コージネイトFS バイオセット注250/ コージネイトFS バイオセット注500/ コージネイトFS バイオセット注1000


作成又は改訂年月

** 2013年9月改訂 (第11版)

* 2011年11月改訂

日本標準商品分類番号

876349

薬効分類名

遺伝子組換え型血液凝固第VIII因子製剤

承認等

販売名
コージネイトFS バイオセット注250

販売名コード

6343430G1026

承認・許可番号

承認番号
21700AMY00143

薬価基準収載年月

2005年12月

販売開始年月

2006年1月

貯法・使用期限等

貯法

凍結を避け,2〜8℃(冷蔵庫)で保存

有効期間

2年6ヵ月(使用期限は,瓶ラベル・外箱に表示)

規制区分

特定生物由来製品

処方せん医薬品注)

注)注意―医師等の処方せんにより使用すること

組成

本剤は注射剤本体と溶解液(注射用水プレフィルドシリンジ)からなる注射用キット製品である.

注射剤本体

1バイアル中
有効成分

オクトコグ アルファ(遺伝子組換え):250国際単位

添加物

L-ヒスチジン:8.0mg
グリシン:58mg
塩化ナトリウム:4.6mg
塩化カルシウム:0.7mg
精製白糖:28mg
ポリソルベート80:200μg

溶解液(注射用水プレフィルドシリンジ)

1シリンジ中 日本薬局方 注射用水2.5mLを含有する.

本剤の培養工程の培地成分としてヒト血漿たん白溶液(採血国:米国,採血の区別:非献血)を使用している.[「献血又は非献血の区別の考え方」参照]

性状

製剤の性状

本剤は白色〜淡黄色の凍結乾燥製剤である.添付の溶解液を加えるとき,無色の澄明な液剤となる.

pH

6.6〜7.0

浸透圧比(生理食塩液に対する比)

1.4〜1.5

販売名
コージネイトFS バイオセット注500

販売名コード

6343430G2022

承認・許可番号

承認番号
21700AMY00144

薬価基準収載年月

2005年12月

販売開始年月

2006年1月

貯法・使用期限等

貯法

凍結を避け,2〜8℃(冷蔵庫)で保存

有効期間

2年6ヵ月(使用期限は,瓶ラベル・外箱に表示)

規制区分

特定生物由来製品

処方せん医薬品注)

注)注意―医師等の処方せんにより使用すること

組成

本剤は注射剤本体と溶解液(注射用水プレフィルドシリンジ)からなる注射用キット製品である.

注射剤本体

1バイアル中
有効成分

オクトコグ アルファ(遺伝子組換え):500国際単位

添加物

L-ヒスチジン:8.0mg
グリシン:58mg
塩化ナトリウム:4.6mg
塩化カルシウム:0.7mg
精製白糖:28mg
ポリソルベート80:200μg

溶解液(注射用水プレフィルドシリンジ)

1シリンジ中 日本薬局方 注射用水2.5mLを含有する.

本剤の培養工程の培地成分としてヒト血漿たん白溶液(採血国:米国,採血の区別:非献血)を使用している.[「献血又は非献血の区別の考え方」参照]

性状

製剤の性状

本剤は白色〜淡黄色の凍結乾燥製剤である.添付の溶解液を加えるとき,無色の澄明な液剤となる.

pH

6.6〜7.0

浸透圧比(生理食塩液に対する比)

1.4〜1.5

販売名
コージネイトFS バイオセット注1000

販売名コード

6343430G3029

承認・許可番号

承認番号
21700AMY00145

薬価基準収載年月

2005年12月

販売開始年月

2006年1月

貯法・使用期限等

貯法

凍結を避け,2〜8℃(冷蔵庫)で保存

有効期間

2年6ヵ月(使用期限は,瓶ラベル・外箱に表示)

規制区分

特定生物由来製品

処方せん医薬品注)

注)注意―医師等の処方せんにより使用すること

組成

本剤は注射剤本体と溶解液(注射用水プレフィルドシリンジ)からなる注射用キット製品である.

注射剤本体

1バイアル中
有効成分

オクトコグ アルファ(遺伝子組換え):1000国際単位

添加物

L-ヒスチジン:8.0mg
グリシン:58mg
塩化ナトリウム:4.6mg
塩化カルシウム:0.7mg
精製白糖:28mg
ポリソルベート80:200μg

溶解液(注射用水プレフィルドシリンジ)

1シリンジ中 日本薬局方 注射用水2.5mLを含有する.

本剤の培養工程の培地成分としてヒト血漿たん白溶液(採血国:米国,採血の区別:非献血)を使用している.[「献血又は非献血の区別の考え方」参照]

性状

製剤の性状

本剤は白色〜淡黄色の凍結乾燥製剤である.添付の溶解液を加えるとき,無色の澄明な液剤となる.

pH

6.6〜7.0

浸透圧比(生理食塩液に対する比)

1.4〜1.5

一般的名称

オクトコグ アルファ(遺伝子組換え)

本剤は,製造工程中にヒト血漿たん白溶液を使用しており,原料となった血液を採取する際には問診,感染症関連の検査を実施するとともに,製造工程において一定の不活化・除去処理などを実施し,感染症に対する安全対策を講じているが,製品中に残存するヒト血漿たん白による感染症伝播のリスクを完全に排除することはできないため,疾病の治療上の必要性を十分に検討の上,必要最小限の使用にとどめること.(「使用上の注意」の項参照)

原則禁忌

(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果

効能又は効果/用法及び用量

血液凝固第VIII因子欠乏患者に対し,血漿中の血液凝固第VIII因子を補い,その出血傾向を抑制する.

用法及び用量

本剤を添付の溶解液2.5mLで溶解し,緩徐に静脈内注射又は点滴注入する.なお,1分間に5mLを超える注射速度は避けること.用量は,通常,1回体重1kg当たり10〜30国際単位を投与するが,症状に応じて適宜増減する.

用法及び用量に関連する使用上の注意

輸注速度が速すぎるとチアノーゼ,動悸を起こすことがあるので,1分間に5mLを超えない速度でゆっくり注入すること.

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
マウスモノクローナル抗体により精製した製剤又はハムスター腎細胞由来の製剤に過敏症の既往歴のある患者

2.
ヒト血漿由来の第VIII因子製剤に過敏症の既往歴のある患者

重要な基本的注意

[患者への説明]
本剤の使用にあたっては,疾病の治療における本剤の必要性とともに,本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが,製品中に残存するヒト血漿たん白に由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを患者に対して説明し,理解を得るよう努めること.

(1)
**本剤の培養培地にはヒト血漿たん白溶液が使用されている.製品中に残存するヒト血漿たん白の原材料となる血漿については,HBs抗原,抗HCV抗体,抗HIV-1抗体,抗HIV-2抗体が陰性であることを確認している.また,ヒトパルボウイルスB19-DNAについて核酸増幅検査(NAT)を実施している.さらに,プールした試験血漿については,HBV-DNA,HCV-RNA及びHIV-RNAについてNATを実施し,適合した血漿をヒト血漿たん白溶液の製造に使用しているが,当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する.その後のヒト血漿たん白の製造工程であるコーンの低温エタノール分画法及び60℃,10時間液状加熱処理は,HIVをはじめとする各種ウイルス不活化・除去効果を有することが確認されている.また,本剤の精製工程においてTNBP/ポリソルベート80によるSD処理を実施している.しかし,現在の製造工程では,ウイルスを完全に不活化・除去することが困難である.

※SD処理
Solvent/Detergent Treated
Solvent[有機溶媒:TNBP(Tri-n-Butyl-Phosphate)]
Detergent[界面活性剤:ポリソルベート80]

(2)
**アナフィラキシーを起こすことがあるので,観察を十分に行うこと.

(3)
患者の血中に血液凝固第VIII因子に対するインヒビターが発生するおそれがある.特に,血液凝固第VIII因子製剤による補充療法開始後,投与回数が少ない時期(補充療法開始後の比較的早期)や短期間に集中して補充療法を受けた時期にインヒビターが発生しやすいことが知られている.本剤を投与しても予想した止血効果が得られない場合には,インヒビターの発生を疑い,回収率やインヒビターの検査を行うなど注意深く対応し,適切な処置を行うこと.

(4)
大量投与により血管内に凝固による栓塞を起こすおそれがあるので,慎重に投与すること.

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤の承認時での調査例数20例中1例(5.0%)にCD4上昇,CD8低下及びCD4/CD8比上昇が認められた.
また,コージネイトでの承認時及び市販後の使用成績調査・特別調査(長期使用症例)での調査症例742例中40例(5.39%)に副作用が認められた.(再審査終了時)

重大な副作用

**アナフィラキシー
(頻度不明) 
アナフィラキシーを起こすことがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.

その他の副作用

過敏症注)
0.1%未満 
発疹,蕁麻疹

過敏症注)
頻度不明 
そう痒

消化器
0.1〜5%未満 
嘔気

消化器
0.1%未満 
嘔吐

投与部位
0.1〜5%未満 
血管痛

投与部位
頻度不明 
注射部位反応

その他
頻度不明 
発熱

注)このような場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので,患者の状態を観察しながら慎重に投与すること.

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること.
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない.]

適用上の注意

1. 調製時

(1)
他剤との混合注射を避けること.

(2)
使用後の残液は細菌汚染のおそれがあるので使用しないこと.[本剤は保存剤が含有されていないため.]

(3)
溶解した液を使用する際には,ろ過網のあるセットを用いること.

2. 投与時

(1)
溶解時に不溶物の認められるもの又は混濁しているものは使用しないこと.

(2)
一度溶解したものは3時間以内に使用すること.

(3)
凍結した溶液は使用しないこと.

3. 家庭療法時

(1)
*患者が家庭で保管する場合においても冷蔵庫内で保存することが望ましいが,室温で保存することもできる.この場合には,使用期限を超えない範囲で6ヵ月以内に使用し,再び冷蔵庫に戻さないように指導すること.

(2)
子どもの手の届かないところへ保管すること.

(3)
使用済のシリンジ,翼付針等の処理については,主治医の指示に従うこと.

その他の注意

本剤はvon Willebrand因子を含んでいない.

薬物動態

重症血友病A患者5例に本剤を単回投与した場合,血漿中第VIII因子凝固活性の消失半減期は13.96±4.18時間,生体内リカバリーは67.9±11.3%であった1)

〈参考〉

分布
ウサギに125I-rFVIIIを0.8μg/kg(0.29IU/kg)を単回静脈内投与した実験では,血液,肝,脾及び遊離ヨウ素の取込みが推定される甲状腺以外,いずれの組織においても放射能の有意な取込みは認められていない2)

排泄
ウサギに125I-rFVIIIを0.8μg/kg(0.29IU/kg)を単回静脈内投与した実験では,投与後72時間の尿中排泄率は65%である.尿中排泄は比較的速やかで,投与後24時間以内にその86%以上が排泄される2)

臨床成績

血友病A患者20例について実施された臨床試験における治療期間は,24週間から最長84週間(1年間以上のもの5例)である.764出血エピソードにおいて止血効果が検討され,有効率98.0%(749/764エピソード)と満足すべき治療効果が得られている3)

出血エピソードごとの止血効果

出血部位 出血回数 有効率  
関節
筋肉
皮下
血尿
歯肉
その他
2ヵ所出血 
666
39
19
6
13
11
10 
98.0%(653/666)
97.4%(38/39)
94.7%(18/19)
100.0%(6/6)
100.0%(13/13)
100.0%(11/11)
100.0%(10/10) 
計 764 98.0%(749/764) 

薬効薬理

血液凝固第VIII因子欠乏患者に対し,血漿中の血液凝固第VIII因子を補い,その出血傾向を抑制する4)

有効成分に関する理化学的知見

一般名
オクトコグ アルファ(遺伝子組換え)
〔Octocog alfa(genetical recombination)〕JAN

本質
ヒトT細胞ハイブリドーマのmRNAに由来するヒト第VIII因子cDNAの発現により,ベビーハムスター腎細胞で産生される2,332個のアミノ酸残基からなる糖蛋白質(分子量:300,000〜350,000)

取扱い上の注意

記録の保存
本剤は特定生物由来製品に該当することから,本剤を投与又は処方した場合は,医薬品名(販売名),製造番号(ロット番号),投与又は処方年月日,投与又は処方を受けた患者の氏名,住所等を記録し,少なくとも20年間保存すること.

包装

注射剤 瓶
250IU×1バイアル〔(日本薬局方 注射用水2.5mL) プレフィルドシリンジ×1シリンジ付き〕

500IU×1バイアル〔(日本薬局方 注射用水2.5mL) プレフィルドシリンジ×1シリンジ付き〕

1000IU×1バイアル〔(日本薬局方 注射用水2.5mL) プレフィルドシリンジ×1シリンジ付き〕

〔付属物としてセーフィルターPSVセット(翼付針),スワバー(アルコール綿),絆創膏及び廃棄用袋を添付〕

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
Shirahata,A.et al.:Int.J.Hematol.,72,101(2000)

2)
Newgren,J.O.:バイエル薬品社内資料[ウサギにおける薬物動態](1990)

3)
Yoshioka,A.et al.:Haemophilia,7,242(2001)

4)
Giles,A.R.et al.:Blood,72(1),335(1988)

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい.

バイエル薬品株式会社・メディカルインフォメーション

〒530-0001 大阪市北区梅田二丁目4番9号

バイエル医療用医薬品のお問い合わせ先
バイエル薬品株式会社・くすり相談

フリーダイヤル 0120-106-398

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
バイエル薬品株式会社

大阪市北区梅田二丁目4番9号

その他の説明(付属機器の取り扱い等)

製剤保管に関する注意
家庭で保管する場合においては冷蔵庫内で保存することが望ましいのですが,室温で保存することもできます.
この場合には,使用期限を超えない範囲で6ヵ月以内に使用し,再び冷蔵庫に戻さないで下さい.

輸注セット(翼付針,絆創膏,アルコール綿等)の使用方法

1.
輸注セットは1回限りの使用になっていますので再使用はしないで下さい.

2.
万一包装等に破損や異物の付着等の異常が認められる場合は使用しないで下さい.

3.
翼付針の針先及びシリンジ接続部分,バイオセットのシリンジ接続部分,シリンジの先,救急絆創膏のパット部分には手指で触れないで下さい.

4.
粘膜,創傷面には使用しないで下さい.

5.
今までに薬や化粧品によるアレルギー症状(例えば,発疹・発赤,かゆみ,かぶれ等)を起こしたことがある人は使用前に医師又は薬剤師に相談して下さい.

6.
目に入らないように注意して下さい.(アルコール綿)

7.
発疹・発赤,かゆみ,かぶれ等があらわれた場合は使用を中止し,主治医に相談して下さい.(アルコール綿,救急絆創膏)

8.
その他

●清潔な場所で使用して下さい.

●手を石鹸でよく洗ってから使用して下さい.

●冷蔵庫内では食品等と区別して保管し,フリーザー(冷凍庫)の中には入れないで下さい.

●原則として,本輸注セット以外の医療用具は使用しないで下さい.

【注意】
●注射用水入シリンジの包装パック内は滅菌されていませんので,シリンジの先端(翼付針との接続部分)等が触れないようご注意下さい.

●ゴム栓の一部が削られバイアル中に落下してしまった場合には,注射しないでかかりつけの病・医院に返品して下さい.

●製剤に添付している翼付針を使用して下さい.

●本品使用後の注意

・本品使用後は,添付の廃棄用袋に入れて下さい.廃棄する場合は,かかりつけの病・医院で廃棄方法について相談して下さい.

献血又は非献血の区別の考え方
「献血又は非献血の区別は製剤の安全性の優劣を示すものではありません.」
この表示区別は,下記の手順に従って決められています.

コージネイトFS バイオセットの溶解操作方法

溶解操作の前に次の説明文を必ずご一読下さい.
特に操作3.4.については,失敗しないための大切なポイントですので,ご注意下さい.

1.
バイアルの上にあるキャップをつなぎ目で折るようにしてはずす.

2.
注射用水入シリンジのキャップをつなぎ目で折るようにしてはずす.

3.
バイアルのシリンジ接続口に注射用水入シリンジを回転させながら,止まるまで回して接続する.

4.
注射用水入シリンジとバイアルの間に約2mmのすき間ができるまで押し下げる.

5.
注射用水入シリンジの上部にあるゴム栓にプランジャーを押しながら回して接続する.

6.
注射用水入シリンジのプランジャーを押し下げ,注射用水をバイアル内に入れる.

7.
軽く振って完全に溶解させる.

8.
注射用水入シリンジを接続したままバイアルから注射用水をシリンジに移行させる.

9.
シリンジを回してバイアルからはずす.

10.
添付の翼付針のシリンジ接続側のキャップをはずし,シリンジの先端に回して接続する.