスペルギルス症 4.4(1.4-6.0) 28.5(5-91) 9/12 75.0 
カンジダ症 3.0(0.9-7.2) 12.5(5-85) 30/34 88.2 

(注)本剤の承認された小児の1日用量はアスペルギルス症:1〜3mg/kg(重症又は難治性では6mg/kgまで)、カンジダ症:1mg/kg(重症又は難治性では6mg/kgまで)である。


表9 全身性真菌感染症予防成功率

  投与期間(日)
中央値
(最小-最大) 
予防成功例数※1/症例数 成功率(%) 
全例※2 23.0(5-82) 172/225 76.4 
移植の型:同種移植 27.5(5-82) 102/138 73.9 
移植の型:自家・同系移植 17.0(7-68) 70/87 80.5 

※1:予防成功例数:本剤投与終了時までに全身性真菌感染症の確定診断(Proven)、強い疑い(Probable)、あるいは疑い(Suspected)が認められず、かつ本剤投与終了後4週間までに全身性真菌感染症の確定診断(Proven)、あるいは強い疑い(Probable)が認められなかった症例
※2:本調査における成人(143例)及び小児(82例)の1日平均投与量の中央値(最小−最大)は、それぞれ、50mg(40-150)、1.1mg/kg(0.7-6.0)であった。
(注)本剤の承認された予防投与の1日用量は成人:50mg、小児:1mg/kgである。


表10 疾患別臨床効果

菌種 疾患名 投与期間(日)
中央値
(最小-最大) 
有効例/症例数 有効率(%) 
アスペルギルス属 侵襲性肺アスペルギルス症 34(7-126) 32/39 82.1 
アスペルギルス属 副鼻腔アスペルギルス症 17(14-29) 1/3 − 
アスペルギルス属 アスペルギルス血症 17 1/1 − 
アスペルギルス属 小計 33(7-126) 34/43 79.1 
カンジダ属 カンジダ血症 15(5-56) 72/83 86.7 
カンジダ属 食道カンジダ症 17(7-42) 85/92 92.4 
カンジダ属 肺カンジダ症 15(5-22) 2/3 − 
カンジダ属 口腔咽頭カンジダ症 12 1/1 − 
カンジダ属 小計 17(5-56) 160/179 89.4 
  合計 17(5-126) 194/222 87.4 

表11 疾患別臨床効果

菌種 疾患名 投与期間(日)
中央値
(最小-最大) 
有効例/症例数 有効率(%) 
アスペルギルス属 侵襲性肺アスペルギルス症 12(7-27) 1/3 − 
アスペルギルス属 アスペルギルス血症 30(28-32) 2/2 − 
アスペルギルス属 小計 27(7-32) 3/5 − 
カンジダ属 カンジダ血症 24(7-56) 8/12 66.7 
カンジダ属 食道カンジダ症 32.5(17-42) 4/4 − 
カンジダ属 小計 25(7-56) 12/16 75.0 
  合計 27(7-56) 15/21 71.4 

表12 全身性真菌感染症予防成功率(Full Analysis Set)

  ミカファンギン群 フルコナゾール群 予防成功率の差(ミカファンギン群-フルコナゾール群) 95%CI 
全例 340/425
(80.0) 
336/457
(73.5) 
+6.5% (0.9%、12.0%) 
移植の型:同種移植 157/220
(71.4) 
175/256
(68.4) 
+3.0% − 
移植の型:自家・同系移植 181/203
(89.2) 
161/201
(80.1) 
+9.1% − 
移植の型:移植なし 2/2 − − − 

予防成功例数/症例数(%)
※:予防成功例数:治療薬投与終了時までに全身性真菌感染症の確定診断(Proven)、強い疑い(Probable)、あるいは疑い(Suspected)が認められず、かつ試験終了時(治験薬投与終了後4週間)までに全身性真菌感染症の確定診断(Proven)あるいは強い疑い(Probable)が認められなかった症例


薬効薬理

1. 抗真菌作用
深在性真菌症の主要起因菌であるカンジダ属及びアスペルギルス属に対して幅広い抗真菌スペクトルを有し、フルコナゾール及びイトラコナゾール耐性のカンジダ属に対しても強力なin vitro活性を示す23)〜25)。カンジダ属に対する作用は殺菌的であり、アスペルギルス属に対しては発芽抑制及び菌糸の伸長抑制作用を示す25)26)
マウスの播種性カンジダ症、口腔・食道カンジダ症、播種性アスペルギルス症及び肺アスペルギルス症において高い防御又は治療効果を示す27)〜32)

2. 作用機序
真菌細胞壁の主要構成成分である1,3-β-D-glucanの生合成を非競合的に阻害する26)

有効成分に関する理化学的知見

一般名
ミカファンギンナトリウム(Micafungin Sodium)

略号
MCFG

化学名
Sodium 5-[(1S,2S )-2-[(3S,6S,9S,11R,15S,18S,20R,21R,24S,25S,26S )-3-[(R )-2-carbamoyl-1-hydroxyethyl]-11,20,21,25-tetrahydroxy-15-[(R )-1-hydroxyethyl]-26-methyl-2,5,8,14,17,23-hexaoxo-18-[4-[5-(4-pentyloxyphenyl)isoxazol-3-yl]benzoylamino]-1,4,7,13,16,22-hexaazatricyclo[22.3.0.09,13]heptacos-6-yl]-1,2-dihydroxyethyl]-2-hydroxyphenyl sulfate

構造式

分子式
C56H70N9NaO23S

分子量
1292.26

融点
明確な融点を認めない。

分配係数
0.39(pH7、1-オクタノール/水系)

性状
ミカファンギンナトリウムは白色の粉末である。水及びN,N -ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノールに溶けにくく、アセトニトリル、エタノール(95)及びジエチルエーテルにほとんど溶けない。吸湿性である。

包装

点滴用25mg:10バイアル

点滴用50mg:10バイアル

点滴用75mg:10バイアル

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
西村信雄:社内報告書(ラット・毒性試験)(DIR020071)

2)
志賀敦史:社内報告書(ラット・毒性試験)(DIR020073)

3)
西村信雄:社内報告書(ラット・毒性試験)(DIR020075)

4)
志賀敦史:社内報告書(ラット・毒性試験)(DIR020077)

5)
志賀敦史:社内報告書(ラット・毒性試験)(DIR060215)

6)
志賀敦史:社内報告書(ラット・毒性試験)(DIR060214)

7)
長島吉和:社内報告書(ビーグル犬・毒性試験)(DIR020079)

8)
勝亦芳裕:社内報告書(ラット・毒性試験)(DIR020081)

9)
二木芳人 他:日本化学療法学会雑誌 50(S-1):58,2002[FUN-00121]

10)
東 純一 他:日本化学療法学会雑誌 50(S-1):155,2002[FUN-00129]

11)
東 純一 他:日本化学療法学会雑誌 50(S-1):148,2002[FUN-00128]

12)
山野勝弘 他:社内報告書(深在性真菌症患者・薬物動態)(DIR020062)

13)
片島正貴 他:社内報告書(深在性真菌症小児患者・薬物動態)(DIR060001)

14)
Keirns, J. et al.:社内報告書(深在性真菌症低出生体重児患者・薬物動態)(DIR060002)

15)
寺川雅人 他:社内報告書(移植患者・薬物動態)(DIR020063)

16)
寺川雅人 他:社内報告書(移植患者・薬物動態)(DIR020064)

17)
藤原友一 他:社内報告書(健康成人・薬物動態)(DIR020065)

18)
白神歳文 他:社内報告書(ヒト肝ミクロソーム・代謝)(DIR020066)

19)
白神歳文 他:社内報告書(ラット及びヒト・代謝)(DIR020067)

20)
石井育子 他:社内報告書(in vitro・代謝)(DIR020068)

21)
寺川雅人 他:社内報告書(健康成人・薬物動態)(DIR020069)

22)
白神歳文 他:社内報告書(ラット・薬物動態)(DIR020070)

23)
Tawara, S. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 44(1):57,2000[FUN-00003]

24)
Uchida, K. et al.:J. Antibiotics 53(10):1175,2000[FUN-00009]

25)
池田文昭 他:日本化学療法学会雑誌 50(S-1):8,2002[FUN-00114]

26)
山口英世 他:日本化学療法学会雑誌 50(S-1):20,2002[FUN-00115]

27)
Ikeda, F. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 44(3):614,2000[FUN-00004]

28)
松本 哲 他:日本化学療法学会雑誌 50(S-1):30,2002[FUN-00116]

29)
Maesaki, S. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 44(6):1728,2000[FUN-00006]

30)
中井 徹 他:日本化学療法学会雑誌 50(S-1):48,2002[FUN-00119]

31)
Matsumoto, S. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 44(3):619,2000[FUN-00005]

32)
松本 哲 他:日本化学療法学会雑誌 50(S-1):37,2002[FUN-00117]

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主要文献に記載の社内報告書につきましても下記にご請求下さい。

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