ダイフェン配合錠/ダイフェン配合顆粒


作成又は改訂年月

※※2014年2月改訂(第12版)

 ※2013年2月改訂

日本標準商品分類番号

87629

効能又は効果追加承認年月(最新)
※ 2013年1月

薬効分類名

合成抗菌剤

承認等

販売名
ダイフェン配合錠

販売名コード

6290100F2107

承認・許可番号

承認番号
22100AMX00841000
商標名
DAIPHEN Tablets

薬価基準収載年月

2009年9月

販売開始年月

1988年7月

貯法・使用期限等

貯法

遮光した気密容器(露光により着色するので注意すること)

使用期限

外箱、容器に表示

規制区分

処方箋医薬品

(注意−医師等の処方箋により使用すること)

組 成

ダイフェン配合錠は1錠中スルファメトキサゾール400mgおよびトリメトプリム80mgを含有する。また、添加物としてヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウムを含有する。

製剤の性状

ダイフェン配合錠は白色で割線を有する錠剤である。識別記号はTSU341である。

販売名
ダイフェン配合顆粒

販売名コード

6290100D1070

承認・許可番号

承認番号
22100AMX00820000
商標名
DAIPHEN Granules

薬価基準収載年月

2009年9月

販売開始年月

1994年7月

貯法・使用期限等

貯法

遮光した気密容器(露光により着色するので注意すること)

使用期限

外箱、容器に表示

規制区分

処方せん医薬品

(注意−医師等の処方せんにより使用すること)

組 成

ダイフェン配合顆粒は1g中スルファメトキサゾール400mgおよびトリメトプリム80mgを含有する。また、添加物として白糖、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウム、ヒプロメロース、含水二酸化ケイ素を含有する。

製剤の性状

ダイフェン配合顆粒は白色〜微褐色の顆粒剤で、においはなく、味は初めわずかに甘く、のち苦い。なお、内容量1gの分包品もある。

一般的名称

スルファメトキサゾール・トリメトプリム製剤

警告

血液障害、ショック等の重篤な副作用が起こることがあるので、他剤が無効又は使用できない場合にのみ投与を考慮すること。

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

(1)本剤の成分又はサルファ剤に対し過敏症の既往歴のある患者

(2)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人〔「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照〕

(3)低出生体重児、新生児〔「小児等への投与」の項参照〕

(4)グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G-6-PD)欠乏患者〔溶血を起こすおそれがある。〕

原則禁忌

(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)

(1)血液障害又はその既往歴のある患者〔血液障害を悪化させることがある。〕

(2)本人又は両親、兄弟が気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者又は他の薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

※ 効能又は効果

1.一般感染症

<適応菌種>スルファメトキサゾール/トリメトプリムに感性の腸球菌属、大腸菌、赤痢菌、チフス菌、パラチフス菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア・レットゲリ、インフルエンザ菌

<適応症>肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、
複雑性膀胱炎、腎盂腎炎、
感染性腸炎、腸チフス、パラチフス

2.ニューモシスチス肺炎の治療及び発症抑制

<適応菌種>ニューモシスチス・イロベチー

<適応症>ニューモシスチス肺炎、ニューモシスチス肺炎の発症抑制

※ 効能又は効果に関連する使用上の注意

1)他剤耐性菌による上記適応症において、他剤が無効又は使用できない場合に投与すること。

2)ニューモシスチス肺炎の発症抑制は、ニューモシスチス肺炎の発症リスクを有する患者(免疫抑制剤が投与されている患者、免疫抑制状態の患者、ニューモシスチス肺炎の既往歴がある患者等)を対象とすること。

※ 用法及び用量

1.一般感染症
通常、成人には1日量4錠(顆粒の場合は4g)を2回に分割し、経口投与する。
ただし、年齢、症状に応じて適宜増減する。

2.ニューモシスチス肺炎の治療及び発症抑制

(1)治療に用いる場合
通常、成人には1日量9〜12錠(顆粒の場合は9〜12g)を3〜4回に分割し、経口投与する。
通常、小児にはトリメトプリムとして1日量15〜20mg/kgを3〜4回に分割し、経口投与する。
ただし、年齢、症状に応じて適宜増減する。

(2)発症抑制に用いる場合
通常、成人には1日1回1〜2錠(顆粒の場合は1〜2g)を連日又は週3日経口投与する。
通常、小児にはトリメトプリムとして1日量4〜8mg/kgを2回に分割し、連日又は週3日経口投与する。

※ 用法及び用量に関連する使用上の注意

1)本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

2)ニューモシスチス肺炎における小児の用法・用量については、国内外の各種ガイドライン等、最新の情報を参考にして投与すること。

3)腎障害のある患者には、下表を目安に投与量を調節し、慎重に投与すること。(「慎重投与」の項参照)

Ccrを指標とした用量調節の目安

Ccr:クレアチニンクリアランス

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1)肝障害のある患者〔肝障害を悪化させることがある。〕

2)腎障害のある患者〔血中濃度が持続するので、減量等を考慮すること。〕(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)

3)高齢者〔「高齢者への投与」の項参照〕

4)葉酸欠乏又は代謝異常のある患者(既往に胃の摘出術を受けている患者、他の葉酸代謝拮抗剤を投与されている患者、分娩後、先天性葉酸代謝異常症等)〔葉酸欠乏を悪化させ、巨赤芽球性貧血を起こすことがある。〕

重要な基本的注意

投与を考慮する際には次の諸点に留意すること。

1)使用上の注意、効能・効果及び用法・用量に特に留意すること。

2)血液障害、ショック等を予測するため十分な問診を行うこと。

3)投与開始に先立ち、主な副作用について患者に説明し、血液障害(貧血、出血傾向等)、発疹等の皮膚の異常が認められた場合には、速やかに主治医に連絡するよう指示すること。

4)本剤投与中は、副作用の早期発見のため、必要に応じ臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査、血中電解質等)を行うこと。

相互作用

併用注意

(併用に注意すること)

薬剤名等
メトトレキサート

臨床症状・措置方法
臨床症状:メトトレキサートの作用を増強し、汎血球減少等があらわれることがある。

機序・危険因子
機序は不明
共に葉酸代謝阻害作用を有するためと考えられている。

薬剤名等
スルファドキシン・ピリメタミン

臨床症状・措置方法
臨床症状:ピリメタミンとの併用により、巨赤芽球性貧血があらわれることがある。

機序・危険因子
機序は不明
共に葉酸代謝阻害作用を有するためと考えられている。

薬剤名等
ジアフェニルスルホン

臨床症状・措置方法
臨床症状:ジアフェニルスルホンとの併用により,血液障害(巨赤芽球性貧血、汎血球減少等)があらわれることがある。

機序・危険因子
機序は不明
共に葉酸代謝阻害作用を有するためと考えられている。

薬剤名等
スルホニルアミド系及びスルホニルウレア系経口糖尿病用剤
 グリクラジド、グリベンクラミド等

臨床症状・措置方法
臨床症状:これらの薬剤の血糖降下作用を増強し、低血糖症状があらわれることがある。

機序・危険因子
機序:本剤がこれらの薬剤の肝臓での代謝を抑制するとともに、血漿蛋白に結合したこれらの薬剤と置換し、遊離させるためと考えられている。

薬剤名等
クマリン系抗凝血剤
 ワルファリンカリウム

臨床症状・措置方法
臨床症状:クマリン系抗凝血剤の作用を増強し、出血があらわれることがある。

機序・危険因子
機序:本剤がこれらの薬剤の肝臓での代謝を抑制するとともに、血漿蛋白に結合したこれらの薬剤と置換し、遊離させるためと考えられている。

薬剤名等
フェニトイン

臨床症状・措置方法
フェニトインの作用を増強することがある。

機序・危険因子
機序:本剤がフェニトインの肝臓での代謝を抑制するためと考えられている。

薬剤名等
シクロスポリン

臨床症状・措置方法
臨床症状:腎機能障害が増強されることがある。

機序・危険因子
機序は不明
共に腎毒性を有するためと考えられている。
危険因子:特に腎移植後の患者

薬剤名等
ジドブジン

臨床症状・措置方法
臨床症状:ジドブジンの毒性を増強し、顆粒球減少等があらわれることがある。

機序・危険因子
機序は不明

薬剤名等
ラミブジン含有製剤

臨床症状・措置方法
ラミブジンのAUCが43%増加し、全身クリアランスが30%、腎クリアランスが35%減少したとの報告がある。

機序・危険因子
機序:本剤の成分であるトリメトプリムがこれらの薬剤の尿細管分泌を低下させるためと考えられている。

薬剤名等
ジゴキシン製剤

臨床症状・措置方法
ジゴキシンの血中濃度が上昇することがある。

機序・危険因子
機序:本剤の成分であるトリメトプリムがこれらの薬剤の尿細管分泌を低下させるためと考えられている。

薬剤名等
三環系抗うつ剤等
 クロミプラミン塩酸塩、イミプラミン塩酸塩、アミトリプチリン塩酸塩等

臨床症状・措置方法
三環系抗うつ剤等の効果が減弱することがある。

機序・危険因子
機序は不明

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 
メトトレキサート 臨床症状:メトトレキサートの作用を増強し、汎血球減少等があらわれることがある。 機序は不明
共に葉酸代謝阻害作用を有するためと考えられている。 
スルファドキシン・ピリメタミン 臨床症状:ピリメタミンとの併用により、巨赤芽球性貧血があらわれることがある。 機序は不明
共に葉酸代謝阻害作用を有するためと考えられている。 
ジアフェニルスルホン 臨床症状:ジアフェニルスルホンとの併用により,血液障害(巨赤芽球性貧血、汎血球減少等)があらわれることがある。 機序は不明
共に葉酸代謝阻害作用を有するためと考えられている。 
スルホニルアミド系及びスルホニルウレア系経口糖尿病用剤
 グリクラジド、グリベンクラミド等 
臨床症状:これらの薬剤の血糖降下作用を増強し、低血糖症状があらわれることがある。 機序:本剤がこれらの薬剤の肝臓での代謝を抑制するとともに、血漿蛋白に結合したこれらの薬剤と置換し、遊離させるためと考えられている。 
クマリン系抗凝血剤
 ワルファリンカリウム 
臨床症状:クマリン系抗凝血剤の作用を増強し、出血があらわれることがある。 機序:本剤がこれらの薬剤の肝臓での代謝を抑制するとともに、血漿蛋白に結合したこれらの薬剤と置換し、遊離させるためと考えられている。 
フェニトイン フェニトインの作用を増強することがある。 機序:本剤がフェニトインの肝臓での代謝を抑制するためと考えられている。 
シクロスポリン 臨床症状:腎機能障害が増強されることがある。 機序は不明
共に腎毒性を有するためと考えられている。
危険因子:特に腎移植後の患者 
ジドブジン 臨床症状:ジドブジンの毒性を増強し、顆粒球減少等があらわれることがある。 機序は不明 
ラミブジン含有製剤 ラミブジンのAUCが43%増加し、全身クリアランスが30%、腎クリアランスが35%減少したとの報告がある。 機序:本剤の成分であるトリメトプリムがこれらの薬剤の尿細管分泌を低下させるためと考えられている。 
ジゴキシン製剤 ジゴキシンの血中濃度が上昇することがある。 機序:本剤の成分であるトリメトプリムがこれらの薬剤の尿細管分泌を低下させるためと考えられている。 
三環系抗うつ剤等
 クロミプラミン塩酸塩、イミプラミン塩酸塩、アミトリプチリン塩酸塩等 
三環系抗うつ剤等の効果が減弱することがある。 機序は不明 

副作用

 
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

1.再生不良性貧血、溶血性貧血、巨赤芽球性貧血、メトヘモグロビン血症、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少症
(頻度不明) 

※※ 2.血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、溶血性尿毒症症候群(HUS)
(頻度不明) 
TTP(主徴:血小板減少、破砕赤血球の出現を認める溶血性貧血、精神神経症状、発熱、腎機能障害)、HUS(主徴:血小板減少、破砕赤血球の出現を認める溶血性貧血、急性腎不全)があらわれることがあるので、血液検査(血小板、赤血球等)及び腎機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、血漿交換等の適切な処置を行うこと。

※※ 3.ショック、アナフィラキシー(初期症状:不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗、浮腫等)
(頻度不明) 

4.中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、
(頻度不明) 

5.薬剤性過敏症症候群
(頻度不明) 
初期症状として発疹、発熱がみられ、さらに肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。

6.急性膵炎
(頻度不明) 

7.偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。)
(頻度不明) 

8.重度の肝障害
(頻度不明) 

9.急性腎不全、間質性腎炎
(頻度不明) 

10.無菌性髄膜炎、末梢神経炎
(頻度不明) 

11.間質性肺炎、PIE症候群(発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等)
(頻度不明) 

12.低血糖発作
(頻度不明) 

※ 13.高カリウム血症、低ナトリウム血症
(頻度不明) 
これらの電解質異常があらわれることがある。異常が認められた場合には投与を中止し、電解質補正等の適切な処置を行うこと。特に本剤を高用量で投与する場合(ニューモシスチス肺炎の治療)は、十分に注意すること。

14.横紋筋融解症
(頻度不明) 
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある。これに伴い急激に腎機能が悪化し、急性腎不全等の重篤な症状に至ることがある。

以上のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

血液注1)
頻度不明 
顆粒球減少、血小板減少

過敏症注1)
頻度不明 
発疹、そう痒感、紅斑、水疱、蕁麻疹、光線過敏症

精神神経系注1)
頻度不明 
頭痛、めまい・ふらふら感、しびれ感、ふるえ、脱力・倦怠感、うとうと状態

肝臓注2)
頻度不明 
黄疸、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇

腎臓注2)
頻度不明 
腎障害(BUNの上昇、血尿等)

消化器
頻度不明 
食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、腹痛、胃不快感、舌炎、口角炎・口内炎、血便注1)、便秘、口渇

その他
頻度不明 
発熱・熱感、血圧上昇・下降、動悸、胸内苦悶、発汗、顔面潮紅、浮腫、血色素尿、関節痛、筋(肉)痛、ぶどう膜炎

 頻度不明 
血液注1) 顆粒球減少、血小板減少 
過敏症注1) 発疹、そう痒感、紅斑、水疱、蕁麻疹、光線過敏症 
精神神経系注1) 頭痛、めまい・ふらふら感、しびれ感、ふるえ、脱力・倦怠感、うとうと状態 
肝臓注2) 黄疸、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇 
腎臓注2) 腎障害(BUNの上昇、血尿等) 
消化器 食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、腹痛、胃不快感、舌炎、口角炎・口内炎、血便注1)、便秘、口渇 
その他 発熱・熱感、血圧上昇・下降、動悸、胸内苦悶、発汗、顔面潮紅、浮腫、血色素尿、関節痛、筋(肉)痛、ぶどう膜炎 

注1:症状(異常)が認められた場合には投与を中止すること。
注2:症状(異常)が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。


高齢者への投与

本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあるので、用量に留意するなど慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。

〔妊娠中に本剤を単独又は併用投与された患者の児において、先天異常があらわれたとの報告がある。また、動物試験で催奇形性作用が報告されている。(ラットに1200mg/kg/日以上を経口投与した群で骨格異常、内臓異常、外形異常が、マウスに3000mg/kg/日を経口投与した群で口蓋裂が認められている。)〕

2)授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。〔母乳を通じて薬物が移行し、低出生体重児、新生児に高ビリルビン血症を起こすことがある。

「小児等への投与」の項参照〕

小児等への投与

低出生体重児、新生児には投与しないこと。

〔高ビリルビン血症を起こすことがある。〕

臨床検査結果に及ぼす影響

1)メトトレキサートと併用した場合、ジヒドロ葉酸還元酵素を用いたメトトレキサート濃度の測定で見かけ上の高値を呈することがあるので注意すること。

2)クレアチニン値の測定(ヤッフェ反応等)では、見かけ上の高値を呈することがあるので注意すること。

過量投与

症 状

嘔気、嘔吐、下痢、精神神経系症状(頭痛、めまい等)、結晶尿、血尿等があらわれることがある。

処 置

症状に応じて、胃洗浄、催吐、強制利尿による腎排泄の促進、血液透析(腹膜透析は有効ではない)等

適用上の注意

1)服用時

顆粒剤は、主薬トリメトプリムの苦味を除くため、吸収に影響を与えない範囲でコーティングを施しており、顆粒をつぶすことなく、水又はジュース等と共に服用することが望ましい。

2)薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)

その他の注意

動物試験(ラット)で、甲状腺腫並びに甲状腺機能異常を起こすことがある。

薬物動態

(1)生物学的同等性試験1)

ダイフェン配合顆粒と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ2g〔スルファメトキサゾール(SMX)800mg、トリメトプリム(TMP)160mg〕を健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
【スルファメトキサゾール】

【トリメトプリム】

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

(2)溶出挙動2)3)

ダイフェン配合錠、ダイフェン配合顆粒は、日本薬局方外医薬品規格第3部に定められたスルファメトキサゾール400mg・トリメトプリム80mg錠、スルファメトキサゾール400mg・トリメトプリム80mg顆粒の溶出規格に適合していることが確認されている。

薬効薬理

○グラム陽性や緑膿菌を除くグラム陰性菌に対し広い抗菌作用を有する。

○スルファメトキサゾールは、P-アミノ安息香酸と競合することによって葉酸の合成を阻害し、トリメトプリムはこれに続く葉酸の活性化を阻害する。この2か所を同時に阻害することによって、その抗菌作用は相乗的となり、スルファメトキサゾール耐性菌に対しても効果が認められる4)

有効成分に関する理化学的知見

構造式:

一般名:

スルファメトキサゾール(Sulfamethoxazole)

化学名:

4-Amino-N-(5-methylisoxazol-3-yl)-benzenesulfonamide

分子式:

101133

分子量:

253.28

融 点:

169〜172℃

性 状:

本品は白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味はわずかに苦い。本品はN,N-ジメチルホルムアミドに極めて溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水に極めて溶けにくい。本品は水酸化ナトリウム試液に溶ける本品は光によって徐々に着色する。

トリメトプリム

構造式:

一般名:

トリメトプリム(Trimethoprim)

化学名:

2,4-Diamino-5-(3,4,5-trimethoxybenzyl)-pyrimidine

分子式:

141843

分子量:

290.32

融 点:

199〜203℃

性状:

本品は白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。本品は酢酸(100)に溶けやすく、メタノール、希酢酸又はクロロホルムにやや溶けにくく、エタノール(95)又はアセトンに溶けにくく、水に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。

取扱い上の注意

安定性試験5)6)

最終包装製品を用いた長期保存試験(室温、3年)の結果、ダイフェン配合錠・ダイフェン配合顆粒は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。

包装

ダイフェン配合錠  100錠(PTP)、600錠(PTP)

ダイフェン配合顆粒 100g、1g(1包)×100包、1g(1包)×600包

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)鶴原製薬株式会社 社内資料

2)鶴原製薬株式会社 社内資料

3)鶴原製薬株式会社 社内資料

4)川上正也他:Chemotherapy, 21(2)104(1973)

5)鶴原製薬株式会社 社内資料

6)鶴原製薬株式会社 社内資料

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。

鶴原製薬株式会社 医薬情報部

〒563-0036 大阪府池田市豊島北1丁目16番1号

TEL:072-761-1456(代表)

FAX:072-760-5252

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
鶴原製薬株式会社

大阪府池田市豊島北1丁目16番1号