イグザレルト錠10mg/ イグザレルト錠15mg


作成又は改訂年月

** 2014年2月改訂 (第3版)

* 2012年10月改訂

日本標準商品分類番号

873339

日本標準商品分類番号等

国際誕生年月
2008年9月

薬効分類名

選択的直接作用型第Xa因子阻害剤

承認等

販売名
イグザレルト錠10mg

販売名コード

3339003F1024

承認・許可番号

承認番号
22400AMX00042
商標名
Xarelto Tablets 10mg

薬価基準収載年月

2012年4月

販売開始年月

2012年4月

貯法・使用期限等

貯法

室温保存

使用期限

外箱に表示

規制区分

処方せん医薬品注)

注)注意−医師等の処方せんにより使用すること

組成

成分・含量

1錠中,リバーロキサバン10mg含有

添加物

結晶セルロース,クロスカルメロースナトリウム,ヒプロメロース,乳糖水和物,ステアリン酸マグネシウム,ラウリル硫酸ナトリウム,三二酸化鉄,マクロゴール4000,酸化チタン

性状

色・剤形

淡赤色のフィルムコーティング錠

外形(識別コード)

直径(mm)

6

厚さ(mm)

2.8

重さ(mg)

87.5

販売名
イグザレルト錠15mg

販売名コード

3339003F2020

承認・許可番号

承認番号
22400AMX00041
商標名
Xarelto Tablets 15mg

薬価基準収載年月

2012年4月

販売開始年月

2012年4月

貯法・使用期限等

貯法

室温保存

使用期限

外箱に表示

規制区分

処方せん医薬品注)

注)注意−医師等の処方せんにより使用すること

組成

成分・含量

1錠中,リバーロキサバン15mg含有

添加物

結晶セルロース,クロスカルメロースナトリウム,ヒプロメロース,乳糖水和物,ステアリン酸マグネシウム,ラウリル硫酸ナトリウム,三二酸化鉄,マクロゴール4000,酸化チタン

性状

色・剤形

赤色のフィルムコーティング錠

外形(識別コード)

直径(mm)

6

厚さ(mm)

2.8

重さ(mg)

87.5

一般的名称

リバーロキサバン錠

警告

本剤の投与により出血が発現し,重篤な出血の場合には,死亡に至るおそれがある.本剤の使用にあたっては,出血の危険性を考慮し,本剤投与の適否を慎重に判断すること.本剤による出血リスクを正確に評価できる指標は確立されておらず,本剤の抗凝固作用を中和する薬剤はないため,本剤投与中は,血液凝固に関する検査値のみならず,出血や貧血等の徴候を十分に観察すること.これらの徴候が認められた場合には,直ちに適切な処置を行うこと.[「禁忌」,「用法・用量に関連する使用上の注意」,「慎重投与」,「重要な基本的注意」,「過量投与」の項参照]

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

2.
出血している患者(頭蓋内出血,消化管出血等の臨床的に重大な出血)[出血を助長するおそれがある.]

3.
凝固障害を伴う肝疾患の患者[出血の危険性が増大するおそれがある.]

4.
中等度以上の肝障害(Child-Pugh分類B又はCに相当)のある患者[出血の危険性が増大するおそれがある.]

5.
腎不全(クレアチニンクリアランス15mL/min未満)の患者[使用経験がない.]

6.
妊婦又は妊娠している可能性のある女性[「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照]

7.
HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル,アタザナビル,インジナビル等)を投与中の患者[「相互作用」,「薬物動態」の項参照]

8.
**コビシスタットを含有する製剤を投与中の患者[「相互作用」の項参照]

9.
アゾール系抗真菌剤(フルコナゾールを除く.イトラコナゾール,ボリコナゾール,ケトコナゾール等)の経口又は注射剤を投与中の患者[「相互作用」,「薬物動態」の項参照]

10.
急性細菌性心内膜炎の患者[血栓はく離に伴う血栓塞栓様症状を呈するおそれがある.]

効能又は効果

効能又は効果/用法及び用量

非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制

用法及び用量

通常,成人にはリバーロキサバンとして15mgを1日1回食後に経口投与する.なお,腎障害のある患者に対しては,腎機能の程度に応じて10mg1日1回に減量する.

用法及び用量に関連する使用上の注意

1.
クレアチニンクリアランス30〜49mL/minの患者には,10mgを1日1回投与する.[「慎重投与」及び「臨床成績」の項参照]

2.
クレアチニンクリアランス15〜29mL/minの患者では,本剤の血中濃度が上昇することが示唆されており,これらの患者における有効性及び安全性は確立していないので,本剤投与の適否を慎重に検討した上で,投与する場合は,10mgを1日1回投与する.[「慎重投与」及び「薬物動態」の項参照]

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
**出血リスクが高い患者
止血障害,凝固障害,先天性又は後天性の出血性疾患,コントロールできない重症の高血圧症,血管性網膜症,活動性の潰瘍性消化管障害の患者消化管潰瘍発症後日の浅い患者,頭蓋内出血発症後日の浅い患者,脊髄内又は脳内に血管異常のある患者,脊髄や眼の手術後日の浅い患者,気管支拡張症又は肺出血の既往のある患者[出血の危険性が増大する.]

2.
腎障害のある患者(クレアチニンクリアランス15〜49mL/min)[「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照]

3.
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]

4.
低体重の患者[低体重の患者では出血の危険性が増大することがある.]

重要な基本的注意

1.
プロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)は本剤の抗凝固作用について標準化された指標でなく,活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)等の凝固能検査は,本剤の抗凝固作用をモニタリングする指標として推奨されない.投与にあたっては,臨床症状を注意深く観察し,出血等が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと.

2.
本剤と他の抗凝固剤との切り替えにおいては,以下の点に留意すること.

(1)
ワルファリンから本剤に切り替える必要がある場合は,ワルファリンの投与を中止した後,PT-INR等,血液凝固能検査を実施し,治療域の下限以下になったことを確認した後,可及的速やかに本剤の投与を開始すること.

(2)
注射剤の抗凝固剤(ヘパリン等)から本剤に切り替える場合,次回の静脈内又は皮下投与が予定された時間の0〜2時間前又は持続静注中止後より,本剤の投与を開始すること.

(3)
本剤からワルファリンへの切り替え時において抗凝固作用が不十分になる可能性が示唆されているので,抗凝固作用が維持されるよう注意し,PT-INR等,血液凝固能検査の値が治療域の下限を超えるまでは,ワルファリンと本剤を併用すること.なお,本剤の投与終了後24時間経過するまでは,PT-INRはワルファリンの抗凝固作用を正確に反映しない.

(4)
本剤から注射剤の抗凝固剤に切り替える場合,本剤の投与を中止し,次回の本剤投与が予定された時間に抗凝固剤の静脈内投与又は皮下投与を開始すること.

3.
本剤の投与中に手術や侵襲的処置を行う場合,臨床的に可能であれば本剤の投与後24時間以上経過した後に行うことが望ましい.手術や侵襲的処置の開始を遅らせることができない場合は,緊急性と出血リスクを評価すること.本剤の投与は,手術や侵襲的処置後,患者の臨床状態に問題がなく出血がないことを確認してから,可及的速やかに再開すること.

4.
出血等の副作用が生じることがあるので,必要に応じて血算(ヘモグロビン値),便潜血等の検査を実施し,急激なヘモグロビン値や血圧の低下等の出血の徴候が認められた場合には,適切な処置を行うこと.

5.
患者には,鼻出血,皮下出血,歯肉出血,血尿,喀血,吐血及び血便等,異常な出血の徴候が認められた場合には,医師に連絡するよう指導すること.

6.
アスピリン,クロピドグレル硫酸塩等の抗血小板剤との併用により,出血の危険性が増大するおそれがあるので,注意すること.これらの薬剤と本剤の併用については,治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に判断すること.[「相互作用」の項参照]

7.
**間質性肺疾患があらわれることがあるので,咳嗽,血痰,呼吸困難,発熱等の症状があらわれた場合には,速やかに主治医に連絡するよう患者に指導すること.[「重大な副作用」の項参照]

8.
潰瘍性消化管障害のおそれのある患者には,潰瘍性消化管障害に対する適切な予防に配慮すること.

9.
服用を忘れた場合は直ちに本剤を服用し,翌日から毎日1回の服用を行うよう患者に指導すること.服用を忘れた場合でも,一度に2回分を服用せず,次の服用まで12時間以上空けるよう,患者に指導すること.

相互作用

本剤は主としてチトクロームP450 3A4及び2J2(CYP3A4及びCYP2J2)により代謝される.また,本剤はP-糖蛋白及び乳癌耐性蛋白(BCRP)の基質である.[「薬物動態」の項参照]

併用禁忌

(併用しないこと)

薬剤名等
HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル(ノービア)、アタザナビル(レイアタッツ)、インジナビル(クリキシバン等))

臨床症状・措置方法
これら薬剤との併用により,本剤の血中濃度が上昇し,抗凝固作用が増強されることにより,出血の危険性が増大するおそれがある.[「薬物動態」の項参照]

機序・危険因子
CYP3A4及びP-糖蛋白の強力な阻害によりクリアランスが減少する.

薬剤名等
**コビシスタットを含有する製剤(スタリビルド)

臨床症状・措置方法
コビシスタットを含有する製剤との併用により,本剤の血中濃度が上昇し,抗凝固作用が増強されることにより,出血の危険性が増大するおそれがある.

機序・危険因子
CYP3A4の強力な阻害によりクリアランスが減少する.

薬剤名等
アゾール系抗真菌剤(経口又は注射剤,フルコナゾールを除く)(イトラコナゾール(イトリゾール)、ボリコナゾール(ブイフェンド)、ケトコナゾール(国内未発売)等)

臨床症状・措置方法
これら薬剤との併用により,本剤の血中濃度が上昇し,抗凝固作用が増強されることにより,出血の危険性が増大するおそれがある.[「薬物動態」の項参照]

機序・危険因子
CYP3A4及びP-糖蛋白の強力な阻害によりクリアランスが減少する.

併用注意

(併用に注意すること)

薬剤名等
抗凝固剤(ヘパリン製剤,低分子量ヘパリン製剤(エノキサパリンナトリウム等),フォンダパリヌクスナトリウム,ワルファリンカリウム等)

臨床症状・措置方法
これら薬剤との併用により,出血の危険性が増大するおそれがあるので,観察を十分に行い,注意すること.

機序・危険因子
両剤の抗凝固作用が相加的に増強される.

薬剤名等
血小板凝集抑制作用を有する薬剤(クロピドグレル硫酸塩,チクロピジン塩酸塩等)

臨床症状・措置方法
血小板凝集抑制作用を有する薬剤との併用により,出血の危険性が増大するおそれがあるので,これらの薬剤と本剤の併用については,治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に判断すること.投与中は観察を十分に行い,注意すること.

機序・危険因子
本剤の抗凝固作用と血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される.

薬剤名等
サリチル酸誘導体(アスピリン等)

臨床症状・措置方法
血小板凝集抑制作用を有する薬剤との併用により,出血の危険性が増大するおそれがあるので,これらの薬剤と本剤の併用については,治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に判断すること.投与中は観察を十分に行い,注意すること.

機序・危険因子
本剤の抗凝固作用と血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される.

薬剤名等
血栓溶解剤(ウロキナーゼ,t-PA製剤(アルテプラーゼ等))

臨床症状・措置方法
これら薬剤との併用により,出血の危険性が増大するおそれがあるので,観察を十分に行い,注意すること.

機序・危険因子
本剤の抗凝固作用とフィブリン溶解作用により相加的に出血傾向が増強される.

薬剤名等
非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤(ナプロキセン,ジクロフェナクナトリウム等)

臨床症状・措置方法
これら薬剤との併用により,出血の危険性が増大するおそれがあるので,観察を十分に行い,注意すること.

機序・危険因子
本剤の抗凝固作用と血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強されることがある.

薬剤名等
フルコナゾール

臨床症状・措置方法
これら薬剤との併用により本剤の血中濃度が上昇したとの報告があるので,本剤10mg1日1回投与を考慮する,あるいは治療上の有益性と危険性を十分に考慮し,本剤の投与が適切と判断される患者にのみ併用投与すること.[「薬物動態」の項参照]

機序・危険因子
フルコナゾールがCYP3A4を阻害することにより本剤のクリアランスが減少するおそれがある.

薬剤名等
クラリスロマイシン
エリスロマイシン

臨床症状・措置方法
これら薬剤との併用により本剤の血中濃度が上昇したとの報告があるので,本剤10mg1日1回投与を考慮する,あるいは治療上の有益性と危険性を十分に考慮し,本剤の投与が適切と判断される患者にのみ併用投与すること.[「薬物動態」の項参照]

機序・危険因子
これらの薬剤がCYP3A4及びP-糖蛋白を阻害することにより本剤のクリアランスが減少する.

薬剤名等
リファンピシン

臨床症状・措置方法
リファンピシンとの併用により本剤の血中濃度が低下し,抗凝固作用が減弱したとの報告がある.[「薬物動態」の項参照]

機序・危険因子
リファンピシンがCYP3A4及びP-糖蛋白を強力に誘導することにより本剤のクリアランスが増加する.

薬剤名等
フェニトイン
カルバマゼピン
フェノバルビタール
セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品

臨床症状・措置方法
併用により本剤の血中濃度が低下するおそれがある.

機序・危険因子
これらの薬剤等がCYP3A4を強力に誘導することにより本剤のクリアランスが増加する.

副作用

副作用等発現状況の概要

国内データ
非弁膜症性心房細動患者を対象とした国内第III相試験において,本剤15mg(クレアチニンクリアランス30〜49mL/minの患者には10mg)が1日1回投与された639例中326例(51.0%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた.主な副作用は,鼻出血88例(13.8%),皮下出血50例(7.8%),歯肉出血40例(6.3%),血尿24例(3.8%),結膜出血23例(3.6%),尿中血陽性18例(2.8%),貧血17例(2.7%),創傷出血15例(2.3%),喀血14例(2.2%),口腔内出血12例(1.9%),痔出血11例(1.7%),便潜血陽性9例(1.4%),網膜出血7例(1.1%),メレナ7例(1.1%),便潜血7例(1.1%),出血7例(1.1%)等であった.(承認時)

外国データ
非弁膜症性心房細動患者を対象とした国外第III相試験において,本剤20mg(クレアチニンクリアランス30〜49mL/minの患者には15mg)が1日1回投与された7,111例中2,096例(29.5%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた.主な副作用は,鼻出血537例(7.6%),歯肉出血196例(2.8%),血尿195例(2.7%),血腫124例(1.7%),斑状出血117例(1.6%),挫傷94例(1.3%),貧血92例(1.3%),直腸出血89例(1.3%),胃腸出血81例(1.1%),結膜出血77例(1.1%)等であった.(承認時)

重大な副作用

1. 出血注1)
頭蓋内出血(0.13%),脳出血(0.10%),出血性卒中(0.10%),関節内出血(0.21%),眼出血(0.27%),網膜出血(0.12%),直腸出血(1.15%),胃腸出血(1.05%),上部消化管出血(0.55%),メレナ(0.68%),下部消化管出血(0.23%),出血性胃潰瘍(0.19%),コンパートメント症候群を伴う筋肉内出血(0.01%)等の重篤な出血があらわれることがあり,死亡に至る例が報告されている.本剤投与中は観察を十分に行い,重篤な出血等の異常が認められた場合は投与を中止し,適切な処置を行うこと.
なお,出血に伴う合併症として,ショック,腎不全,呼吸困難,浮腫,頭痛,浮動性めまい,蒼白,脱力感があらわれることがある.また,一部の例では貧血の結果として胸痛又は狭心症様の心虚血症状があらわれている.

2. 肝機能障害・黄疸注1)
ALT(GPT)上昇,AST(GOT)上昇を伴う肝機能障害(0.1〜1%未満),黄疸(頻度不明)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合は投与を中止し,適切な処置を行うこと.

3. **間質性肺疾患注1)
(頻度不明) 
間質性肺疾患があらわれることがあり,血痰,肺胞出血を伴う場合もあるので,観察を十分に行い,咳嗽,血痰,息切れ,呼吸困難,発熱,肺音の異常等が認められた場合には,速やかに胸部X線,胸部CT,血清マーカー等の検査を実施すること.間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと.[「重要な基本的注意」の項参照]

その他の副作用

以下のような副作用があらわれた場合には,必要に応じて投与を中止するなど適切な処置を行うこと.注1)

精神神経系
0.1〜1%未満 
頭痛,浮動性めまい,不眠

精神神経系
0.1%未満 
失神

感覚器
1〜10%未満 
結膜出血

感覚器
0.1〜1%未満 
耳出血

消化器
1〜10%未満 
歯肉出血

消化器
0.1〜1%未満 
口腔内出血,痔出血,血便,便潜血,便秘,腹痛,上腹部痛,口内乾燥,下痢,悪心,嘔吐,痔核,消化不良,胃炎

消化器
0.1%未満 
リパーゼ上昇,アミラーゼ上昇

循環器
1〜10%未満 
血腫

循環器
0.1%未満 
低血圧

循環器
頻度不明注2) 
血管偽動脈瘤形成,頻脈

呼吸器
1〜10%未満 
鼻出血

呼吸器
0.1〜1%未満 
喀血,呼吸困難

血液
1〜10%未満 
貧血

血液
0.1〜1%未満 
鉄欠乏性貧血,ヘモグロビン減少,INR増加

血液
0.1%未満 
血小板増加症

血液
頻度不明注2) 
血小板数増加

肝臓
0.1〜1%未満 
ALT(GPT)上昇,AST(GOT)上昇,血中ビリルビン上昇,Al-P上昇

肝臓
0.1%未満 
γ-GTP上昇,直接ビリルビン上昇

肝臓
頻度不明注2) 
LDH上昇

腎臓
1〜10%未満 
血尿

腎臓
0.1〜1%未満 
尿中血陽性,腎クレアチニン・クリアランス減少

腎臓
0.1%未満 
尿路出血,腎機能障害,血中クレアチニン上昇,BUN上昇

生殖器
0.1〜1%未満 
性器出血

生殖器
0.1%未満 
月経過多

筋・骨格系
0.1〜1%未満 
四肢痛,関節痛,筋肉内出血

皮膚
1〜10%未満 
斑状出血

皮膚
0.1〜1%未満 
皮下出血,擦過傷,脱毛,皮膚裂傷,皮下血腫

過敏症
0.1〜1%未満 
発疹,そう痒,アレルギー性皮膚炎

過敏症
0.1%未満 
アレルギー反応,蕁麻疹(全身性そう痒症等)

**過敏症
頻度不明注2) 
血管浮腫

その他
1〜10%未満 
挫傷

その他
0.1〜1%未満 
創傷出血,処置後出血,末梢性浮腫,限局性浮腫,硬膜下血腫,疲労,無力症,食欲減退

その他
0.1%未満 
けん怠感,創部分泌,発熱

注1)頻度は非弁膜症性心房細動患者を対象とした国内外第III相臨床試験2試験の成績を合算している.

注2)主に,非弁膜症性心房細動以外の患者(下肢整形外科大手術施行後の患者等)を対象とした臨床試験における報告及び自発報告等に基づく副作用であるため頻度不明

高齢者への投与

一般に高齢者では腎機能などの生理機能が低下しているため,患者の状態を観察しながら慎重に投与すること.なお,国内第III相試験において75歳以上の患者では75歳未満の患者と比較し,重大な出血及び重大ではないが臨床的に問題となる出血の発現率が高かった.

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので,妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと.[動物実験で胎盤通過性(ラット)1),子宮内出血,母動物に毒性があらわれる用量で総奇形発生率の増加(ウサギ)2),死産の増加等の胚・胎児毒性,出生児の生存率低下及び一般状態の悪化(ラット)3)が報告されている.]

2.
授乳中の女性に投与することを避け,やむを得ず投与する場合は授乳を中止させること.[動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている4).]

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない.[使用経験がない.]

過量投与

徴候と症状
本剤を過量投与した場合,出血性合併症が生じるおそれがある.

処置
本剤の抗凝固作用を中和する薬剤は知られていない.吸収を抑えるために活性炭投与を考慮すること.出血が認められる場合は,以下の処置を行うこと.

(1)
適宜,次回の投与を延期するか,投与を中止すること.本剤の消失半減期は5〜13時間である.[「薬物動態」の項参照]

(2)
症例ごとの出血の重症度及び部位に応じた出血に対する処置を講じること.

(3)
機械的圧迫(高度の鼻出血等),出血管理のための外科的止血,補液及び血行動態の管理,血液製剤(合併する貧血又は凝固障害に応じて濃厚赤血球輸血,新鮮凍結血漿輸注を行う)又は血小板輸血等の適切な対症療法の開始を考慮すること.

蛋白結合率が高いので,血液透析は本剤の除去には有用でないと考えられる.

適用上の注意

薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること.[PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている.]

薬物動態

1. 血中濃度

(1) 単回投与
日本人若年健康成人男子32例に本剤5,10,20及び40mgを空腹時に単回経口投与した際,血漿中未変化体濃度は投与後0.5〜4時間に最高血漿中濃度(Cmax)に達した.本剤の1回用量の範囲において,投与量に応じた曝露量の増加が認められた.


(表1参照)

(2) 反復投与
日本人高齢男女36例に,本剤10,15及び20mgを1日1回7日間食後に反復経口投与した際,初回投与時と比較し薬物動態特性に大きな変動はなく,蓄積性も認められなかった.
(表2参照)

2. *吸収・分布・代謝・排泄
本剤5mg及び20mgを空腹時に経口投与した際の絶対的バイオアベイラビリティは112%及び66%であった.本剤20mgを食後に投与した際のAUCは空腹時投与した際と比較し39%増加した.本剤を静脈内投与した際の分布容積(Vss)は約50L,全身クリアランスは約10L/hであり,投与量の42%が未変化体のまま腎排泄された.健康成人男子4例に[14C]リバーロキサバン10mgを単回経口投与した際,投与量の約2/3は不活性代謝物として尿中及び糞中に排泄され,残りの約1/3が未変化体のまま腎排泄された(外国人における成績).
日本人若年健康成人男子11例に,本剤15mgを空腹時及び食後に単回経口投与した際,食後投与時にはtmaxの遅延が認められたが,AUC,Cmaxに影響は認められなかった.
本剤は主にCYP3A4及びCYP2J2による代謝経路により代謝され,主要な代謝物はモルホリノン環の酸化分解体及びアミド結合の加水分解体である.In vitro試験において,本剤が輸送蛋白であるP-糖蛋白(P-gp)及び乳癌耐性蛋白(BCRP)の基質であることが示されている.
注)本剤の承認された1回用量は10mg及び15mgである.

3. 蛋白結合
本剤は血漿蛋白と高い結合能を示し,ヒト血漿蛋白結合率は約92〜95%であった.主にアルブミンに結合する.

4. 腎障害患者における薬物動態(外国人における成績)
軽度(クレアチニンクリアランス(CLcr):50〜79mL/min),中等度(CLcr:30〜49mL/min)及び重度(CLcr:15〜29mL/min)の腎障害のある患者各8例に本剤10mgを空腹時単回経口投与した場合,健康被験者と比較しAUCはそれぞれ1.4,1.5及び1.6倍に上昇した.第Xa因子活性阻害率は1.5,1.9及び2.0倍に増加し,プロトロンビン時間(PT(秒))も1.3,2.2及び2.4倍延長した.CLcrが15mL/min未満の患者における検討は実施していない.

5. 肝障害患者における薬物動態(外国人における成績)
軽度の肝障害のある肝硬変患者(Child-Pugh分類A 8例)では,本剤10mgを投与した際の薬物動態は健康被験者と比較してほぼ同様であり(AUCは1.2倍上昇),薬力学的効果に差は認められなかった.中等度の肝障害のある肝硬変患者(Child-Pugh分類B 8例)では健康被験者と比較してAUCが2.3倍上昇した,なお,非結合型のAUCは2.6倍上昇した.第Xa因子活性阻害率は2.6倍増加し,PT(秒)も2.1倍延長した.Child-Pugh分類Cの患者における検討は実施していない.

6. 薬物相互作用試験

(1) リトナビル(外国人における成績)
健康成人男子12例にリトナビル600mgと本剤10mgを併用投与した際,本剤のAUCは2.5倍,Cmaxは1.6倍上昇し抗凝固作用が増強された.

(2) ケトコナゾール・フルコナゾール(外国人における成績)
健康成人男子20例にケトコナゾール400mgと本剤10mgを併用投与した際,本剤のAUCは2.6倍,Cmaxは1.7倍上昇し抗凝固作用が増強された.
健康成人男子13例にフルコナゾール400mgと本剤20mgを併用投与した際,本剤のAUCは1.4倍,Cmaxは1.3倍上昇した.
注)本剤の承認された1回用量は10mg及び15mgである.

(3) クラリスロマイシン・エリスロマイシン(外国人における成績)
健康成人男子15例にクラリスロマイシン500mgと本剤10mgを併用投与した際,本剤のAUCは1.5倍,Cmaxは1.4倍上昇した.
健康成人男子15例にエリスロマイシン500mgと本剤10mgを併用投与した際,本剤のAUC及びCmaxともに1.3倍に上昇した.

(4) リファンピシン(外国人における成績)
健康成人男子18例にリファンピシン(開始用量150mgより600mgまで漸増)と本剤20mgを併用投与した際,本剤のAUCが約50%低下し,それに伴い抗凝固作用も減弱した.
注)本剤の承認された1回用量は10mg及び15mgである.

(5) エノキサパリン(外国人における成績)
健康成人男子10例にエノキサパリン4,000IUと本剤10mgを併用投与した際,本剤の薬物動態に影響はなかった.抗第Xa因子活性は相加的に増加したが,PT及びaPTTには影響は認められなかった.

(6) アスピリン(外国人における成績)
健康成人男子13例にアスピリン500mgを投与した翌日にアスピリン100mgと本剤15mgを併用投与した際,本剤の薬物動態及び抗凝固作用に影響は認められなかった.

(7) クロピドグレル(外国人における成績)
健康成人男子11例にクロピドグレル300mgを投与した翌日にクロピドグレル75mgと本剤15mgを併用投与した際,本剤の薬物動態に影響は認められなかった.別の試験において一部の被験者に出血時間の延長が認められたとの報告がある.

(8) ナプロキセン(外国人における成績)
健康成人男子11例にナプロキセン500mg1日1回反復投与時に本剤15mgを併用投与した際,出血時間の延長は認められなかったが,一部の被験者において抗凝固作用の増強が認められた.

(9) ワルファリン
日本人健康成人男子12例(VKORC1遺伝子1639位のAアレルがホモ接合体を有している被験者)にワルファリンを反復投与し,PT-INRが2.0〜3.0に到達した後に,本剤15mg1日1回反復投与に切り替えた際,aPTT,第Xa因子活性阻害及び内在性トロンビン産生能(ETP)への影響は相加的であったが,PT及びPT-INRのピーク値は本剤単独投与時と比較しそれぞれ2.3倍及び2.9倍になった.本剤投与開始後3日目には,ワルファリンの影響は消失した.なお,薬物動態に相互作用は認められなかった.

このほか,ミダゾラム,ジゴキシン及びアトルバスタチンと本剤の併用による薬物相互作用試験を実施したが,薬物動態学的相互作用は認められず,制酸剤(水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム配合剤),ラニチジン及びオメプラゾールは,本剤の薬物動態に影響を及ぼさなかった.

表1

投与量 AUC
(μg・h/L) 
Cmax
(μg/L) 
tmax
(h) 
t1/2
(h) 
5mg 815.5(13.2) 141.3(14.5) 1.4(0.5〜2.5) 5.7(19.8) 
10mg 1,564(24.5) 226.9(18.7) 1.4(0.5〜4.0) 7.1(35.3) 
20mg 2,777(26.9) 341.7(29.6) 3.3(0.5〜4.0) 8.9(50.1) 
40mg 3,051(21.3) 329.4(26.1) 1.4(0.5〜2.0) 12.6(40.0) 

※:中央値(範囲) 幾何平均値(幾何CV(%)),n=8
注)本剤の承認された1回用量は10mg及び15mgである.


表2

投与量 測定日 AUC0-24
(μg・h/L) 
Cmax
(μg/L) 
tmax
(h) 
t1/2
(h) 
10mg 1日目 1,443(21.0) 232.6(18.7) 3.0(1.0〜4.0) 5.7(18.2) 
10mg 7日目 1,533(14.9) 246.9(10.6) 3.0(1.5〜4.0) 7.7(41.2) 
15mg 1日目 2,080(26.7) 347.6(23.0) 4.0(1.0〜4.0) 6.3(35.1) 
15mg 7日目 2,243(21.1) 330.6(20.8) 3.5(0.5〜4.0) 8.7(26.9) 
20mg 1日目 2,419(24.6) 391.2(21.2) 2.5(2.0〜4.0) 6.1(20.8) 
20mg 7日目 2,839(20.9) 398.5(24.8) 3.0(1.5〜4.0) 7.7(23.6) 

※:中央値(範囲) 幾何平均値(幾何CV(%)),n=12
注)本剤の承認された1回用量は10mg及び15mgである.


臨床成績

1. 国内第III相二重盲検並行群間比較試験(J-ROCKET AF試験)5)
非弁膜症性心房細動患者1,278例(安全性解析対象例数)に対して本剤15mg(CLcr:30〜49mL/minの患者には10mg)1日1回又はワルファリンカリウム(目標PT-INR:70歳未満は2.0〜3.0,70歳以上は1.6〜2.6)が夕食後に投与された.平均投与期間は本剤群498.9日,ワルファリン群481.1日であった.
有効性主要評価項目(脳卒中又は非中枢神経系塞栓症の複合エンドポイント)は,per protocol解析対象集団の本剤群637例中11例,ワルファリン群637例中22例に認められ,年間イベント発現率はそれぞれ1.26及び2.61/100患者年であった(ハザード比:0.49,95%信頼区間:0.24〜1.00,治験薬投与下).このほか,以下の有効性に関する成績が得られた.
(表3参照)
安全性主要評価項目である「重大な出血」又は「重大ではないが臨床的に問題となる出血」の複合エンドポイントは,本剤群639例中138例,ワルファリン群639例中124例に認められ,年間イベント発現率はそれぞれ18.04及び16.42(/100患者年)であり,本剤のワルファリンに対する非劣性が検証された(ハザード比:1.11,95%信頼区間:0.87〜1.42,非劣性の許容限界値:ハザード比2.0).「重大な出血」の発現率はそれぞれ3.00及び3.59/100患者年であった(ハザード比:0.85,95%信頼区間:0.50〜1.43).
(表4参照)

2. 国外第III相二重盲検並行群間比較試験(ROCKET AF試験)6)
非弁膜症性心房細動患者14,236例(安全性解析対象例数)に対して本剤20mg(CLcr:30〜49mL/minの患者には15mg)1日1回又はワルファリンナトリウム(PT-INR:2.0〜3.0)が夕食後に投与された.平均投与期間は本剤群572.2日,ワルファリン群579.9日であった.
有効性主要評価項目(脳卒中又は非中枢神経系塞栓症の複合エンドポイント)は,per protocol解析対象集団の本剤群6,958例中188例,ワルファリン群7,004例中241例に認められ,年間イベント発現率はそれぞれ1.71及び2.16/100患者年であり,本剤のワルファリンに対する非劣性が検証された(ハザード比:0.79,95%信頼区間:0.66〜0.96,非劣性の許容限界値:ハザード比1.46,治験薬投与下).このほか,以下の有効性に関する成績が得られた.
(表5参照)
安全性主要評価項目である「重大な出血」又は「重大ではないが臨床的に問題となる出血」の複合エンドポイントは,本剤群7,111例中1,475例,ワルファリン群7,125例中1,449例に認められ,年間イベント発現率はそれぞれ14.91及び14.52(/100患者年)であった(ハザード比:1.03,95%信頼区間:0.96〜1.11).「重大な出血」の発現率はそれぞれ3.60及び3.45/100患者年であった(ハザード比1.04,95%信頼区間0.90〜1.20).
(表6参照)

表3

エンドポイント リバーロキサバン
(N=639)
n(/100患者年) 
ワルファリン
(N=639)
n(/100患者年) 
ハザード比
(95%信頼区間) 
有効性主要評価項目注1) 11(1.26) 22(2.60) 0.48
(0.23〜1.00) 
有効性副次的評価項目1注2) 16(1.83) 24(2.84) 0.65
(0.34〜1.22) 
有効性副次的評価項目2注3) 19(2.17) 25(2.96) 0.74
(0.41〜1.34) 
脳卒中 10(1.14) 21(2.48) 0.46
(0.22〜0.98) 
 虚血性脳卒中 7(0.80) 17(2.01) 0.40
(0.17〜0.96) 
 出血性脳卒中 3(0.34) 4(0.47) 0.73
(0.16〜3.25) 
非中枢神経系塞栓症 1(0.11) 1(0.12) 0.99
(0.06〜15.8) 
心筋梗塞 3(0.34) 1(0.12) 2.92
(0.30〜28.1) 
心血管死 6(0.68) 2(0.24) 2.96
(0.60〜14.7) 

(安全性解析対象集団,治験薬投与下)
注1)脳卒中又は非中枢神経系塞栓症の複合エンドポイント
注2)脳卒中,非中枢神経系塞栓症又は心血管死の複合エンドポイント
注3)脳卒中,非中枢神経系塞栓症,心筋梗塞又は心血管死の複合エンドポイント


表4

エンドポイント リバーロキサバン
(N=639)
n(/100患者年) 
ワルファリン
(N=639)
n(/100患者年) 
ハザード比
(95%信頼区間) 
安全性主要評価項目注) 138(18.04) 124(16.42) 1.11
(0.87〜1.42) 
重大な出血 26(3.00) 30(3.59) 0.85
(0.50〜1.43) 
重大ではないが臨床的に問題となる出血 119(15.42) 99(12.99) 1.20
(0.92〜1.56) 

(安全性解析対象集団,治験薬投与下)
注)「重大な出血」又は「重大ではないが臨床的に問題となる出血」の複合エンドポイント


表5

エンドポイント リバーロキサバン
(N=7,061)
n(/100患者年) 
ワルファリン
(N=7,082)
n(/100患者年) 
ハザード比
(95%信頼区間) 
有効性主要評価項目注1) 189(1.70) 243(2.15) 0.79
(0.65〜0.95) 
有効性副次的評価項目1注2) 346(3.11) 410(3.63) 0.86
(0.74〜0.99) 
有効性副次的評価項目2注3) 433(3.91) 519(4.62) 0.85
(0.74〜0.96) 
脳卒中 184(1.65) 221(1.96) 0.85
(0.70〜1.03) 
 虚血性脳卒中 149(1.34) 161(1.42) 0.94
(0.75〜1.17) 
 出血性脳卒中 29(0.26) 50(0.44) 0.59
(0.37〜0.93) 
非中枢神経系塞栓症 5(0.04) 22(0.19) 0.23
(0.09〜0.61) 
心筋梗塞 101(0.91) 126(1.12) 0.81
(0.63〜1.06) 
心血管死 170(1.53) 193(1.71) 0.89
(0.73〜1.10) 

(安全性解析対象集団,治験薬投与下,1施設分の症例を集計から除外)
注1)脳卒中又は非中枢神経系塞栓症の複合エンドポイント
注2)脳卒中,非中枢神経系塞栓症又は心血管死の複合エンドポイント
注3)脳卒中,非中枢神経系塞栓症,心筋梗塞又は心血管死の複合エンドポイント


表6

エンドポイント リバーロキサバン
(N=7,111)
n(/100患者年) 
ワルファリン
(N=7,125)
n(/100患者年) 
ハザード比
(95%信頼区間) 
安全性主要評価項目注) 1,475(14.91) 1,449(14.52) 1.03
(0.96〜1.11) 
重大な出血 395(3.60) 386(3.45) 1.04
(0.90〜1.20) 
重大ではないが臨床的に問題となる出血 1,185(11.80) 1,151(11.37) 1.04
(0.96〜1.13) 

(安全性解析対象集団,治験薬投与下)
注)「重大な出血」又は「重大ではないが臨床的に問題となる出血」の複合エンドポイント


薬効薬理

1. 作用機序7)
本剤は,選択的かつ直接的第Xa因子阻害剤であり,経口投与で効果を示す.内因系及び外因系血液凝固カスケード中の第Xa因子を本剤が阻害することで,トロンビン産生及び血栓形成が抑制される.本剤はトロンビンを阻害せず,また血小板に対する直接作用を有さない.

2. 抗血栓効果7〜9)
本剤は,マウス,ラット又はウサギの静脈及び動脈血栓症モデルにおいて,用量依存的に血栓形成を抑制した.また,ウサギ静脈血栓症モデルにおいて,血栓形成後の血栓の増大を抑制した.

有効成分に関する理化学的知見

構造式

一般名
リバーロキサバン(Rivaroxaban)JAN
(rivaroxaban)INN

化学名
5-Chloro-N-({(5S)-2-oxo-3-[4-(3-oxomorpholin-4-yl)phenyl]-1,3-oxazolidin-5-yl}methyl)thiophene-2-carboxamide

分子式
C19H18ClN3O5S

分子量
435.88

性状
本品は白色〜微黄色の粉末である.本品は,N,N-ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド又はN-メチルピロリドンにやや溶けやすく,アセトニトリルに溶けにくく,エタノール(99.5)に極めて溶けにくく,水にほとんど溶けない.

包装

錠剤

10mg PTP包装 100錠(10錠×10),140錠(14錠×10),500錠(10錠×50)
*バラ包装 500錠

15mg PTP包装 100錠(10錠×10),140錠(14錠×10),500錠(10錠×50)
*バラ包装 500錠

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
Steinke, W.:バイエル薬品社内資料[妊娠ラットにおける胎盤通過性](2007)

2)
Langewische, FW. et al.:バイエル薬品社内資料[ウサギにおける胚・胎児発生に関する毒性試験](2004)

3)
Langewische, FW. et al.:バイエル薬品社内資料[ラットにおける出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験](2006)

4)
Schwarz, TH. et al.:バイエル薬品社内資料[ラットにおける乳汁中分泌](2004)

5)
Berkowitz, S. et al.:バイエル薬品社内資料[日本人非弁膜症性心房細動患者における国内第III相試験](2011)

6)
Nessel, C. et al.:バイエル薬品社内資料[非弁膜症性心房細動患者における国外第III相試験](2010)

7)
Perzborn, E. et al.:J. Thromb. Haemost. 3, 514 (2005)

8)
Biemond, BJ. et al.:Thromb. Haemost. 97, 471 (2007)

9)
Perzborn, E. et al.:バイエル薬品社内資料[マウスにおける血栓塞栓死予防試験](2005)

文献請求先

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