アナストロゾール錠1mg「NK」
作成又は改訂年月
** 2014年8月改訂 5
* 2014年3月改訂 4
日本標準商品分類番号
874291
薬効分類名
アロマターゼ阻害剤/閉経後乳癌治療剤
承認等
販売名
アナストロゾール錠1mg「NK」
販売名コード
4291010F1090
承認・許可番号
承認番号
22400AMX01011
商標名
Anastrozole Tab. 1mg「NK」
薬価基準収載年月
2012年12月
販売開始年月
2012年12月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
*使用期限
3年(PTPシート及び外箱に表示)
取扱い上の注意
【取扱い上の注意】の項参照
規制区分
劇薬
処方箋医薬品
※
※注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
アナストロゾール錠1mg「NK」は、1錠中に次の成分を含有する。
有効成分・含有量
アナストロゾール 1.0mg
添加物
乳糖水和物、ポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール300、酸化チタン
性状
アナストロゾール錠1mg「NK」は、白色の円形のフィルムコーティング錠である。
識別コード
NK7601:1
直径(mm)
約6.1
厚さ(mm)
約3.2
質量(g)
約0.1
一般的名称
アナストロゾール錠
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
[動物実験(ラット)で胎児の発育遅延が認められている。また、動物実験(ラット及びウサギ)で胎児への移行が認められている。「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
2.
授乳婦
[本剤の授乳中婦人における使用経験はない。「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
3.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能又は効果
閉経後乳癌
用法及び用量
通常、成人にはアナストロゾールとして1mgを1日1回、経口投与する。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
重度の肝・腎障害のある患者
[本剤の重度の肝・腎障害患者における安全性は確立していない。]
重要な基本的注意
1.
本剤の特性ならびに使用経験がないことを考慮して閉経前患者への使用は避けること。
2.
本剤は内分泌療法剤であり、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。
3.
本剤の投与によって、骨粗鬆症、骨折が起こりやすくなるので、骨密度等の骨状態を定期的に観察することが望ましい。
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
1.
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
(頻度不明)
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. *
アナフィラキシー、血管浮腫、蕁麻疹
(頻度不明)
アナフィラキシー、血管浮腫、蕁麻疹等の過敏症状があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3.
肝機能障害、黄疸
(頻度不明)
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的な肝機能検査を行うなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
4.
間質性肺炎
(頻度不明)
間質性肺炎があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状を十分に観察し、異常が認められた場合には、胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
5.
血栓塞栓症
(頻度不明)
深部静脈血栓症、肺塞栓症等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1.
全身
頻度不明
ほてり、頭痛、倦怠感、無力症、疲労
2.
肝臓
頻度不明
肝機能検査値異常(AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、γ-GTP上昇、ビリルビン上昇)
3.
消化器
頻度不明
嘔気、食欲不振、嘔吐、下痢
4. *
精神神経系
頻度不明
感覚異常(錯感覚、味覚異常を含む)、傾眠、手根管症候群
5.
皮膚
頻度不明
脱毛、発疹、皮膚血管炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病
6. *
筋・骨格系
頻度不明
関節痛、硬直、骨折、関節炎、骨粗鬆症、骨痛、弾発指、筋肉痛
7.
生殖器
頻度不明
性器出血
注)
、膣乾燥
8.
血液
頻度不明
白血球減少、好中球減少
9. *
その他
頻度不明
高コレステロール血症、高カルシウム血症
注)性器出血が認められた場合には直ちに検査を行うなど適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
他社の臨床試験成績から、高齢者と非高齢者において血漿中濃度及び副作用の発現率並びにその程度に差は見られていない。しかし、一般に高齢者では生理機能が低下しており、副作用があらわれやすいので慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
本剤は、閉経後患者を対象とするものであることから、妊婦、授乳婦に対する投与は想定していないが、妊婦、授乳婦への投与の安全性については次の知見がある。
(1)
妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。
[動物実験(ラット)で胎児の発育遅延が認められている。また、動物実験(ラット及びウサギ)で胎児への移行が認められている。]
(2)
授乳婦への投与に関する安全性は確立していない。
[本剤の授乳中婦人における使用経験はない。]
過量投与
アナストロゾール60mgを単回投与した他社の臨床試験においても、忍容性は良好であった。過量投与には以下の処置を考慮すること。
処置
アナストロゾールの過量投与に特異的な解毒薬はないため、対症療法を行うこと。過量投与時の処置においては、複数の薬剤を服用していた可能性を考慮すること。患者の意識がある場合は、嘔吐を誘発してもよい。アナストロゾールの蛋白結合率は高くないので、透析も有用と考えられる。バイタルサインの頻繁なモニタリングや患者を注意深く観察すること。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
その他の注意
1.
本剤との関連性は明確ではないが、他社の臨床試験において無力症や傾眠等が報告されているので、自動車の運転や機械の操作には注意すること。
2.
他社のラット2年間がん原性試験において高用量(25mg/kg/日)のみで雌の肝臓腫瘍及び雄の甲状腺腫瘍増加が認められた。この変化はヒトへの治療用量投与時の暴露の雄で約80倍以上、雌で約90倍以上の時にのみ増加することから、患者への本剤投与時の臨床的な安全性との関連性は低いと考えられる。他社のマウス2年間がん原性試験では良性卵巣腫瘍の増加が認められた。この変化はアロマターゼ阻害によるマウスに特異的な変化であると考えられ患者への本剤投与時の臨床的な安全性との関連性は低いと考えられる。
3.
他社のラット及びウサギを用いた生殖発生毒性試験において、アナストロゾールの薬理作用に起因すると考えられる着床数、妊娠率及び出生児数の低下、胎盤の肥大等が認められている。
薬物動態
生物学的同等性試験
アナストロゾール錠1mg「NK」と標準製剤を、クロスオーバー試験法によりそれぞれ1錠(アナストロゾールとして1mg)65歳未満の閉経後健康成人女性に空腹時単回経口投与して血漿中アナストロゾール濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
1)
(下表参照)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
アナストロゾール濃度から得られた薬物動態パラメータ
判定パラメータ
AUC
0-168
(μg・hr/mL)
判定パラメータ
Cmax
(ng/mL)
参考パラメータ
tmax
(hr)
参考パラメータ
t
1/2
(hr)
アナストロゾール錠1mg「NK」
0.876±0.189
20.2±2.7
1.4±0.7
45.1±11.7
標準製剤
(錠剤、1mg)
0.903±0.234
20.9±3.9
1.2±0.5
47.6±13.6
(Mean±S.D.,n=24)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
アナストロゾール(Anastrozole)
化学名
2-[3-(1-Cyano-1-methylethyl)-5-(1
H
-1,2,4-triazol-1-ylmethyl)phenyl]-2-methylpropanenitrile
分子式
C
17
H
19
N
5
分子量
293.37
構造式
性状
白色の粉末である。アセトニトリルに極めて溶けやすく、N,N-ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール(99.5)に溶けやすく、水に極めて溶けにくい。
取扱い上の注意
安定性試験
最終包装製品を用いた長期保存試験(25℃、相対湿度60%、3年間)の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、アナストロゾール錠1mg「NK」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。
2)
包装
10錠(10錠×1)、30錠(10錠×3)、100錠(10錠×10)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
*降旗謙一他:医学と薬学,
68
(4), 675(2012)
2)
日本化薬株式会社 社内資料:安定性試験
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
日本化薬株式会社 医薬事業本部
営業本部 医薬品情報センター
**(住所)
〒100-0005 東京都千代田区丸の内二丁目1番1号
(TEL)0120-505-282(フリーダイヤル)
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
**製造販売元
日本化薬株式会社
東京都千代田区丸の内二丁目1番1号