コンレイ30%注220mL


作成又は改訂年月

**2014年3月改訂(第12版)

*2012年3月改訂

日本標準商品分類番号

877211

日本標準商品分類番号等

再評価結果公表年月(最新)
1982年1月

承認等

販売名
コンレイ30%注220mL

販売名コード

7211402A1043

承認・許可番号

承認番号
22100AMX01291
商標名
CONRAY 30% INJECTION

薬価基準収載年月

1972年2月

販売開始年月

2009年9月

貯法・使用期限等

貯法

室温、遮光保存

使用期限

包装に表示の使用期限内に使用すること。

基準名

日本薬局方

イオタラム酸メグルミン注射液

規制区分

処方せん医薬品

※注意−医師等の処方せんにより使用すること

血管内投与による造影には使用しないこと

組成

1バイアル中に次の成分を含有

有効成分

イオタラム酸(日局)50.07g、メグルミン(日局)15.93g
[イオタラム酸メグルミンとして66.0g(30w/v%)]

ヨード含有量

31.02g(141mg/mL)

**添加物

エデト酸カルシウムナトリウム水和物 9.9mg、リン酸二水素ナトリウム、pH調節剤適量

性状

粘度(mPa・s)(37℃)

約1.6

比重(25℃)

1.150〜1.170

pH(日本薬局方)

6.5〜7.7

浸透圧比(生理食塩液対比)

約3

外観

無色〜微黄色澄明の液

警告

1.
ショック等の重篤な副作用があらわれることがある。

2.
本剤を脳・脊髄腔内に投与すると重篤な副作用が発現するおそれがあるので、脳槽・脊髄造影には使用しないこと。

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
ヨード又はヨード造影剤に過敏症の既往歴のある患者

2.
重篤な甲状腺疾患のある患者[ヨードが甲状腺に集積し、症状が悪化するおそれがある。]

原則禁忌

(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)

1.
一般状態の極度に悪い患者

2.
気管支喘息のある患者[喘息発作を誘発するおそれがある。]

3.
重篤な心障害のある患者[本剤投与により、血圧低下、不整脈、徐脈等の報告があり、重篤な心障害患者においては症状が悪化するおそれがある。]

4.
重篤な肝障害のある患者[症状が悪化するおそれがある。]

5.
重篤な腎障害(無尿等)のある患者[本剤の主たる排泄経路は腎臓であり、腎機能低下患者では排泄遅延から急性腎不全等、症状が悪化するおそれがある。]

6.
マクログロブリン血症の患者[類薬において静脈性胆嚢造影で血液のゼラチン様変化をきたし、死亡したとの報告がある。]

7.
多発性骨髄腫の患者[多発性骨髄腫の患者で特に脱水症状のある場合、腎不全(無尿等)があらわれるおそれがある。]

8.
テタニーのある患者[血中カルシウムの低下により、症状が悪化するおそれがある。]

9.
褐色細胞腫のある患者及びその疑いのある患者[血圧上昇発作があらわれるので副腎静脈造影は避けること。やむを得ず動脈より注入する場合には静脈確保の上、フェントラミン等のα遮断薬を投与し、患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。]

効能又は効果

効能又は効果/用法及び用量

逆行性尿路撮影

通常成人1回下記量を使用する。なお、年齢、体重、症状、目的により適宜増減する。

撮影の種類 用量 
逆行性尿路撮影 5〜20mL 

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギーを起こしやすい体質を有する患者

2.
薬物過敏症の既往歴のある患者

3.
脱水症状のある患者[急性腎不全があらわれるおそれがある。]

4.
高血圧症の患者[血圧上昇等、症状が悪化するおそれがある。]

5.
動脈硬化のある患者[心、循環器系に影響を及ぼすことがある。]

6.
糖尿病の患者[急性腎不全があらわれるおそれがある。]

7.
甲状腺疾患のある患者(「禁忌」の項参照)

8.
腎機能が低下している患者[腎機能が悪化するおそれがある(「原則禁忌」の項参照)。]

9.
*急性膵炎の患者[症状が悪化するおそれがある(「重要な基本的注意」の項参照)。]

10.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

11.
幼・小児(「小児等への投与」の項参照)

重要な基本的注意

1.
ショック等の発現に備え、十分な問診を行うこと。

2.
投与量と投与方法の如何にかかわらず過敏反応があらわれることがある。本剤によるショック等の重篤な副作用は、ヨード過敏反応によるものとは限らず、それを確実に予知できる方法はないので、投与に際しては必ず救急処置の準備を行うこと。

3.
ショック等の重篤な副作用があらわれることがあるので、投与にあたっては、開始時より患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。過敏反応の発現等異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
また、投与後も患者の状態を十分に観察すること。

4.
特に外来患者に対しては、本剤投与1時間以後においても遅発性副作用発現の可能性があることを十分に説明し、発疹、悪心等の副作用と思われる症状が発現した場合には速やかに主治医等に連絡するよう注意を与えること。

5.
*ヨード造影剤の投与により腎機能の低下があらわれるおそれがあるので、適切な水分補給を行うこと。特に急性膵炎の患者においては、本剤投与前後にはガイドライン等を参考にして十分な輸液を行うこと。

相互作用

併用注意

(併用に注意すること)

1. 薬剤名等 
ビグアナイド系糖尿病用薬
  メトホルミン塩酸塩、ブホルミン塩酸塩等

臨床症状・措置方法
類薬で乳酸アシドーシスがあらわれたとの報告がある。
異常が認められた場合には、ビグアナイド系糖尿病用薬の減量もしくは投与を中止するなど適切な処置を行う。

機序・危険因子
ビグアナイド系糖尿病用薬の腎排泄が減少し、血中濃度が上昇すると考えられている。

副作用

副作用等発現状況の概要

イオタラム酸メグルミン注(30%)投与症例4,870例中、報告された主な副作用は悪心・嘔吐0.7%(32件)、蕁麻疹0.6%(27件)、熱感・悪寒0.3%(14件)、発疹0.2%(10件)、せき・くしゃみ0.2%(8件)等であった。[血管内投与による造影も含む文献集計による(再審査対象外)]

重大な副作用

1. ショック
頻度不明注) 
ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、必要に応じ適切な処置を行うこと。また、軽度の過敏症状も重篤な症状に進展する場合があるので、観察を十分に行うこと。

2. アナフィラキシー様症状
頻度不明注) 
アナフィラキシー様症状(呼吸困難、咽・喉頭浮腫等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、必要に応じ適切な処置を行うこと。

3. 腎不全
頻度不明注) 
急性腎不全があらわれることがあるので、このような場合には必要に応じ適切な処置を行うこと。

4. 痙攣発作
頻度不明注) 
痙攣発作があらわれることがあるので、このような場合にはフェノバルビタール等バルビツール酸誘導体又はジアゼパム等を投与すること。

5. 肺水腫
頻度不明注) 
肺水腫があらわれることが報告されているので、このような場合には必要に応じ適切な処置を行うこと。

6. 重症筋無力症の悪化
頻度不明注) 
重症筋無力症のある患者で、症状の悪化が報告されているので、観察を十分に行い、必要に応じ適切な処置を行うこと。

注)自発報告又は海外において認められている副作用のため頻度不明。

その他の副作用

1. 過敏症
0.1〜5%未満 
発疹、蕁麻疹、発赤、潮紅、そう痒感等

2. 循環器
頻度不明注) 
不整脈、動悸、血圧低下

3. 呼吸器
0.1〜5%未満 
せき、くしゃみ

4. 呼吸器
頻度不明注) 
呼吸困難、喘息発作、喘鳴

5. 精神神経系
0.1%未満 
頭痛、頭重

6. 精神神経系
頻度不明注) 
眠気、めまい、歯痛

7. 消化器
0.1〜5%未満 
悪心・嘔吐

8. 消化器
頻度不明注) 
口内異常感

9. その他
0.1〜5%未満 
熱感、悪寒

10. その他
頻度不明注) 
眼瞼浮腫

血管内投与による造影も含む

上記の副作用があらわれることがあるので、異常が認められた場合には必要に応じ適切な処置を行うこと。

注)自発報告又は海外において認められている副作用のため頻度不明。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、本剤投与の際にはX線照射をともなう。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

臨床検査結果に及ぼす影響

1.
本剤投与により、甲状腺機能検査等の放射性ヨードによる検査に影響を及ぼすことがある。したがって、これらの検査は本剤投与前に実施すること。

2.
スルホサリチル酸法による尿蛋白試験で偽陽性を示すことがある。

適用上の注意

1. 投与経路
脳槽・脊髄造影には使用しないこと。また、血管内投与による撮影の効能又は効果はない。

2. 前処置

(1)
投与前に体温まで温めること。

(2)
投与前に極端な水分制限はしないこと。

(3)
尿路造影では検査前に腸内ガスを排除し、検査終了まで絶食すること。

3. 投与時
注入装置の洗浄が不十分な場合には、注入器内部に付着する残存液に由来する銅イオン溶出等によって、生成物を生じるおそれがあるので、使い捨て以外の器具を用いる場合には内部の汚れに注意し、洗浄、滅菌を十分に行うこと。

4. 投与後
投与後も水分補給を行い、造影剤の速やかな排泄を促すこと。

5. 開封後
開封後は速やかに使用すること。

その他の注意

適応外であるが、本剤の静脈内注入により血管痛、血栓性静脈炎が報告されている。また、造影剤の血管外漏出により発赤、腫脹、水疱、血管痛等があらわれることが報告されている。

薬物動態

1. 血中濃度1)

参考
成人5例にイオタラム酸メグルミン注(30%)100mLを3分30秒〜5分間で急速点滴静脈内投与し、その後さらに100mLを7分30秒〜10分間で急速点滴静脈内投与した場合、投与後10〜15分前後で比較的高い血中ヨード濃度のピークを示し、以後時間の経過とともに緩やかに減少した。

2. 代謝

参考
腎機能の正常な患者3例にイオタラム酸メグルミン注(30%)約200mLを点滴静脈内投与した場合、尿中には代謝物は検出されず、ほとんどが未変化体として排泄された。

3. 排泄

参考
腎機能の正常な患者3例にイオタラム酸メグルミン注(30%)約200mLを点滴静脈内投与した時の尿中排泄率は、投与後2時間までに44.7%、12時間までに91.9%、24時間までに96.8%であり、48時間以内にほぼ全量が尿中に速やかに排泄された。

臨床成績

国内でのイオタラム酸メグルミン注(30%)の一般臨床試験報告症例(造影効果が判定されている症例)10例のうち造影効果が有効以上(診断が比較的容易なもの以上)は8例であった。

薬効薬理

コンレイ30%注はイオタラム酸を母核とするトリヨード化合物からなるイオン性(メグルミン塩)造影剤である。
ヨードの絶対量(31.02g/220mL)が多く、腎機能低下時や尿路通過障害のある場合でも鮮明な影像を得ることができ、さらに腎実質から尿道に至る全尿路系を描出することができる2)

有効成分に関する理化学的知見

1. 一般名
イオタラム酸メグルミン(Meglumine Iotalamate)

2. 化学名
N -Methylglucamine 5-acetamido-2, 4, 6-triiodo-N -methylisophthalamate

3. 分子式
C18H26I3N3O9

4. 分子量
809.13

5. 構造式

6. ヨード含有率
47.1%

7. 性状
イオタラム酸は、白色の粉末でにおいはない。エタノール(95)に溶けにくく、水に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。水酸化ナトリウム試液に溶ける。光によって徐々に着色する。

包装

コンレイ30%注220mL 1バイアル 5バイアル
(日本薬局方イオタラム酸メグルミン注射液)

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
竹井秀敏ほか:臨床放射線 1977; 22(10):1031-1037

2)
福重 満ほか:泌尿器科紀要 1971; 17(10):659-670

文献請求先・製品情報お問い合わせ先

第一三共株式会社 製品情報センター

〒103-8426 東京都中央区日本橋本町3-5-1

TEL:0120-189-132

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
第一三共株式会社

東京都中央区日本橋本町3-5-1